Press "Enter" to skip to content

漢字のユニークさを探究!字形、字義、字音についてそれぞれ語りました!漢字的獨特性系列 Unique Chinese Characters

漢字のユニークさを探究!字形、字義、字音についてそれぞれ語りました!漢字の構造を字形、字義、字音から、漢語の系譜を起源からたどります!字幕もぜひご覧くださいませ!暖かいお言葉かけを下さりましたら、SNSでシェアー下さりましたら、今後の制作の励みになります。KF-Ars Sinica、KF-Scholaと併せて、何卒よろしくお願い申し上げます。

2021年3月26日

皆さま、こんにちは!

漢字のユニークさを見ていこうというシリーズ!

始まってしまいましてね!

前回から大変盛り上がっておりますけれども。

思ったんですよね!前回はものすごく字形に関して、もう漢字の全ての書体を見ましょうということで、

もう、甲骨金文から小篆までいって、小篆から更に先の隷書、草書、行書、楷書と、もう、我々使う文字まで、唐の時代まで1500年くらい前で最後くらいまで見てまいりましたけれども、思ったんですよ!

漢字には字形と字義と字音があるとお話しましたけれども。

字義と字音に関して、もう一言で意味音だけで終わっちゃったけれども、

もっと見ていきたかった!ということにちょっと気づきまして、それで今回ちょっと緊急にこんなものを用意してきました。

先ずここの字形に関して、ちょっとおさらいも兼ねて見ていきたいと思うんですけど、

漢字はユニークだということでお話しましたよね。それは結局文字が生きている!

見た瞬間に人が立ってて、非常にこれはユーモラスとすごいそれを感じました!

それはどうしてかというと、漢字が結局、こういった線で表現しているわけですけれども、

「気韻生動」(謝赫《古畫品緣》)と言いまして、この言葉は元々、画論と言いまして、絵画、中国画、そういったもので対象が表現され、ものすごい生き生きとしているという意味ですけど、

それはもう文字にそもそも現れていて、すごいもうこれを見ると人が立っていて、もう本当にもう生きてるみたいに本当に感じます!

それはどうしてかと言いましたら、これは線的な骨格構造で、もう人間を表していますが、

この部分的な要素、手とか、頭とか、足とか、そうした部分をものすごく強調していて、

それで人の形に見えるように強調して書いていると、

特にこの細い線の流れ!甲骨文は結局これ骨に刻ったものだけれども、直線的に刻してゆくんですね。

それは刀で刻すからですが、それでもすごい線の流れ、細かい動き、もうこうした線の動きと流れが、本当にどれ見ても、ものすごい感じられる!

本当に細かいところが工夫されてる事が分かったと思うんですよ。

そういったそもそも漢字の構造自体をお話してまいりましたが、

前回も唐まで行ってしまいますけど、基本的に文字とはこの説文小篆ありますけど、 《説文解字》で出てる小篆ですが、

小篆という書体そのものは、秦の始皇帝が中国全土を統一したとき、今まで伝わってきた文字を標準化したということですが、

ここは金文で殷時代に使われていたもの、それを引き継いだ周、そこで沢山バラエティが生まれましたが、

もう春秋戦国時代になったら、もう色んなバラエティが生まれまして、周の周りの国が強くなってきた!

それはよく六国金文といいますが、六つの国特に強かった国があるわけですよ! もっともっと本当は国がいっぱいあったんですけど、

もうどんどんどんどん集約されて、強い国だけ残って、これで齊とか、燕とか、楚とか、趙、魏、韓、

これは三晉とよく言いまして、元々、晉という国から分かれましたが、

ここに書かれている三晉とこれがそこで使ってた貨幣の文字!

これは齊で使われた古鉨(古璽彙編 282「右遂文𡭴信鉨」)で齊の文字ですよね。

ちなみに侯馬盟書(67.48)は三晉、晉の王室が強くて、三つに分かれる前でしたけれど、

この包山楚簡(240)は楚の文字です!

文字が色々出てきましてね。そう見たとき、この春秋時代でも、秦公鐘(《殷周金文集成》262)とそうした秦の文字、

先秦時代と言いますが、秦の始皇帝が統一をする前に秦国で使われた大篆ですが、それを基に小篆を定めて、文字を整理したんですよね。

元々、覇者となった秦国で使っていた文字を基礎としてはありますが、

本当にこれ近いんですよ!見てみるともう字形的に言えばですね!

