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《爾雅》《方言》《廣雅》《釋名》などにおける意味のまとまりを漢蔵語族との関わりで捉え直してまいりました。Chinese Calligraphy【有字幕說明 Subtitled Commentary】

《爾雅》《方言》《廣雅》《釋名》などにおける意味のまとまりや朱駿聲《説文通訓定聲》、何琳儀《戰國古文字典》における諧声系列を漢蔵語族との関わりから捉え直してまいりました。こちらも編集チームが手間をかけてとても丁寧にハイライトを付けてくれましたので話が追いやすくなりました。字幕にも細かく註を入れましたので併せて、お楽しみ下さりましたら幸いです。縱談語言學、音韻學、訓詁學、文字學,長達一個小時左右了!

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2021年7月13日

そして、《爾雅》も、やはり、辞書として重要でして、漢字自体の使い方を説明しているものですね。

これから私は見てゆこうとするのは、伝統的なこうした辞書の中で説明されてきた、文字の意味を、私がひらめきました漢蔵語族の観点から言えば、相当に沢山の語源が流れ込んでいるじゃないかを含めて、

漢蔵祖語の音や意味、もしくは漢蔵語族の色んな言語の音や意味で、新たに検討していきたいと!ここからが真骨頂ではないかと、本当に検討してゆこうという、これは本当に新しい試みではないかと!

そうしたプログラムでSino-Tibetan Schemeと言いますか(笑)

漢語で書かれた伝統的な文言文、古文、まあ日本で言う、漢文、

古典の漢語で書かれたものを論証してゆこうというプロジェクトです!

それで、まあ、ここからもそうですが、前もそうでしたけれども、

宋版とここに書いてありますけど、

私のこだわりで宋版を出しましたという!

《古逸叢書》は、黎庶昌と楊守敬という人が日本に来たんですよね。

清国の駐在員として、日本でかなり古い漢籍が伝わってあって、

もう、ものすごい数の漢籍を買い漁ったんですよ!

それでこの本は、彼らが日本で復刻したんですよ!

日本で復刻した漢籍の善本ですけれども、

そして、その中で我々が見られる漢籍の最も古い形は、出土文献の例外を除いて、殆どがこうした宋本なんですね!

もしくは、宋版ですから、一番古い形で見られる形で見ていきたいと、こうしたものを出してるんですけれども、

この《爾雅》は、こうした同じ意味の文字をブワッと集めて、グルーピングしてるんですよ(「迄,臻,極,到,赴,來,弔,艐,格,戾,懷,摧,詹,至也。」)!

つまり、これらの文字がブワーッと沢山あります文字は、

全て「『至』という意味になります」と書いてあります。

つまり、逆に言えば、リンクされている言語と文字のネットワークであって、

それは言語と文字のデュアリティ(相補性)が標語、もう本当にスローガンで見ていくと、この辞書は非常に興味深いです!(即ち、《爾雅》など義書は文字が羅列して書かれていますが、文字の関連ではなく、文字が持つ意味、即ち、言葉の意味、義の連なりを示した書です。)

だから、先ずこの「至」に結びつけられた中に「格」という字がありますけれども、

その中で意味を持つものはどうなのかと、結び付けられている文字を考えてゆきたいと!

例えば、今までこの「格」は「至」になるのは、

これは(足が入ってくる)字源の方から合うことが見てまいりました。

それと、もう一つは、語源の方からも考えたりしまして、

ここに書いてある通り、このように載せておきました。

つまり、私がここにありました文字は、「至」という意味の漢蔵祖語*grwatに関係しているかという所でして、

この一つの語源を説明しているじゃないか、

この「格」はそうでしたかと言うことでして、

まあ、実際この文章自体の一部は、この間の動画でも説明した中で引用していましたが、

まあ、実際その部分見てみますと、どうかなと探してみますよ。

ありましたね!

この字!これは全部「至」に関係しますと書いてありまして、ここにきちんと文字を起こしておりましたけれども、

この中に「格」がありますと!

これについてはもう説明が済んでいるということでして、

漢蔵祖語*grwatに関係しているということでして、

これは「行く」という意味がありました。

もしくは「旅をする」という意味もありました!

「格」に結びつくということで、これはもう説明がついてますと!

次は《爾雅·釋詁》「騭,假,格,陟,躋,登,陞也。」ですけれども、「陞」に結びつけられていますよね。

ここの中に「格」がありますよね!

この「陞」と結び付いていまして、

「陞」に関して(字形を)見て見ますと、

大里編「阝」は丘の形「阜」じゃないかと!

これはひっくり返っていて、ウィーンと反時計回りに90度傾ければ、

「阝」は丘の形「阜」、もしくは階段「阝」ではないかと、

両方が混じったという説もありますけれども、

殷の時代の甲骨文において、一緒に混ざっちゃった!

少なくともそういうことでして、この「歩」という字は、

先に「止」も足跡の形でしたが、この下の部分「少」は(楷書で)かなり壊れてしまっていますが、

「歩」は二つ足跡「止」がついた形で甲骨金文があったんですよ!

要するに、丘に歩いて行っているから、会意的に、つまり、足「止」と山「阜」がありまして、それで「陞」という意味になりましたね。

それでこの「登」は、実は甲骨金文では、この上の部分が、結構(楷書では)壊れてるけど、この二つはもともと形が足だったんです!

もうずっと後になって楷書で「癶」になってしまっていますけれども、

それでこの「豆」は、青銅器で器を意味していて、

それを人が持ち上げている形であったり、

その上に更に足がついていたりしておりますけれども、

字形的にも、やはり「登」に関係してるんですよね。

今のお話は字源でしたけれども、

それと混ぜていけない語源があって、

また、今度は言葉の方から考えていくと、

全部、私は今のここに出てくる言葉に関して、

重要な所、話していく中で大事な(上古漢語の)音は、

全部、ここに書き出しておきました!

そうすると、この音は「陟」*tɯɡ, *trəkなんですよ!漢蔵祖語*l-t(y)akに行くんですよ!

これはやはり「登」と語源が特定できます。

それでこちらの「登」*tɯːŋ, *k-tˤəŋ, tˤəŋ、「躋」*ʔsliːl, ʔsliːls, *[ts]ˤəj、「陞」*hljɯŋ, *s-təŋなどは、漢蔵祖語*s-tyaŋから来ています。

何故なら、やはり、上がっていくという意味を持っています。

こちらも登っていくという意味がありまして、

だから、全体的に言えば、「上がる」という意味はありますが、

そうして、これを見ると、同じ漢蔵祖語*s-tyaŋから来ていて、

「登」*tɯːŋ, *k-tˤəŋ, tˤəŋ、「躋」*ʔsliːl, ʔsliːls, *[ts]ˤəj、「陞」*hljɯŋ, *s-təŋなどが、元の漢蔵祖語*s-tyaŋに近い形を持ってますよね。

まあ、こちらは*s- prefixは落ちてますけれども、

究極的には、接頭辞と接尾辞が付いたりするような形でして、

まあ、少なくとも、こうした接尾辞があって、

それを無視した形でも、きちんとありまして、

これが漢蔵祖語の語根tyaŋの部分、上古漢語はtəŋで継いでいて、

究極的には、接頭辞、接尾辞が違っても、同じ語源だと特定できます!

