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音楽系譜学(musico-genealogia)の構想

Europa recens deseripta à Guilielmo Blaeuw Willem Janszoon Blaeu (1630)

皆さま、朝と晩にお付き合い下さり、ありがとうございます。私感ではなく歴史の事実と作曲の技法を書くように努めており、皆さまが音楽を聴く楽しみを制限しないように心がけております。世界の音楽も面白く、日本の雅楽や能楽なども奥深いですが、先ず、古代(アンブロジウス)から18世紀(モーツァルト)まで西洋音楽史を系譜により追跡するため、西欧諸国:イタリア半島・フランス王国・イベリア半島・大ブリテン島・ドイツの神聖ローマ帝国とバルト海のハンザ同盟都市における古典音楽のあらゆる楽曲を源流(原型)から変遷や継承たどります。

声楽:ミサ曲とリート、典礼劇と受難曲、モテットとコラール、カンタータとオラトリオ、器楽:イタリアのリューティスト、スペインのビウエリスト、イングランドのヴァージナリスト、フランスのクラヴサニスト、ネーデルランド=ドイツ(神聖ローマ帝国)のオルガニスト、楽曲ではリチェルカーレ・カンツォーナ、前奏曲(プレアンブルム・プレリュード)・即興曲(ティエント・トッカータ)・幻想曲(ファンタジア・ファンシー)・変奏曲(ディファレンシアス・グラウンド)、組曲とパルティータ:中世のサルタレッロやエスタンピー、ブルゴーニュ宮廷のバスダンスやブランル、ルネサンス期のパヴァーヌとガイヤルド、パッサメッツォとサルタレッロ、アルマンドとクーラント、サラバンドとジーグ、プレリュードとギャラントリー、固執低音によるスペインのフォリアやセギディーリャ、イタリアのロマネスカやベルガマスカ、フランスのパッサカリアやシャコンヌ、様式:イタリアのシンフォニアとフランスの管弦序曲、室内ソナタ・教会ソナタ・独奏ソナタと合奏協奏曲・独奏協奏曲・鍵盤協奏曲、カノンとフーガなど、ビウエラ・リュート・ヴィオール・ヴァイオリン、オルガン・クラヴィコード・チェンバロ・フォルテピアノ、記譜(ネウマ・定量譜・奏法譜・近代譜)、調律(純正律・中全音律・改良型中全音律・平均律)の歴史などです。ハイドンやモーツァルトが作曲した交響曲[序曲]や協奏交響曲、管弦楽曲(セレナード、カッサシオン、ディヴェルティメント、行進曲や舞曲)、室内楽曲(弦楽、管楽、鍵盤)、ピアノソナタや変奏曲などの楽曲は、後期バロックとウィーン古典派音楽は連続して原型が存在します。

中世アンダルスの宮廷文化(イブン=ダーウード・イブン=クズマーン)、中世南欧のトルバドゥール(ヴェンタドルンとアルナウト・ダニエル)、フランスのトロヴェール(ガス・ブリュレやアダン・ド・ラ・アル)、ドイツのミンネザング(フォーゲルヴァイデやロイエンタール)、中世ルネサンス期:ラテン語のモテット、イタリア語のフロットラ、フランス語のシャンソン、スペイン語のビジャンシーコ、ドイツ語のリート、英語のラウンド、多声音楽:アキテーヌ様式・ノートルダム楽派(レオニヌス・ペロティヌス)、アルス=ノーヴァ・スブティリオル(マショー・チコニア)、トレチェント音楽(ランディーニ・ザーカラ)、イングランド音楽(パワー・ダンスタブル)、ブルゴーニュ=フランドル楽派(デュファイ・オケゲム・ジョスカン・ラ=リュー)、スペイン=ポルトガル音楽(モラーレス・ビクトリア・ローボ・カルドーソ)、リューティスト(ダウランド・メッサンジョー・ゴーティエ・ヴァイス)、ビウエリスト(ミラン・ナルバエス)、オルガニスト(カベソン・コエーリョ)、ヴァージナリスト(バード・ギボンス)、クラヴサニスト(シャンボニエール・ルイ=クープラン・ダングルベール・ダンドリュー)、マドリガリスト(デモンテ・マレンツィオ)、フィレンツェのカメラータ[モノディ様式](カッチーニ・ペーリ)、ヴェネツィア楽派(ヴィラールト・ガブリエリ・メルロ・モンテヴェルディ)、ローマ楽派(パレストリーナ・ナニーノ・フレスコバルディ・カリッシミ)、パリ=ヴェルサイユ楽派(シャルパンティエ・ドラランド・カンプラ・ラモー)、ネーデルランド楽派(スヴェーリンク・プレトリウス)、北ドイツ楽派(シャイト・シャイデマン・シュトルンク・ヴェックマン・ブクステフーデ・ラインケン)、南ドイツ楽派(フローベルガー・ケルル・ムファット・パッフェルベル)などです。

バロック音楽は多様で概述もかないませんが、ドイツ語圏の音楽(プレトリウス・シュッツ・ゼレンカ・テレマン・グラウプナー・バッハ)、イングランド(パーセル・ヘンデル)、ボローニャ楽派(コレルリ・トレッリ)、ナポリ楽派(スカルラッティ・ペルゴレージ)、ヴェネツィア楽派(レグレンツィ・バッサーニ・ロッティ・カルダーラ・アルビノーニ・ヴィヴァルディ)、イベリア半島音楽(セイシャス・ソレール)、ベルリン楽派(C.P.E.バッハ・クヴァンツ)、マンハイム楽派(シュターミッツ・カンナビヒ)、ウィーン楽派(ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン・シューベルト)などです。19-20世紀はそこから派生して多様ですから、音楽家(ピアノ・ヴァイオリン・チェロ・管楽器・指揮者・声楽)の師弟関係を系譜で整理して、演奏記録の音源を参照できます。

音楽家の交流や作曲法の影響など、歴史の事実を積み上げ、系譜の地図を組み立て考証する手法により、新しい学問の領域「音楽系譜学(musico-genealogia)」になります。あらゆる時代のあらゆる地域の音楽を愛し、直ぐに思い出せるだけ書き留めましたが、重要な事項を少しずつ取り上げます。また、書道(殷代の甲骨文字、周代の金文、戦国の竹簡、秦代の篆書、漢代の隷書と章草、六国の楷書と行書、唐宋の書人、平安の古筆)や篆刻(周代の古鉨、漢代の印章から明清の印人)も興味深く取り上げたいです。

ミサ曲の概観が4世紀(アンブロジウス)から18世紀(モーツァルト)に到り、次はヴィオール合奏から弦楽四重奏曲を進めてまいります。時どき古い時代の投稿をご覧ください。西洋音楽を概観するだけでも、この進度では30年以上かかりそうですが、人類の文化は、奥深く、面白く、感激しております。皆さま、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

バロック音楽は多様ですから、例えばJulie Anne Sadie (1998). Companion to Baroque Music, Berkeley: University of California Press.で都市別に音楽家が整理されており概要が把握できます。

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