それでこういったまた異体字のようなものは捨てられて、出来る限り、文字を整理していたんですけれども。

まあ実はちょっと種明かしをすると、実はもうちょっと後の漢印の中にも出てきていて(前回の表にある《漢印文字徴》「王文」参照)、実際には単純ではないんですけれども。

ある程度かなり整備がされ、文字がこれで標準化されたと言えて、

そういった話で文字に関して、これも方に出したと危険だから、この辺りでこれからずっと見ていきたいのでありますけれども。

ここの字義に関して見ますと、この「文」という小篆がそもそも標準的な形としてみて、

まあ、我々はまあこの楷書を使えますから、この「文」で言ってますけれども、

この「文」という字がどういう意味を持っていたのかの問題なんです!次は!

結局、文字とは、言語、意味を書きたい、伝えたいことを文字にして書きましたから、文字の意味が重要になってくるわけですよ。

その中で後漢の時代の許慎さんがまとめた《説文解字》で当時に使われていた文字を統一的に全て網羅して、文字を説明してくれていますが、

だから極めて重要でして、その親字としていたのが、この小篆ですが、

それでその意味が書いてあり、もう何かを刻みつけたような形と言ってんですよ。「文」とは!

もう一つの本義とは、本当の意味、最初の意味、それは文様(紋様)という意味で使われていた。

しかも、文字を「紋」という字は、糸編に「文」ですから、後で(意符、義符として)この「糸」が付けられたわけですが、

元々この文様、こういう書き方(紋様)もしますが、こういった意味を持っていた!

その次に本義2とあるのが、「文」とは、《説文解字》の説ではそう言ってるけど、

実際問題、この字形を見ても、そうですが、「文身」は身体に刺青を意味していると。

え!元々の意味が二つあると言うんですけれども、そういう説を二つ書いてきたんですよね。

それでこういった形の異体字があり、このピンピンピンと書いてある「彡」は、あ!「形」という字に同じ部品があり、何らかの形だと!

それでしかも「顏」という字もそうですが、この「彥」という字も、「文」に「彡」を書いて、この部品「彡」が入っているということで、

これもやはり結局顔に施した刺青から来ているとか、そうした関係する漢字との類推もできるんですよ。

同じ部品を持ち、意味もある程度同じものを継いでいると推測でき、

これで漢字が沢山の概念を書けるようになっていったとお話しましたが、じゃあそれは何でかといったら、

文字がどんどん使われた時に最初は具体的なこと、この文様とか、刺青は、本当にこれものすごい具体的ですよ!

ですけど、そこから例えば形があるものですから、「文字」という使い方をして、転義と言うんですね。

これは転義とは、意味が転じることですね。どう転じるのかといえば、「引伸」とは引き出される元々あった意味をどんどん拡張して、

それはどうしてかと言ったら、アナロジーですよ!アナロジーとは、結局似たようなもので類推をしてるんですよね。

それで人間は言葉の使い方もそうですが、文字の使い方も、まあこれはちょっとオーバーラッピングしてくるところですが、

どんどん意味を拡張していくわけなんですよ! そこから始まり、「文字」という意味で使われたんですよね!

もちろんその「文字」の「文」という字ですね!

まあ、ちなみにちょっと言ってしまいますと、《説文解字》は「文を説いて、字を解する」と書いてあるんですね。

これ、この文とは元々、象形文字として象られた、その象形されたものを意味していた!「字」とは簡単に言ってしまえば、そこから派生したもの、生まれてきたものという意味があって、

つまり、その象られたものの部品をくっつけ合わせて、また新しい字を作っていくことですよね。

だから、この「文」に対して、この糸編がついて、糸の形を象ったもの「糸」と、「文」を組み合わせて、

つまり、これ「文」は原始的な部品で、これに対してくっつけ合わせて派生した、生まれていったものが「字」と、《説文解字》は理解していましたけれども、

そこから始まり、文字で書かれたものが文章ですよね!まあ「章」は明らかという意味ですから、

それで「文辞」とは、「辞」は言葉という意味ですね。だからその文章で綴られた言葉!