でも、音が「格」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrakとは、かなり違うんですよね。

だから、私は今のように言語的な音で行きまして、

全然音が関係ないと!おかしいと!

戦国文字の中の楚簡で話をしましたよね。

文字が壊れて訛って、「陞」と「𢓜(格)」が混同された可能性がありまして、

それで音が違うということを考えてゆくと、

これは合理的に説明と思って、

楚簡の方で話をしたんですよ。

ですから、これはあまりにも音が違いすぎて、

これらとは少し結びつきにくいなと、

意味は皆、「陞」ですけど、

それでは、今度は「假」という字は、どうかと言えば、

こちらも微妙でして、先ほど言いましたように、この行人偏「彳」になってる形「徦」もありますよね。

それは人偏の「假」ということで、

こちらの偏が壊れてる可能性もあります!

しかも、こちらの部分に音を含めても、

声符においても、この少なくとも、行人偏「彳」がない「假」*kraːʔ, *Cə.kˤraʔ, *kˤraʔで行きますと、こうした発音ですよね。

どうもこちらとも結びつかない!

ということは、こう考えられると!

この三つは不思議なことに音が一緒で多分、同語源ではないかと考えられます。

それで一つがあり、これは音は違いましたが、意味は一緒でした!

漢蔵祖語まで行っても、そうでしたから、意味的にこの三つのグループは結びつきます!

それで、二つに関しては、これは「格」とこの「陞」が、

楚簡の時代にかなり音が違うのに結びついた理由は、

文字が壊れて、混同された可能性が高いです!

それで今度は、これと、これが音が近いですから、ここの二つのグループができると考えられます!

「騭」に関しては、「馬」がついただけで「陞」と一緒だから、

「陟」に「馬」が更についた形ですから、「陟」と結びつきます。

だから、面白いことに、このグルーピングで音が一緒でして、

ある程度、音が近いものは並べてくれてるんですね。

この配列も大事でして、文字の順番は、このグルーピングできていた。

これは音が一緒だ、語源が一緒だ!

これは意味が一緒だ!意味的なつながりでつなげられました!

こちらは文字が壊れたかと!

こっちとこっちは音が近いと!

それでこれは結びつけられて、こちらに行くと!

これは「馬」がプラスされて、字形によって、関係づけられていると!

全部が関係づけられ方の説明がつくと思って、

今、字形、字音、字義、全部から、羅列された文字の一つ一つの違い、

それと何が関係があって結びつけられたか、

それで全て最終的には、この意味「陞」を持っていると書いてあるのか、今のように説明が付いたと思います。

そして次に行ってみますよ!この調子ですよ!

また、同じく《爾雅·釋言》「格,懷,來也。」の別の部分には、

こちらですけれども、

「格」と「懷」は「來」という字になってると!

どういうことなんだと!

私は今度は「來」の語源を調べて考えてゆけるではとみたら、

そもそも、「格」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrakでしたよね。

それでこの「來」*m·rɯːɡ, *mə.rˤəkだから、

これは最初の部分kˤがməになりまして、

もしかしたら、その後はˤrakかrˤəkで少し母音が違うけれども、

かなり音は近いんですよ!

だから、音が近い可能性があって、結びつくと思うんですよね!

そして、それを見ると元々「來」*m·rɯːɡ, *mə.rˤəkは、漢蔵祖語*la-y ⪤ raからきているんですよね!

だから、これらのビルマ語လာ, laとか、彝語ꆷ, li⁵⁵とか、西夏語ljɨ̣とか、タンクル祖語*raと関係して構築できますけれども、

別の見方ができて、「格」は「來」という意味を持った時には、

「來」*m·rɯːɡ, *mə.rˤəkの音と近い意味で行ったのか、

もしくは、接頭辞の部分を変えて、「來」*m·rɯːɡ, *mə.rˤəkも、「格」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrakも、もしかしたら、漢蔵祖語la-y ⪤ raから行った可能性も考えられます(即ち、「くる」という意味における「格」は、「來」と同じ語源、漢蔵祖語la-y ⪤ raかもしれないことです)。

ところが、「懷」*ɡruːl, *[ɡ]ˤrujですから、「來」*m·rɯːɡ, *mə.rˤəkと音がやはり似ているんですね。

あとは「格」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrakも、これとこれと音が似ています!

「格」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrakと「懷」*ɡruːl, *[ɡ]ˤrujがよく似ていること、

そうした意味で見ると、面白いことに、

最初の「懷」*ɡruːl, *[ɡ]ˤrujの接頭辞*g-を取れば、

漢蔵祖語*la-y ⪤ raの段階では、最後がこちらは「i」になり、「j」になりますが同じですから、実質は「y」ですから、

だから、これとこれはやはり関係する可能性もあるかと、

これは漢蔵祖語*la-y ⪤ raで「来る」という意味ですが、

そうして、結びつきが、これらの辞書に書いてある漢字のグルーピングをもう一回、そうした現代的な言語学で見ていくと、面白い色々な発見があると、ここでもお話してまいりまして、

次は《爾雅·釋訓》「偁偁格格,舉也。」ですけれども、

これがその最たる例と思いまして、

どうしてかと言いますと、

この「偁偁格格」と読める「格」という字があるものが、「舉」と結びつけられてるんですよ!

私はびっくりしちゃったんですよ!

この間にこの「各々」という意味は「各」*klaːɡ, *kˤakいう、木偏を取った形は「各々」という意味を持ってますよね!

この部分「各」ですけれども、

「格格」が結局「各々」という意味を持ったのは、

「擧」もしくは「気づく」とか、漢蔵祖語*kyiから入っていて、

それらの中から、どんどん一つ一つ選び出していく、見つけ出してゆくところから、

ここで「全ての」という彝緬語族(ロロ=ビルマ語族)*kaに行き、

それで彝語ꈁ, kha³³; ꈀ, kha³⁴でも、そうした意味を持っていたという話をしましたけれども、

そこから「舉」*klaʔ, *kaʔと「各」*klaːɡ, *kˤakが関係あるかと!

ここで実際に「各」「擧」という言葉と結びつけられるんですね!

だから、これはすごいなと思って、衝撃を受けました!

本当にそうしたこの語源はこうかという、

仮説(conjecture)を立てて、それを説明してゆく中で言ったことは、

全く違う所でも、面白い証拠として上がってきて面白いです!

非常に《爾雅》という辞書は、意味のグルーピングをした中で、すごく面白い辞書と思って、

言葉の音の方から行くと、

そのグルーピングのなされ方、

配列の仕方も考えられて作られていたと感じてきました!

ということで、次に行ってみたいと思うんですよ!

今までそうした感じで、どんどんで説明ができていって、

期待してきておりますけれども!

