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モーツァルトのオペラ La Finta Giardiniera アリア Se l'augellin sen fugge, KV 196!

モーツァルトのオペラ La Finta Giardiniera アリア Se l'augellin sen fugge, KV 196!

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2021年6月27日 

皆さま、こんにちは。

モーツァルトの最近は、非常にオペラのアリアが多く取り上げておりますけれども、

特にケッヘル番号で言っても、

300番より前!

これは196番ですから、結構若いころですね。

これはモーツァルトが19歳かな。

もうちょっとになるところ、だから18歳で書きました作品でして、

偽の女庭師(La finta giardiniera)と書いてありますよ!

喜劇的な音楽の劇(Dramma giocoso)ということで、

これは1774年にミュンヘンのバイエルン選帝侯マクシミリアン3世から作曲を依頼されて、

本当は12月の終わりに初演をする予定だったんですけど、

モーツァルトの歯が痛くなっちゃって、

諸事情によって延期されて、

それでお姉さんのナンネルも、ザルツブルクから駆けつけて、

初演を観たという、

これはイタリア語で初演されたんですけれども、

このリブレットでタイトルありますと!

ところが当時、ドイツ語版(Die Gärtnerin aus Liebe)でも、

モーツァルトを生きてる間に翻訳されて、

これが少し経ったぐらいかな、アウクスブルクで、

お父さんレオポルドの出身地ですね。

そこで初演されたりして、

ドイツ語でありますけれども、

最近まで、このオリジナルのイタリア語版が紛失しちゃってまして、

それでドイツ語版でしかなかったけれども、

見つかっちゃった!

リブレット!イタリア語でオリジナルな形で聴ける事になったんですよね!

私はいつもそういったイタリア語の歌詞を全てちゃんと翻訳して、字幕に入れておりまして、

中々やっぱり言語と音楽はつながりがあって、

今回もすごい感じながら聞いていけると思うんですけれども。

面白い資料が一つありますので、ちょっと見てみたいと思うんですね。

これは1775年1月14日、

ミュンヘンで初演された、次の日にモーツァルトがお母さんだけは、ザルツブルクの家に残って、

書いた手紙が残ってまして、

ここを見ると、もう「神に感謝」ということで、 私のオペラは上演された!

13日、昨日の日付ですよね!

非常に良かったということで、

もう喜んでいるということで、

書いてありまして、

ちょっと面白いとこ見てみますと、

ここは一つのアリアが終わった時に

もう、マエストロ万歳(Viva maestro !)ということで拍手と歓声が上がったと!

それでしかも、選帝侯のお后とか、大公も、モーツァルトの向かい側(vis-à-vis)に座っていたということで、

モーツァルトに向かって、ブラボーと言ったと書いてあるんですね!

オペラが終わって書いてますね。

バレーが始まるところまで、まあ普通は静かですが、

ブラボーの叫びがすごかった!

と書いてありますけれども、前日の初演の興奮が書かれた手紙が残っているということで見てまいりました!

モーツァルトが本当に書いたものです!

こういった資料と音楽を合わせて考えるのも面白いじゃないかなと思って見てまいりました。

そしていつものケッヘル・カタログですけれども、

特に自筆譜がもう無くなっちゃっておりまして、

それで第2幕と第3幕が残っていて、

第1幕がもうなくなっちゃって、

それで大変だった先ほど申し上げたようにリブレットが見つからないと、

元の歌詞が分からなくて、

結構、資料的に見ても、大変だったんですよね。

だけれども、無事に見つかりましたということで楽譜を見てみたいと思うんですけども。

これもいつものように、弦楽四重奏のような形で書いてありますね。

ヴァイオリン1,2とヴィオラ1,2が一緒で通奏低音とチェロですけど、

大体、四声体で書かれている。

まあ、当時はオーケストラといっても、

こういった弦楽四重奏をその1パートずつに人数を増やしたような形のオーケストラですね。

そこにこの歌の旋律が入ってくるということで、

いつもの感じなんですけど、

これ見て気づくことは、一般的には、上の三声と下の一声(数層低音)ですけれども、

これ見ると2対2で書かれているんですよね。

バイオリンのグループとヴィオラとチェロや通奏低音、

こういったグループからなっているんですよね。

大体一緒に動いているという形で書かれてまして、

これはどういうことかというと、

やはり、低音が強くて安定して聞こえるんですよね。

だから、落ち着いたしっとりした感じなんじゃないかなと思うんですよ。

それで2と2でヴァイオリンを支えているという形でして、

こっちは自由に動くわけですよね。

そういった上の方が動きまくっても、

下で安定させて考えていると!

1つ♭が付いてるからヘ長調ですね。

それでこれも聞いてみましょうか!

行きますよ!

いいですね!歯切れがいい!

一緒に動いている!

こちらのグループがこちらへ行った!

おお!(第5小節)強弱表現がいい!

これは反行形!

(第11小節)面白いですよね。タイの結び方!スラーの結び方が面白い!

(しゃっくり音型のリズム語法が)ひょうきんな感じ!

いいですね!

もう1回高い方へ行って、モーツァルトの特徴、

下から入ってきました!Se l'augellin se n' fugge(もし小鳥が逃げたら)

(第20小節)ここはいいですね!このアッチャッカトゥーラ(短前打音)!

強弱ですごい強く聞こえるわけです!