「文法」は、その文字の使い方、言語の使い方、更に「文言」は中国語でいう古典語のこと、もしくは「古文」とも言います。古い文、この方も「文」が入ってますけど、 それは言語という意味になって使われてるんですよね!

ただ、どんどん文字から、文字を綴る文章も、言葉その法則、言葉そのものシステム、更に言葉、そのものになりまして、どんどん抽象化していっているんですよね。

意味がどんどん広がっている!更に広がっちゃう!

その文書で作られた、もう綴られたものどんどん溜まっていく「文献」、更に「文書」もそうですよね!まとまりが大きくなってきた!

更にもう沢山、本がある「文庫」!もう大きい!「文物」でもう文化に関係するもの全部みたいな意味になり、どんどん膨らんでいる意味が!

それで更に転じて、この3とか4とか分けるのは難しいんですよね。

もうグラデーション的に広がっていくから、どこで分類するか、

どのあたりで具体から抽象まで行っているのかは不明瞭ですよね。

人間の本当に言語の使い方は、もうすごくこれは、もう本当に自由なんですよ!本当にすごい!

想像力がすごい人間は!だから、言語や文字の使い方をどんどん拡張していてきておりますからね!

もう「文化」、「文明」、これまで来ちゃったら!もうすごい抽象概念ですよ!

本当にこういった今までしてきた色んなことを全部まとめて「文化(耕作culture)」ですから、「文明(都市化civilization)」ですから、

もうすごいんですよ! もう更にここから来て、これ「文筆」は「文学」とか、そういう意味ですよね!

「文学」と近いですよね。「文学」も「文」を含んでますよね!

それでしかもそういったものは、その「文人」と言いますよね!「文人」というとそういった文化に関係する人たち、

かつ、その中には、これ「文辞」に秀でている人、文章を書くのにものすごく秀でていた人たち、「文才(文采)」がある人たち、それを「文人と」言いました。

「文雅」、そういう人たちは、もう非常に雅だということでして、だからこれは上品とか、そういう意味なんですよね!

「文雅(wényǎ)」は普通に今中国では上品という意味で使っています!すごい意味広がっちゃってるんですよ!

最終的には、人間の性質みたいになっちゃった!ものすごい抽象概念で感情とが思考とかそこまできちゃいました!

これはすごいことなんですよ!最初はもう模様とか、刺青から、最後は文化とか、文雅(みやび)まできちゃったという!全然違うじゃないかと言うぐらい!ものすごいです!意味の爆発を楽しめたと思います。

ということで、字義については、これから、もういっぱい、それだけのために「訓詁」とは意味を考える大きなトピックとしてみてまいりたいと思いますので、後はお楽しみにですけれども、

次でこちら字音は結局、音なんですよね!

そもそも言語とは音ですよね!だから、本当にこの音には意味が伴ってるのが言語でしたが、

そういった時代の古い漢字が生まれた時代の古い上古漢語という、

今度は漢語、これは殷とか周の時代、そもそもこうした言語、これからここも特集してみたいですけれども、ちょっと種明かしますと、

上古漢語、殷や周の時代の人がしゃべっていた言葉、どういう言葉を話していたのか、どういう発音だったのか、どうやって知るんだと言ったら、

実は《詩経》とか、《楚辞》という、西周の終わり辺りから、春秋戦国時代まで、そこまで色んな文献が、文字が発達しましてありますが、

その中で韻文と言いますが、韻を踏んだ文章!これどういうことかと言ったら、もっと平たい言い方をすれば、詩があったんですよ!

韻を踏んでいることは、この主の最後の部分が一緒だとか分かりまして、それを韻によって、グルーピングできるんですよね!