今度は、揚雄さんの《方言》を見ていきたいなと思っておりまして、

《方言》は、揚雄さんは、やはり漢の時代の学者でありましたけど、

それを清代の戴震さんという、ものすごい考証学者がいて、

実証主義、「実事求是」と言いましたけれども、

もう、「実事」は、本当のことを、実際のことを求めてゆくという、

「求是」これを是とするということですよね。

そうした実証主義の学統で研究していったという、

先ほど出てきた段玉裁、これから出てきます王念孫に引き継がれておりまして、

とにかく、彼らはものすごい粘り強く、ものすごい数の文献証拠を集めて、論証していくというスタイルですよ!

まあ、今、私も色んな証拠を挙げて、こうして書かれたことを、こうではないかと、

もう、色んな角度から、論証していこうというスタイルですけれども、

まあ、言ってみれば、

彼らがしたことは、本当にその先駆者でありますよね!

ここを見ても、分かりますが、

ここに書いてある《方言》の意味に関して、

ものすごく色んなことを引用して、

「案」から、彼の意見が書いてあります。

「案ずるに」から、ものすごい数の文献引用して、 厳密に推論をして、

それである概念とある概念を結びつける時には、必ずある典籍を引用したり、

その根拠を書いて、説明してくれていて、

とても手堅い素晴らしい研究と思います!

当時、最善を尽くしたと思いますから見ていきたいと思いますが、

二つとも、註も併せて、本文、こちらが漢の時代の揚雄さんの《方言》、こちらが戴震さんの《疏證》を見ていきたいと思いますけれども、

これを見ると、すごいことに、《方言》は、当時漢の時代の色んな中国の色んな地方にあった、

ここではこう言うんですよ。同じことを別の方言では、こう言うんですよと、集めてきてるんですよ!

先ほど《爾雅》に関しては、ある意味、文献の中での文字の使われ方ですよね。

そのグルーピングでした!

今回は当時、話されていた色んな言葉がどうだったかを見てゆきます、

先ほどの《爾雅》は、文献的な研究、こちらの《方言》は、もう2000年も前ですけれども、

実際に喋っていた言葉の研究ということでして、

まあ、これも今、文献になっていますけれども、

これをしておりますけれども、

そうした形で見ていくと面白くて、

この「假」は、先ほどみました!

もう本当に出てますよね。

「懷」も出てきて見たということで、

結構もう今まで見てきたことが多いと思いますけれども、

この「至」を結局「假」「𢓜」で表されていました!

それで古い時には、「格」の字と註釈が加えられていますけれども、

そうして、これらは、私たちはもう見ました!

それは面白いことに、この後のところを見ると、

どこで話されていたかをきちんと書いてくれていて凄いですよ!

そうすると「邠唐冀兗之間」を調べましたら、

陝西省の咸陽と山西省の太原でして、まあ、ある程度、北の方で中心部(中原の地方)では言っていたとまできちんと分かり、 本当にすごい!

そして、まあ、齊と楚は、戦国時代の国の名前ですけれども、

先ほど出ました「懷」*ɡruːl, *[ɡ]ˤrujで表しています!

それで楚では、もしくは、こちらに沢山、注釈がありますけれども、

「宋語」、宋では、古めかしい言葉と書いてあるんですよね。

古雅と書いてありますね!

こちらの「案ずるに」から、戴震さんの意見が書いてありますけれども、

元々「𢓜」と「格」は、古通(古くは通用した)で両方とも一緒でした!

これも私たち見てきたことですよね。

もう分かっていることです!

先ほど金文や楚簡でもそうでした。

そして、「格」はここに「亦た𢓜に作る」とありますけれども、

それは《廣雅》という辞書の中においては、

この「假」と「至」と書いてくれていて結び付けているんですね!

まあ、先ほど、これも《爾雅》でも見まして、関係してきていることは、結構出てました。

すごいことに、戴震さんは、こういう論法ですよ!

先ず、この「格」という字は、「𢓜」と結び付けられる。

先ほど、ここ「𢓜と格は古くは通用す」にも書いてありました。

古くは通用していて、これとこれは関係する。

そして、今度は《廣雅》という辞書の中には、

この「假」と「格」という字も結び付けられている。

そして、《爾雅》の中でも、「格」は「至」と結びつけられているから、

それらを全部、結びつけると、AはBである。BはCである。だからAはCであるという証明をしたんですよ!(「𢓜格古通用」で「𢓜=格」、《爾雅》「格,至也」で「格=至」、《廣雅》「假,至也」で「假=至」、故に「𢓜=格=至=假」です。)

結構この証明は、アリストテレスの三段論法みたいな形で、

言ってみれば、文字を一つ一つ結び付けて論証しているのは、

結構これは手堅いですよね。

すごいですね!それを沢山の引用しています。

まあ、言ってみれば、スコラ哲学のようなやり方ですよ!

本当に昔の人が書いた注釈を徹底的に沢山引用してきて、ある説明したいことに関して、

全部これらを組み合わせて、論理を組み立てて説明する、証明する。

そういう学問スタイルですから、

もう今ここで出てきたことは、我々も全部見た文字で知っています。

要するに、ここで新たにもう一回論証し直さなくても、

皆、関係ある文字と、今までの流れで全部説明してきましたよね。

ということですから、こちらも見てみたいと思うんですけど、

こちらでもそうなんですよ!

だから、これからは、その新しい字が出てきたときに、

今までの事で重複することに関しては、 前の所でやりましたということでして、

我々知ってると見ていきますけれども、

《方言·第一》「躡、郅、跂、𢓜、躋、䠯,登也。自關而西秦晉之間曰躡,東齊海岱之間謂之躋,魯衛曰郅,梁益之間曰𢓜,或曰跂。」でも、別の場所で、これらの文字と、今度は関係していて、

ここに「𢓜」が出ておりますね。ここにありますよね!

これも先に《爾雅》で見ました!

ということで、《爾雅》で見たものに関しては、

先ほどのこれですねということで、

この「躡」という意味でして、「䠯」も行くという意味でして、

これらがどうして「登」という意味か、私は一生懸命考えたんですよ!

これで全部、音をここに書いておきまして、

この「𢓜」はありましたね。(鄭張尚芳の再構では、)この形ではなかったけれども、「格」と関係していますから、*[klaːɡ], *kˤrakとして、

Baxter-Sagartは、最近(の上古漢語のリスト)では「格」と同じに復元していましたね。

そして、こちらの問題が、「躡」*neb, *nrepなんですよ。

そして、「䠯」*[lowɢ], *[lewk]でして、これとこれは結び付きます。

「躡」*neb, *nrepと「䠯」*[lowɢ], *[lewk]は音として非常に近いかと思っておりまして、

それでかつ「來」*m·rɯːɡ, *mə.rˤəkとも近いと考えて、

それらは(漢代、2000年前の)方言差で言葉が少し微妙に違い、ずれているということで、

この形声字を作るとき、意符が同じ足が付いていますけれども、

声符が違った可能性はあると考えておりまして、

それで「𢓜」は、今、話しましたように「來」と結び付けられたとか、

「𢓜」はここ(郭璞の注)に「來」と実際に訓ぜられるとに書いてありますね。

「𢓜」は「來」という意味がありまして、

「𢓜」とも「來」を介して結び付きまして、

音が一緒だったからということ、

今度はこちらは意味で結びつくということでありましたけれども、

今度こちらの「跂」という字、足偏に「支」はどうかと考えると、

音は「跂」*ɡe, *[N-ke](*鄭張尚芳, *Baxter-Sagart)でして、Baxter-Sagartは再構していませんでしたけれども、

これはやはり「𢓜」*[klaːɡ], *kˤrakから来ている可能性があります!