フォルテが強調されています!

ここへ行きました!dalla prigione un giorno,(籠からいつの日か、)

この語りかけるような感じがいいですね!ヴァイオリンが応じた!al cacciatore intorno(漁師の近くで)

間がいいんですよね!ヴァイオリンとの受け渡し!non più scherzando va.(戯れることはしないでしょう。)

拍の所だけが、もう軽くをつけられてる!

う~ん!ここはチャーミング!Se l'augellin se n' fugge(もし小鳥が逃げたら)

dalla prigione un giorno,(籠からいつの日か、)

このアッチャッカトゥーラ(短前打音)で下がってきた!al cacciatore intorno(漁師の近くで)

dalla prigione un giorno,(も籠からいつの日か、)

特徴的なヴァイオリン!一つずつ上っていく!al cacciatore intorno(漁師の近くで)

(第51小節)引き継ぎが上手い!dalla prigione un giorno,(籠からいつの日か、)

一緒にヴァイオリンと沿っている!

ガーンと来ましたね!

とても奥行きが感じられる!この強弱表現がマンハイム楽派ぽいんですよね。

下がってきた!本当に滑らかなんですよね!

(第60小節)しかもオクターブの四度上から来たし、Libero uscito appena | da un amoroso impaccio,(ようやく解き放たれた、恋の煩いから、)

(第69小節 ♭2つのト短調)ちょっと今のところで短調ぽい所かなと来て、l'idea d'un altro laccio | ah che tremar mi fa.(もう一つの別の罠の企み。ああ、私はそれを恐れている。)

(第74小節 ♭1つのニ短調)通過をしてここ!ah che tremar mi fa.(ああ、私はそれを恐れている。)

少し下がった!ah che tremar mi fa.(ああ、私はそれを恐れている。)

ここのところがチャーミング!

ここ!アッチャッカトゥーラ!Se l'augellin se n' fugge | dalla prigione un giorno,(もし小鳥が逃げたら、籠からいつの日か、)

(フォルテで拍を強調して)バーンと来ましたね!

いいですね!入ってきました!

ここがいいですね!ここで間に入ってきました!al cacciatore intorno | non più scherzando va.(漁師の近くで戯れることはしないでしょう。)

ここで下がってきたら、もう本当にシンプルになった!

バーン!

いい感じ!non più scherzando va.(戯れることはしないでしょう。)

この特徴的な(リズム語法)!Se l'augellin se n' fugge | dalla prigione un giorno,(もし小鳥が逃げたら、籠からいつの日か、)

ここでちょっと静かになった!al cacciatore intorno(漁師の近くで戯)

上のバイオリンだけになった!non più scherzando va.(戯れることはしないでしょう。)

これで下がって来たら、上に来るという、2対2できました!

おお、素敵!

ここはすごい跳躍が激しい!

やはり、この非常にオーケストラの使い方が大胆になってきて、

カンナビヒなどのようなマンハイム楽派、

やはり、当時、ミュンヘンは非常にマンハイム楽派と関係があって、

その選帝侯の宮廷が移ったりして、

あちこち行ってて、

それでミュンヘンにも、やはりその伝統があったから、

そういったオーケストラの特性をよく生かした書かれ方してんじゃないかなと思いました!

結構この特徴的なリズムでパーンて来て、

これ(鼻歌♪)は非常にみんなが息が揃って演奏するのは難しい!

それで歌との絡み合いですよね。

それがすごく絶妙に行くのは難しいということで、

結構オーケストラのパートが、リズミカルで難しいんですよね!

だから、本当にシンプルに書かれてるから、演奏するのが大変でありますけれども、

特に面白かったところは、もう一つ、

このvaのところでずっと伸びているとか、

これはやはりイタリア語の歌詞で「行く(va)」という意味ですよね。

これがすごい伸びてるのは、

やっぱり遠くに行く感じがするとか、

モーツァルトは歌詞にもよく反応して、

それを音楽の中でうまく表現したり、

それでこの辺りだったかな。

やっぱり短調に一旦なったんですね。

少し歌詞が心配だと書いてありますよね 「ah che tremar mi fa.(ああ、私はそれを恐れている)」。

tremar(恐れている)、tremar(恐れている)と書いてあった!ここに書いてある!

それでやっぱり心理的な不安定性をまあ♭が2つ付いてるかな。

そうするとニ短調になって表現させていたと思いました。

ということで戻ってみましょうね!

今回もモーツァルトの初期のオペラのアリア楽しめたと思うんですけれども、

あんまりやっぱり初期のオペラは、

習作みたいな言われ方をしちゃって、

後期のがもう歴史に残るくらいの大傑作たちだから、

ちょっと影が薄いところがあるんですけれども。

これをこれだけ見ると、

当時の音楽の状況と一緒に考えてみると、

非常にまた別の意味で楽しめるんじゃないかなということで、

今回こういった企画をしているんですよ。

よく見ると、やはりモーツァルトの音楽には、

随所に工夫が見られた。

書き方を毎回色々書いてるんですね。

細かくオーケストラや歌手の力量に合わせても、作曲を 工夫していたことが分かりました!

こういった形でKF-Scholaでモーツァルトの作品、珍しいものを含めて楽しんでいきたいと思いますので、

今後ともどうぞよろしくお願いします 。

ありがとうございました。

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