そこから(音韻の)研究が始まり、李方桂さんという学者、鄭張尚芳さんとか、潘悟雲さんという中国人のコンビですけれども、

それと白一平(William Baxter)さん、沙加爾(Laurent Sagart)さん、というアメリカ人とフランス人のコンビが、もう一所懸命調べて、

そういった韻を調べたり、もしくは仮借と言いますが、ある難しい概念なり、もので象るのが難しいときには、音が近いもので借りてきて書いていると、

もしくはこう書かなきゃいけなかった漢字があったら、それを書くのではなく、違う文字で代用されて書かれていて、音が近いから書かれていて、それがリンクすると分かると。

つまり、(諧声系列など形声文字も含む)ここのところでは、漢字同士のリンケージ、リンクの仕方を韻を踏んだ文章や違う文字で使われ方によって理解をすることですね。

それらをどんどんどんどんグルーピングして(韻部に)まとめて、ああ、この文字とこの文字はかなり発音が近いんじゃないかとどんどん学者は推定してゆけて、

これで復元されてきたのが、上古漢語ですけれども。

次に中古漢語は隋とか唐の時代に使われていた漢字の発音ですが、

それはじゃあどうやって分かるんだというと、この時代になると、もう漢の時代に賦という文学形式ができたり、

かなり、それから中国人はものすごく韻文を好んだんです!そうするとその中で詩をいっぱい作るわけですね!

隋の時代ぐらい辺りから、学者がじゃあ自分たちが話してる漢語(の音韻)を、じゃあどうやって書くのかと一生懸命考えて、

それで《切韻》という韻書、この韻をまとめた書を作って、後ほどどんどんやっていきたいと思っているんですけど、

この「文(mjun)」という文字の音を表現をしたい時には、この「無」という音(mju)の最初の部分(m)とこの「分(pjun)」という文字の(音の)後の部分(jun)を取れと!

最初の部分は声母、それで後の部分は韻母と言いまして、韻の母だから、韻を踏むとは、その後の部分が一緒だから、韻を踏みますが、

それで分けて書いてるから。反切という言い方をしますが、その法則で書いてあるから、全ての漢字を同じ音を持っている漢字で(前半と後半の部分を合成して)表現しちゃおうという(システムです)!

しかも漢字の音を半分にぶった斬り、声母と韻母で定義をして、

しかも、ここに書いてあるのが、四声と言って、当時と今(北方官話:陰平・陽平・上声・去声)の四声は一致しませんが、 この中古漢語における四つの声調(平声・上声・去声・入声)もちゃんと書いてくれて、

もうちゃんと、文字の音が分かるように書いてくれていて、

ここに李方桂、鄭張尚芳、白一平(William Baxter)が推定した音がありますけど、もうちょっとこれをしたのが、 高本漢(Bernhard Karlgren)という学者が考えた!

この反切で書かれていると、ある文字とある文字は明らかにはっきり対応関係は全てマッピングされ、全て漢字と漢字の音がリンクされて、

じゃあ、絶対的に(「文」の音を記する)今度はこの「無」という漢字が、どういう音だったのか、この「分」という漢字が、どういう音だったのか、絶対的な音は分からないんですよ!まあ、全部相対的には全部つながっていると!(即ち、《廣韻》で実際に「文」の韻母を「分」と定義して、「分」の韻母を「文」と定義して循環論法となるため、そこから「jun」という音はどうしても導き出せません。)

まあ、この漢字を見た時にそもそもの音をどう推定したかと、その高本漢(Bernhard Karlgren)という学者がしまして、それは一つ面白くて、

この現代漢語がありまして、色んなもうすごい数の方言があるんですよ!

というのは、その中古漢語か、もしくは上古漢語あたりから分かれた方言がありまして、

それらが全部、この例えば、官話·京師片·北京話はいわゆる皆が言う中国語ですよね。標準の中国に近いもの。

まあ、本当は実際にはちょっと違っていて、この標準の中国語を普通話(pǔtōnghuà)と言いますが、河北省承徳市灤平県の場所の音で北京の音とはちょっと違うと言われていますが、

でも、まあ近いところであるし、まあ、殆ど同一視されてしまってますけれども。

そういったところの発音は、こうだよということで私はそれらを全部拾って、

「文」という発音に関して、wén, /uən35/が今の普通の中国語なんですよ。

それでこの晉語(veng1, /vəŋ11/)という方言は山西省、もしくは陝西省など、もうこの北京とか、天津とか、河北省からいえば、北西に当たるところなんですね。(並州片·)太原話と言いますが、