この音が近いです!

これで来ています!

この結びつきはできると考えられて、

一つ一つの文字の関係性を、音や意味で今、結び付けておりますが、

まあ、実際「跂」*ɡe, *[N-ke]が、今度は音で結びつく理由の根拠のもう一つは、

「格」は「枝」という意味がありまして見てきました。

「枝」の「支」もしくは「枝」は、「支(枝)」*kje, *keです。

だから、「支(枝)」*kje, *keと「格」*[klaːɡ], *kˤrakとは、やはり、他のもう一つ橋渡しができて関係しますが、 まあ、Baxter-Sagartの*N- prefixは、少し気になる所ではありますね。

この後の部分が、(Baxter-Sagart)N-kと(鄭張尚芳)gを接頭辞(prefix)が付いた形で分析しているということでして、

(Baxter-Sagart)N-kとN-がくっ付いた形と見れて面白いですが、

今度は「至」という形が付いた形、それで小里偏「⻖」が付いた形「郅」*tjiɡ, *ti[t]があるんですよ!

これは魯(山東省)と衛(河南省)ではこのように言うと書いてあるんですよ!

これをちょっと考えてみたい!

これはもう「至」*tjiɡs, *ti[t]-sと声符が同じだから、

やはり、今までこの「格」と結びついてきたおなじみですよね。

それでこちら「⻖」は意符と考えられると!

とにかく、「行く」ことに関係する「至」が付いてまして、

厳密に言えば、「至」*tjiɡs, *ti[t]-sで小里偏「⻖」が付いてない方は、*-s prefixが付いていまして、

というのは、こちらの「郅」*tjiɡ, *ti[t]に対して、我々がよく使う「至」*tjiɡs, *ti[t]-sで*-sが付いていまして、

そして、「致」*tiɡs, *ti[t]-sも、今度は* infixが入っている!すごい!

しかも、今度は「到」*taːws, *tˤaw[k]-sですよね!

そうした形でこれらの言葉は、

漢蔵祖語*s-twak に関係して、これは外に行くという意味ですよ!

だから、「至」*tjiɡs, *ti[t]-sは、逆に*-s suffixの意味は、外に行くから、逆に来るという意味で方向転換と考えられます。

それで「致」*tiɡs, *ti[t]-sもそうです!

この*-s suffixが付いて一緒の形ですね!

だから、この意味としては、この小里偏「⻖」が付いた元々の-s suffixが付いてない形で、語根ti[t]に近いような形ですよね。

明らかにこの形は「外に行く」という意味でして、

まあ、どちらにしても、これはもう全部、足に関係して「行く」という言葉でした!

「躋」はもう先ほど《爾雅》で論証済みでしたね!

もう結び付いています!

ところが「躋」は、面白いことに、先ほど申し上げませんでしたが、

《易·震》では「躋于九陵(九陵に躋る)」という形で「登る」という形で使われていたり、

《說文解字》「躋,登也。」でも、この「躋」は「登る」という意味を持っていますね。

ということですから、この「躋」と「登」は、意味的に関係します!

ですから、これらに全部くっ付けてゆきますと、

全部「行く」「歩く」という意味でした。

全部、語源は違ったけれども、

結局、グルーピングされてゆく中で「登る」の方に「歩く」から、足で行くという形から、全部結び付けられて、

見れてゆけましたけれども、

これらの中で今、見れてこれたことは、一つは意味で結び付いて、通じ合ってるもの、

義で通じ合うものがあって、これとこれは義で通じ合っていたとか、

大体、他も全部そうですよね。

また、音が近いから通じ合うかと、

先に少し見ましたけれども、この「躡」*neb, *nrepは「䠯」*[lowɢ], *[lewk]に関係あるからいきましたり、

「䠯」*[lowɢ], *[lewk]に関係して、「躡」*neb, *nrepに行くかと、

「格」*[klaːɡ], *kˤrakと「跂」*ɡe, *[N-ke]は音で通じて、音で関係して、

また、そもそも「𢓜」が、戦国楚簡の中で字型や壊れて、「登」ではありませんが、違う「陞」と結びついたこともありまして、

そうした意味でかなり字形が通じ合うものが、グチャグチャに混ぜられたこともありまして、

全体が今のように全て結び付き合い、成り立っていたと言えると思います!

次に行ってみますね。《方言·第二》「儀、𢓜,來也。陳潁之間曰儀,自關而東周鄭之郊、齊魯之間或謂𢓜,曰懷。」

今度は「𢓜」という字が、「儀」と結びつけられていますね!

それでしかも、この「來」と結びついていますが、

これは面白いことに、木偏の「格」の方でしたが、その中にも「儀」(の意味)が入っていると至った、一つのヒントになりましたが、

ここに書いてあります、東周や鄭の郊外や齊と魯の間でこの「𢓜」が「來」という意味で使われていると説明してくれていますね(「懷」は《爾雅》の所で既に説明しました)。

この「儀」が面白くて、

陳という河南省周口でしたり、潁という臨潁県という場所が河南漯河という所では、漯水という川が流れていますけれども、

そこで使われていると書いてありますね。

私はここで思いましたが、

この「儀」という字が、どうしてそうした意味で使われたということを分析するために、この語源を調べてみたら、

元は儀式の「儀」という字は、どうして「儀」か分かりませんでしたが、

これはどうも「会う」という意味の漢蔵祖語*ŋra-k/ŋから来ているかと!

それらはすごい音は近く、しかも語根ŋraという音は、この「儀」*ŋral, *ŋ(r)ajに関してですが、

非常にこれは珍しい子音(の並び)ですよ!

とにかく、今まで語源が分からなかったですが、

この子音の配列「ŋra」、漢蔵祖語ŋra-k/ŋ、「儀」ŋral, *ŋ(r)ajは、ものすごく特殊ですよ!

だから、STEDTの漢蔵語族の様々な(言語の)データベースをダーッとローラー式に検索をかけて見つけていきましたら、

どうも「儀」*ŋral, *ŋ(r)ajは漢蔵祖語*ŋra-k/ŋの子音と配列が似ていると見つけましたが、

やはり、漢蔵祖語ŋra-k/ŋ「会う」だから、「逆」ŋraɡ, ŋrakとか、「迎」ŋaŋ, *ŋaŋは、元々「迎える」という意味だったんですよ!

しかも、儀式の「儀」*ŋral, *ŋ(r)ajも、「宜」*ŋral, *ŋ(r)ajも、元は祭壇の上に供えたお肉が乗ってる形で俎板「且」みたいな形していますが、

「宜」「儀」*ŋral, *ŋ(r)ajもそうでして、そうした儀式に関して、もしくは「義」「議」*ŋrals, *ŋ(r)aj-sなども音が近いですけれども、

すごいのは、「額」*ŋɡraːɡ, *[C.ŋˤrak]もそうですが、

これもやはり漢蔵祖語ŋra-k/ŋ「会う」とか、「顔」ŋraːn, *C.ŋˤrarとも関係してくることは、

どうもそこから行った可能性があるかと思いまして、

漢蔵祖語*ŋra-k/ŋ「会う」から「儀式」に行ったらしいと、

しかも、それを見ると「客」*kʰraːɡ, *kʰˤrakも、やはり、もしかしたら「持て成す」という意味で、漢蔵祖語*ŋra-k/ŋ「会う」から入って、

語源が同じではないかと、

しかも、更にそこに心が付いた「愙」*kʰaːɡ, *[kʰˤak]や「恪」*kʰlaːɡ, *[C.kʰˤak]などの言葉も、

もう全部そこから関係してるかということでして、

これはすごい新説ではないかと!

要するに漢蔵祖語*ŋra-k/ŋ「会う」から、「儀」という言葉に行き、

それと「顔を合わせる」という意味で「額」*ŋɡraːɡ, *[C.ŋˤrak]や「顔」*ŋraːn, *C.ŋˤrarという言葉も、もう全部、語源が一緒でして、

かつ、それは「相手を持て成す」とか、「逆」や「迎」も、本当に歓迎の「迎」です。これらも「持て成す」という意味でして、

それから「客」も、これらの「心」をつけた形の「愙」や「恪」も、音としても、意味としても一緒でして、

これらは語源が全部、一緒かということで、すごい衝撃的な一つの面白いことに至りました!

これはここの《方言》に書いてある、

この本当に四文字から閃いちゃったということで、

すごいインスピレーションに溢れているということで、

本当にこれらは、もう説明が全部付くんですよね!

そうすると「格」と全部結び付いて、

それで「來」とも音で関係しました!

それで「來」とは、今度は意味で関係して説明がついてきてます!

もう「𢓜(格)」と「來」の関係性は、今まで見てまいりましたね。

「儀」についても、このページで見てゆけましたけれども、

そして、戴震さんは、この「案ずるに」から、

一つ、この「儀」は、この人偏を取った「義」もそうですけども、

「格」と結びつくかと言っていまして、

「儀」には「格」という意味があって、

「義」と「格」は字義を兼ねて、

それで「往」という意味があって、

「來」という意味もあるか?

「義」に「格」という意味が生じてきたのは、

これは、もう心が通貫していくからじゃないか、

こちらに行きまして、聖人の徳がどんどん民に伝っていくような、

感化させるという感じで「格化」と言うんだと!

だから、「義」とは、「格化」だから、通貫して物事にいくから、「格」ではないかと!

彼としては、少し議論がこじつけっぽいと言うか、

彼らしくないという所がありまして、

精密さという意味では、少し話が膨らみすぎていて、

論理の飛躍がある感じはしていましたけれども。

基本的には、一つ一つの文字に関しては、

こうした言語的な意味で、音を借りたとか、意味が同じだとか、もしくは、字形が壊れたとか、字形が類似していて、同一視されたとか、

そうした意味であって、あまり言葉の中で、

こうじゃないか、これじゃないかというような、ひねりがあるような、こうした考え方は、

やはり、議論的には、少しこじつけぽいとこがありました。

少しここは気になっていたところでして、

やはり、言語的に行けば、純粋に行けば、一つ一つ詰めていくような形で見ていけたり、

この調子でちょっと行ってみたいと思うんですよね。

《方言·第三》「格,正也。」は、「格」が「正」と書いてありますね。

もう、これは先に説明していまして、

ここで私が、「確か」という「正確」の「確」と関係があると閃いちゃった!

これも《方言》に感謝しなくてはならないですね!

もう、インスピレーションを受けました!

ということで、先の表に追加ということで加える理由になった一つ前でもそうでした!

こちらでも、そうですけれども、

この「正確」は「正しい」とは、やはり、正確の「確」で「確かにする」ということで、

戴震さんが引用した文例も、私はもう引きました!

本当に《孟子》で同じでした!

それで、そこで説明して、「啓発する」とか、「啓蒙する」という意味があり、

非常にやはり教育的な内容と思いましたが、

その文例の中では、やはり、これはそこから見ると、

この「教」という言葉と語源が一緒でして、

それは元は「交」*kreːw, *[k]ˤrawの漢蔵祖語*ryawから来てましたけれども、

そうした意味で「確」*kʰroːwɢ, *[k]ʰˤrawkという言葉は、 「敎」*kraːw, *s.[k]ˤrawと非常に子音が似ていました!

最初にやはり、-s suffixが付いていて、「敎」kraːws, s.[k]ˤraw-s、それで「確」kʰroːwɢ, *[k]ʰˤrawkですから、

最後に*-kが付いた形でして、

これは、「敎」*kraːw, *s.[k]ˤrawと「確」*kʰroːwɢ, *[k]ʰˤrawkという言葉は、子音の配列と意味の関係性は、非常に関係あり、結び付くと思い、

それで私はこの漢蔵祖語*ryawと関係があるかと結び付けました!

この三文字から開かれて、面白かったですよね!

だから、本当にこうした古い文献見ると、インスピレーションを受けることがありまして、面白いことでして、

先ほどの戴震の弟子の王念孫さんもすごい人ですけれども、

もう、段玉裁さんとは兄弟弟子のような形でとても仲良くて、

まあ、段玉裁は《廣雅疏證》の序文も書いたくらいでして、

その中で王念孫という人は、もう漢字を字形と字音と字義の三つをきちんと考えて研究した素晴らしい学者だと!

もう最初の所に書いてありまして、だから、漢字は三つから攻めていくということを彼らは共有していました!

そうしたスローガンがありまして、そうして研究をしていまして、

《廣雅》という書は、先ほど見た《爾雅》を更に広げたものですよ!

まあ、《切韻》という韻書がありましたが、それを《廣韻》としたのに似ていますよね。

更に増強させた!文字数などを増やして増補した意味で「廣」(広い)です。

それで《廣雅疏證》で書いてある内容だけを拾いまして、

ここにびっしりと彼の注釈はもう本当にすごいですよ!

王念孫もめちゃくちゃ調べまくって書いていて、

これほどまで註釈を書きましたということでして、

私はこれをきちんと全て読みました!

その中でとても面白かった所をちょこっと紹介しながら、

《廣雅·卷一》「假及䡔、礙、括、致、悃、㨖、歫、摵、會、抵、薄、察、往、薦、周、望、腆、繄,至也。」の本文の方を見てゆきたいですけれども、

「假」を見ましたよね! これも含まれてるし、

結構、出てきました!証明をしていた時に「格」にはこの邪魔をするという「礙」が含まれてありましたね。

本当にそれも一緒になっています!