この二つは基本的には北の方言なんですよ。

だけれども、かなり長江より南の、例えば呉語(·太湖片·蘇州話 ven3, /vən23/)は、江蘇省蘇州、浙江省あたりとか、中国の真ん中あたり、

この贛語(·昌都片·南昌話 un4, /un35/)は江西省は少し内陸に入った方ですが、

湘語(un2, /uən13/)は湖南省ですよ!それで長沙という場所はありますが(長益片·)長沙話の方言であったり、

閩語(bûn, /bun13/)は、もう少しこの中でもいっぱい分かれていて、余りにも一つに押し込めちゃうとかわいそうですが、閩北語、閩中語、閩南語とあり、特に(泉漳片·)閩南語、福建省の本当に南の方ですが、

この客語(·粵台片·梅縣話 vun2, /vun11/)は客家語と言いますが、客家人たちが使っていますが、それは福建省の山の中とか、あとは広東省の境目、もう本当にやっぱり南なんですけれども、

それで最後の粤語(man4, /mɐn21/)が、所謂この(広府片·)広州話は、広東語ですよね。香港とか、澳門とかで使われますよね。 本当に南なんですよ!

そういった方言がいっぱいあり、それで日本人が、この中古漢語辺りから、隋とか、唐ぐらいから接触して、その音を漢字はこう発音するということを持ち帰ってきたわけですけど、

それを見ますと、この「文」という字は、「文書」を「ブンショ」と読む場合があり、もう一つ「モンジョ」という場合がありますよね。

これちょっと日本語では意味が違いますよね!「文書(ブンショ)」というと普通の文書(公文書など)ですが、「文書(モンジョ)」というと、古文書など少し古い歴史的文献というニュアンスはあるけれども、

それぐらい日本人は呉音と漢音など、その読み方が漢字に幾通りかあり、それで意味も変わっちゃうくらいあるんですけども、

まあ、中国語でも、破読音(異読音)がありまして、違う読み方をする事はありますけれども(例えば、樂は音楽yuèと喜楽 lèで異なります)、漢字でそれは古い音に由来していることがあり、

それで実はもうちょっと言いますと、この《廣韻》という韻書で書かれた中でも、意味により、当時から発音が違ってました(「樂」は、音楽として五角切ŋˠʌk̚、喜楽として盧各切lɑk̚、現代漢語の北方官話は入声kが落ち、音楽yuèと喜楽 lèに引き継がれています。上古漢語でも*ŋraːwɢ, *[ŋ]ˤrawk、*raːwɢ, *[r]ˤawkと異なり、チベット語でも音楽རོལ་མོ, rol moと喜楽རོལ, rolは同語源である)こともありますが、

(話を日本の漢字音、音読みに戻しますと、)このモン mõ̞ɴ(呉音)、ブン bɯ̟̃ᵝɴ(漢音)と読むわけですよね。

更に朝鮮語でも「文(문 mun)」という字の読み方があり、更にベトナム語(「文」văn)にもあるわけですよね!

そういった全ての中古漢語、もしくはこの方言の中の特にこの閩語が問題があり、この粤語も、そうなんですけど、

南の方の言葉は、元々、漢語ではない言葉が、オーストロネシア語族と言いますけど、台湾諸語など、マレー・ポリネシアのほうまでバーンと南島語族と言いますが、南の方の島にバーンと行った語族、

また、オーストロアジア語族、ベトナム語とか、ベト・ムオン語派と言いますが、あとはクメール語とか、モン・クメール語派と言いますが、南亜語族とか、

もう南の方の言葉とか、タイ・カダイ語族、タイ語とか、そういった中国の南には、元々漢語じゃない言葉がありました言葉ですが、そういう言葉が結構混じってるんじゃないかということで、

そういう漢字で表せない言葉や発音もあったりして、色々問題はあるんですよね。漢語の中に入れていいのかという問題があるぐらいですけれども、

基本的に「文」という字に対しては、こういうも読み方をしておりまして、

それでこの中古漢語が、先ほど絶対的な音に分からないと、じゃあどうやって推定したかと言ったら、高本漢(Bernhard Karlgren)はこの現代漢語の方言を全部集めたんですよ!

それでその中で見てみると、日本語は結構、古い音を保存してくれていて、モン mõ̞ɴという特に呉音の方は漢音よりも少し古いと言われていて、それでmでしょ!それでこの呉音は粤語に近いと広東語に近いと!ちゃんとmで始まってますね!これman4と読みますが、これ /mɐn21/は2から1に下がるから! man4、mõ̞ɴ、mが残ってます!