それで「致(至)」も出てきた!もう見てきた!

今までありました!

しかも、結構よく見てまいりました!

こちら「歫」は手偏で「拒」だから、非常に「歫」は「邪魔をする」という意味にもなり、

ここにありますね!それと「抵」も出てきました!

それなど、結構「往」もありましたね!

それらは「至」に関係させてつなげて、グルーピングさせました!

ですから、「礙」は「格」と結びついたとき、これ自体は漢蔵祖語*ʔ/N-g(r)ak「邪魔をする」から来ていましたね。

それで王念孫さんは、この中で《説文》《爾雅》《方言》と、我々が見てまいりました順番で引いてますよ!

本当に「礙」は「止」という意味の「至る」と言ってますよね!

だから、ここは微妙なところで「礙」は「止まる」から、

「邪魔をする」から「止まる」にゆき、「止まる」から「至る」に意味の方で行っていますが、

私はそうは思いませんでした!

つまり、これは漢蔵祖語*ʔ/N-g(r)akという音だったから、全然違う語源から来ました!

本当に漢蔵祖語では、もう「邪魔をする」という意味からきています!

ところが「礙」*ŋɯːs, *[ŋ(r)ə-s]は「隔」*kreːɡ, *[k]ˤrekと非常に音が近かった!

だから、「格」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrakと音を通じて、

それで「格」の方に来て、そこから「至」に行った可能性があると見ていきたいと思いますが、

また、「歫」も距離の「距」で「足」に変えればそうですね!

上に足の上の部分を付ければ、距離の「距」ですから、

中々「隔」*kreːɡ, *[k]ˤrekという字と(音と意味が)オーバーラッピングしてきて、

こちら「拒」の方は「遮」の方に行ったり、

距離の「距」から言えば、「隔たる」ということでして、

前に説明したところでも、その「隔」*kreːɡ, *[k]ˤrekと「格」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrakが関係あったと見ていましたけれども、オーバーラッピングしてきて面白いと言うことでして、

おお!となりましたけれども、

やはり、清代の王念孫さんは、こうして字義の間で綿密に考えていたけれども、

当時は漢語で書かれた文献しか知らなかったんですね。

だから、仕方がないことですね。

やはり、考える材料が、やはり、大事でして、

多ければ多いほど、正しく考えることができ、

更に違う方向から、ツッコミ入れられて、今こうしておりますが、

王念孫さんは本当にすごいですよ!

これだけ引用して、一つ一つ論証しようとしている!

これはもう感服!もう敬服しておりますということで、

次に行ってみたいですけれども。

《廣雅·卷三下》「禦、禁、掕、閣、坐、沈、宿、蹟、矣、竣、挂、礙、鋪、脾、綝、処、咹、跱、棖、拘、渟、懫、䟆、𨅕、抳、𩧅、駤、䠧、券,止也。」ですよね。その中で「礙」があります!

これらが「止」に結び付けられています!

「格」は同じ部品「各」を持つ、この「閣」が出てますよね。

ここではみんな「止まる」という意味を持った言葉を全部集めているんですよ。

その中で少し見ていきたいと思うんですよね。

王念孫は《漢書·梁孝王傳》「太后議格,蘇林音閣」を引いて、更に張晏さんの注「格,止也」の中で「格」は「止」と書いてありまして、

この「格」は「止」という意味で使われていて、

そこから更に《史記集解》が引いている「如淳の注曰く」と書いてありますが、

そこには「攱閣不得下也」と書いてあるんですよね。

それでこれら「攱」「閣」を結び付けて、「得られない(不得下)」という意味から、論証していて、

面白いことにこの中で出て来る「攱」も出てきましたし、「閣」も「各」の部品がありますよね。

先ほどそれで出てきましたね!

「扉を止めておく」という所という意味から「閣」も出てますよね!

非常にこの近い意味の字が関係して出てきて、

先ほどこちらの木編でしたけれども、同じ声符であったりして、

音は通じる話は、非常に有効でして、

私たちが今見てきた方と同じく、ここは非常に正しい論証していて、すごく良かったということでして、

もう全部、説明してきていますから、

まあ、今は王念孫の論理だけを少し見ながら、

ここはもう説明済ということで行ってみたいと思いますが、

それでここで面白かったのは、

次は《廣雅·卷八上》「鹿、觡、䥩、釣,鉤也。」で「觡」は「鉤」という意味でと書いてまとめられていまして、

どうしてかと言いますと、《玉篇》という辞書を引いてまして、

それで「觡は鹿の角である」と書いてありますね。尖った角!

それで私はここで、しかも「枝」と関係させて、「格」と書いてありましたり、

それで枝がないものが、普通の「角」*kroːɡ, *C.[k]ˤrokであると、

それで「枝」と関係がありまして、

それで「觡」*kraːɡ, *[kˤrak]など、今まで出てきた概念が、全然関係なさそうな所でも、関係して出てきていて面白いと思って、

ちょっと見ていたんですけれども、

ちょっと「角」の語源を調べたんですよ!

そうしたら、見つけまして、

やはり、漢蔵祖語*m/g-(r)wa-ŋ/k/tは、「角」という意味がありまして、

おお!近いとびっくりして、

それで「角」*kroːɡ, *C.[k]ˤrokなんですよ!近い!

まあ、Baxter-Sagartの場合は、少し分からない子音が付いていまして、

しかし、後の部分[k]ˤrokは、おお!「格」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrakと近い!

しかも、この「觡」*kraːɡ, *[kˤrak]ですよ!

こちら「觡」は枝は分かれているもの、こちら「角」は枝分かれしていないものと書いてありましたけれども、

音が全部近いんですよ!

これで全部ここに結びつき、「各」という部品持ちますが、

この場合は「角」の語源(漢蔵祖語*m/g-(r)wa-ŋ/k/t)からきたことが明らかですと面白かったです!

それで次を見てみますね。

今度は何が出て来るんだと!

《廣雅·卷八上》「箷謂之枷。」ですね。「椸(箷)」を論証する所で面白いことを王念孫さんは言っていまして、

《蒼頡篇》「椸格也」という、秦と漢より前に良く使われていました文字のテキストがありまして、

「箷」が「施」に木偏「木」の「椸」となりますが、また、我々見ている「格」が出ているんですよ!

それでこの「格」は「枷」と関係あると書いてあります!

「竿」にも関係あると書いてるんですよね!

それですごいのが、今の「格」「枷」「竿」は「一聲之轉」と書いてありますね!

一つの音から転じたかと!

つまり、王念孫さんは、全然違う部品、声符「各」*klaːɡ, *kˤak、「加」*kraːl, *kˤraj、「干」*kaːn, *kˤarを持つ「格」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrak、「枷」*kraːl, *[kˤaj]、「竿」*kaːn, *kˤarは、全然違いますが、それらは音が一緒だから転じたかと!

これはすごいですよ!本当に当時として全然違う漢字が、同じ音で(転じていると)我々がまさにしていることですよ!

まあ、当時、彼は本当の内容の音は分からなかったけれども、

言ってみれば、王念孫さんの時代の近代漢語の音か、中古漢語の反切で中の音が分からないぐらいの状態で考えましたが、

でも、きちんと当てていて、正しい論証をしていまして、音を出しておきました!

今の音では「格」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrak、「枷」*kraːl, *[kˤaj]、「竿」*kaːn, *kˤarですけれども、Baxter-Sagartは「枷」を再構していませんが、似た「加」などで見ると*[kˤaj]と考えられて、

それで「架」*kraːls, *[kˤaj-s]でして、「竿」*kaːn, *kˤarでして、音が近いから借りたと考えられます!

本当に論じてることは正しい!

王念孫さんすごいということです!

まあ、厳密にいうと、「枷」*kraːl, *[kˤaj]と「架」*kraːls, *[kˤaj-s]は、「木」の位置が左と下で違いますが、

今見ると(名詞を動詞にする)*-s suffixがついて少し違っているんですね!(即ち、「枷」は名詞、「架」は動詞で「架ける」の意味です。)

これについて、少し次のところで見たいと思うんですよ。

《釋名·釋兵》「戟,格也,旁有枝格也。」という面白い辞書がありまして、

これも漢代の学者(劉熙)が集めました。

その中で見ますと、沢山ありますが、これも宋本ですね。

しかし、これは明の時代に復刻された宋本でありますけれども、

この部分です。これは私、話しましたよね!

「戟」*kraɡ, *[k]rak、一番最初の所、特に楚簡の所で話しました「戟」という戈と「各」を結びつけて話したんですよ!

実際、《釋名·釋兵》の中に出てきていて、うわぉ!ということでして、

しかも、偏が「枝」と「格」に関係あるかと結び付けてるんですよ。

少し前までは、音の語呂合わせみたいな説明で、何か微妙だ、変だと言われていて、異端視されていたところがありますけれども、

しかし、《釋名》は基本的に音で(結び付けて考えておりまして、)全然違う形で書いていても、

文字の音が似ていたら、やはり、語源的には一緒かと指摘しました。

やはり、語源の方を探究した先駆者と思うんですよね。

まあ、漢代の人たちは、当時は発音で上古漢語の後の方でしたけど、

一応、上古漢語の範疇で発音が分かっていました!

その時にこうして音で当たりを付けて考えてくれていまして、

しかも、「枝」と結び付けて、「格」がきちんとありまして、

これをちょっと論証してみたいと思うんですよ!

どういうことかといいましたら、

この「戟」この戈の一種は、「格」と「枝」と結び付けられています!

「格」と「枝」を結びつけるのは《説文解字》でそうでしたね。ありました!もうお馴染みです!

ですから、先ほど楚簡で見ましたように、この「戟」*kraɡ, *[k]rakという漢字、今は「朝」みたいな字形なってしまってますけれども、

こちら「格(𠲱)」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrakという意味でして、こちらの部品、「丯」*kreːds, *[kˤet]も、元は「朝」みたいになっていた部分は、この部品「丯」に「戈」が付いてたんですよ!

だから、この部品の方「倝」*kaːns, *[k]ˤar-s、「丯」*kreːds, *[kˤet]に音があったことを考えられて、

何故なら、「戈」*koːl, *kʷˤajの方の音は、「戟」*kraɡ, *[k]rakと、全然違うからでありますが、

それでこの「丯」*kreːds, *[kˤet]の部分は、声符というならば、ここはもう訛って、違う字になっていますけれども、

「丯」*kreːds, *[kˤet]ですから、(「戟」*kraɡ, *[k]rakと)音が近いわけです!

少しkの後にˤが入っていますけれども、

そうした形で近いから、もう声符とは言えて、

それで「戟」と「𠲱(格)」に関しても、両方とも同じ声符でして、

しかも、すごいのが、先ほど少し話しましたけれども、

この部分も「丯」*kreːds, *[kˤet]でして、この部分が「各」*klaːɡ, *kˤakでしたから、

両方とも声符で(両声字で)「𠲱」*klaːɡ, kraːɡ, *kˤrakという音ですから、

それで尖ったその武器である「戟」という戈を少し調べたら、どうも漢蔵祖語*s-ka(:)kに関係して、そこから来たかと!

それで「戟」*kraɡ, *[k]rakが来ていると考えました!

漢蔵祖語*s-ka(:)kは「枝」という意味でして、

そこから、これが説明がつくじゃないかと!

実際に《釋名·釋兵》「戟,格也,旁有枝格也。」でも、(「戟」*kraɡ, *[k]rakを)「枝」と関係させて言っていますよね!

この武器に関して論じていて、すごく面白いことでして、

先ほど「竿」*kaːn, *kˤarという字がありましたよね。

そこのところで見てみて、私は調べたんですよ。

「竿」*kaːn, *kˤar、「枷」*kraːl, *[kˤaj]、「架」*kraːls, *[kˤaj-s]と関係していて、どうして「戟」*kraɡ, *[k]rakを持ってきたかというと、

「朝」のような所は、元は音符「倝」*kaːns, *[k]ˤar-sを音を借りた可能性がありまして、

これは「幹」という意味ですよね。

この部分に摩り替わりました!

最初は結構、金文では、この「丯」に従っていまして 、「丯」にこの「戈」が付いた形でしたが、

こちらの「倝」*kaːns, *[k]ˤar-sに摩り替わりました。

今、我々はあまりこの字は使いませんが、「戟」はこの字になりまして、

そう見ていくと、「倝」*kaːns, *[k]ˤar-s、「竿」*kaːn, *kˤarですから、*-s suffixが付いて、典型的だと、これとこれは結び付きまして、

明らかです!まあ、字型からも、この「榦」「幹」の中には、これ「倝」が入ってますね。

まあ、これは形声文字として考えれば、

言ってみれば、この「戈」にこの部品にこの「倝」「榦」「幹」*kaːns, *[k]ˤar-sがついて、この「戟」*kraɡ, *[k]rakになっていますよね。

もしくは「木」の形「榦」もありますが、

元々これをずっと調べていったら、漢蔵祖語*kuːŋに値すると!

ここから来ているかと特定してゆきました!

そして漢蔵祖語*kuːŋは、更に遡ると、treeとか、branchとか、stemという、意味があるんですよ!

だから、漢蔵祖語*s-ka(:)kは、folkとか、branchとか、crotchですよね。

皆、枝ですよね!こちらも、こちらも!

どうも、それでも、漢蔵祖語kuːŋに関しては、オーストロアジア語族koŋの方から借りたらしく、

モン=クメール語族の方から行ったじゃないかと。

つまり、漢蔵語族ではない外来語でした可能性があります!

漢蔵祖語の段階で借りたかということがありまして、

タイ=カダイ語族の方にも行って、タイ語โค้ง, kóongにもなりまして、

しかも、この言葉は「弓」*kʷɯŋ, *kʷəŋの音と漢蔵祖語*kuːŋ近いわけですよね。

だから、「弓」*kʷɯŋ, *kʷəŋも近いじゃないかと、「肱」*kʷɯːŋ, *[k]ʷˤəŋという言葉も、肘の形「厷」に肉「月」が付きましたが、

ですから、これらから来てるということで語源が同じかもしれないということでして、

この《釋名》は、こうした音から、今度は行くとかなり語源を一生懸命、分析した跡でありまして、

もう上古漢語の最後の辺りの本当に漢代の人が、こうしてまとめてくれて、とても面白いと思って、ちょっと見てまいりました。

今度は、朱駿聲という人が、《説文通訓定聲》という書で《説文解字》にあった、

もうあちらこちらに散らばる「各」という音があるもの、

「各」という音符(声符)を持っているものをダァーッと本当に集めたんですよ!

それでそれに対して、註釈を加えているすごい!

言ってみれば、諧声系列という、諧声とは、音を等しくする。声が諧うと書きますが、等しいとはいえ、近いことも含まれていまして、

それは、漢字の大多数は、やはり、形声字ですから、「各」の声符を持つものは、ものすごい数あるわけですよ!

それらをダーッとまとめて注釈を加えていますから行ってみましょう!

まあ、ここはさらっと見てみましょう!

もう「各」を見ましたし、

次に「茖」、この植物とか、動物とか、地名とか、もしくは名前は、かなり、やはり、これにも語源がありますから、またやっていきたいと思うんですよね。

「路」は見ましたよね。

次を見てみたいと思いますよ。

また、この中でこの「詻」もありましたけれども、

議論の「議」のところで関係あるところで、この字は実は出ていたんですね。

だから、「言い争い」ということで説明いたしましたり、

これ「𩊚」も出てきました!革紐で結び付けられたという意味で、結びつけたという方の語源の方で見ましたり、

「䀩」は見るという意味でして、私ちょっと調べたら、漢蔵祖語*s/g-(y/r)aを見つけたんですよね!

それはやはり「見る」「探す」という言葉ですよね。

だから、これに関係するんじゃないかなと、少し思ったりして、

そうした色んな一つ一つに関しては、

全然違う語源をまた考えていける楽しさがあると思って、次に行ってみたいと思います。

そして、この 「丯」が付いた形「𠲱」も、枝という意味がありまして、

我々の主題の「格」も「枝」でしたよね!

これらもありましたし、これ「觡」も見ましたよね!

「觡」も先に出てきました!「角」の所で、やはり、漢蔵祖語に結びつけられた面白いと見てこれたと思いまして、次に行きますよ。

そして、この中で「客」も見ましたね。本当に説明いたしましたよね。

「会う」から行ったではないかと、

それでこの「頟(額)」も見ましたよね。

あと「顔」でありましたよね。

まあ、これら「貉」「駱」は、動物の名前ということで、次に取り上げてみたいと思いますけれども。

「䶅」も動物でした!「洛」は地名(水名、川の名前)ですよね!洛陽(河南省北西部)の「洛」ですよね!

「𩂣」は、前に動画の最後のところで、少しお話ししましたが、「落」*ɡ·raːɡ, *kə.rˤakから「露」*ɡ·raːɡs, *p.rˤak-sとも関係して、

これは天から降ってくる意味と関係すると考えられて、

「鮥」は魚の名前でしょ。それでこの「閣」をやりましたよね!

「閣」は扉を閉めると書いてありますね。

これに「結び付ける」の方から説明いたしましたね。

「挌」も、攻撃の「撃」とか、「争う」と関係していくとやりました!

連絡の「絡」も「くっ付く」、「結び付ける」から行ったかと!

大体で結構、説明はつきました!

それで「略」も見ましたよね。

前回、本当にこれ「切る」という意味の「鉻(㓢)」も「切る」と結び付いて説明できました!

次に行ってみますよ。

そして、「露」*ɡ·raːɡs, *p.rˤak-sは、前回に今話したように「落」*ɡ·raːɡ, *kə.rˤakと関係して、前の動画で漢蔵祖語*(k/g)la-k/y/t「落ちる」に値するとありまして、

先ほどの「𩂣」も二つ前で見ましたし、

「愙(恪)」も「義」「儀」「宜」と関係するということで、次に行きますよ!

前の続きの注釈ですから、

これで全体的に諧声系列が見れてこれたと思いますが、今度こんなものがあります。

朱駿聲さんが《説文通訓定聲》でしたことを、今度は戦国文字に対して、現代的なアプローチで文字学者の何琳儀さんが《戰國古文字典:戰國文字聲系》でしました諧声系列のリストです。

やはり、これでこれもさらっと行きますが、「各」があります!

これでこの人偏の「佫」がありますよね!

その行人偏の形「𢓜」が訛った可能性があるということで見ました!

この「詻」も見ました!

鞭「攴」が付いている「𢼛」で異なる形で「挌」と結び付けられていて見ました!

OK!という感じでして、これは「各」の所で行人偏の形「𢓜」に足「止」が付いている形でありましたよね!

こうして之繞「辶」になってしまっていますけれども、

これも本当に見ましたよ!覚えています!

それで先ほど、鞭「攴」が付いている「𢼛」は異文でして、

こちらで言えば、今度は先程の行人偏「彳」ではなく、之繞「辶」のバージョンの異文だな! まあ、異体字のような形だと思われます。

それでこの「路」も前回にやりました!

そしてこの「𩂣」も、先ほどお話しましたけれども、「露」「落」と関係あると見えてこれていますし、

そして、こちらでは「略」も「客」も見ました!

そして、「𠲱(格)」が主題でしたよね!

それで「鉻」は「𩮜(切る)」で見ましたね!

それでこの「絡」もやりましたね!

そして「各」に「各」が付いている面白いものもありますが、

ここの「戟」も近い所で出てきました!

やはり、これは関係している文字でして、

おお!なるほど!「戟」も出ているなと見てこれておりますが、

その理由、私はこの「戟」は、戦国時代にはこのような形もありましたが、

この形「丯+戈」で出てきていることが多いと、お話しましたが、

実際にそれはこれですね。

しかも、楚簡の所でここはこの部品が、

我々が見ている主題の「各」に代わっているものもありまして、それは同じ音を示しているということで、

声符「丯」「各」が違うけれども、意符「戈」が付いていますね。

そしてこれは「戈」の意味ですが、

これが結構多いです!

それでむしろ、こちら「戟」は、先ほど「倝」がありましたね!

その部品「倝」にここに意符「戈」が付いた形でありますけれども、

この形とこの形でも、両方とも同じことを意味して、殆ど音も近くて、

金偏がついているバージョン「鈛」もありましたり、

しかも、「金+丯」はすごい事にこちら金偏に直でこれが付いて、

武器のこの形が付いてない形も、やはり、この「戟」と一緒に出てくる、関係する文字ですよね!

そうして見てまいれましたが、全体的にもうバーンと説明してきたことのオンパレードでした。

(長編動画を細かく分割いたしました。続編がまた出ますのでお楽しみ下さい。ここまで御覧下さりまして、ありがとうございました。)

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