それで漢音の方の b、ブン bɯ̟̃ᵝɴは、閩語の閩南語の方にあり、bûn, /bun13/ですよね。本当にだから b と(残されています!)

あとはもうbとmの最初の音が落ちて、皆もう今の中国語ではwén, /uən35/でしょ!それで(晋語では)veng1, /vəŋ11/でしょ!それでvになっちゃっている!それでuでもう落っこちているんですね!

この特に閩語、粤語、日本の呉音と漢音は、古い音を残してくれていて、推定してゆけましたが、これで中古漢語が分かりましたね。

今度は上古漢語を理解していくためには、この中古漢語からまた遡りまして、この中で言葉が変異していくから、それを見て推定していったということもあり、

上古漢語の方も、実は韻の踏み方でグルーピングしてますかr、絶対的な音は分からないんですよ!

だから、こういった現代の方言も古い音を推定するために役に立ちまして、もう一つ面白いことが、これはこれからどんどんどんどんやっていきたいと思っているんですけれども!(ちなみに印欧語を研究したラスムス・ラスクは方言は比較言語学における宝庫だと述べています!)

これは今度は言語の問題にですが、ところでここまで、私は字形と字義と字音に関して大きくこういったものがあるとお話してきましたけど、

特に字形の変遷はよく(ソシュールの言語学で)通時性(diachrony)と言いますが、これは(ギリシア語で)時間(χρόνος, khrónos)の中(間δια-, dia-)での変化で実は系譜ですね!

今度はこの字音の中で、こちらは同じ時代に違う変種がありますね。

勿論それを遡っていけば、こうした古い言語で枝分かれ、分岐してゆきましたが、共時性(synchrony)と言いますが、これは(ギリシア語で)同じ(σύν, sún)時(χρόνος, khrónos)にこれだけの変化があり、

それは結局、系譜で見ていくと、今この字形に関して、どんどん時間が経つごとに変化していくというのも系譜でして、

昔の漢語からどんどん分かれて、今の言語ができていること、これも一つの系譜ですよね。

これは先祖に遡っていくタイプの系譜通時性と言いますが、それで今度は同じ中で親族関係のような系譜、これは共時性と言うんですよね!

だから、結局こういった言語や文字は系譜で理解できてゆきまして、それから辿っていきたいと思うんですけども、

私は思ったんですよね!ここで!この上古漢語で、例えば李方桂は*mjən、鄭張尚芳-潘悟雲は*mɯn、白一平-沙加爾は*mə[n]という音で書いてるけども、

そもそも、この言葉は何だったんだ!と興味を持っちゃったんですよ!

そもそも、どこから来たんだと、この*mɯn, *mə[n]!

もう一つ大事なことがありまして、我々はここで何を象ったのかとは、字源と言うんですよね!字の源!

それと同じくこれ「詞源」は中国語で書いてありますが、これ「詞」は言葉という意味ですが、日本語でも言葉という意味ですよね。

語源!日本語で言うと、字源とある程度関係はしていることがあるけれども、実はこれは別個の問題なんですよね!

つまり、漢字だけにこだわっていく問題をはるかに越えてきちゃってることなんですよ!

つまり、漢字があるよりも、上古漢語はもう漢字が生まれたぐらいの時の音ですが、もっと前を知りたいとか言い出しちゃったら、

今度はもう文字がないですから、 これはスゴイことになってきて、困っちゃったんですよね!

じゃあ、そういうときには、じゃあ、どうしたら理解できるかというと、

先ず2つの方法があるんですよ!これは内的再構(internal reconstruction)と言いますが、

つまり、漢字の体系の中で、つまり、漢字の体系というと、漢語の体系の中で、この文字を見てゆくと、もう、私は一つこういう作戦を取ったんですよ。

じゃあ、この上古漢語や、もしくは現代漢語の方言でもいい、もしくは日本語の今の読み方でもいい、言ってみれば、もしくは、*mɯn, *mə[n]という上古漢語、もしくはmɨun, mjunという中古漢語、もしくは現代語だとwén, /uən35/、もしくは日本語だったらモン mõ̞ɴ、ブン bɯ̟̃ᵝɴ、

それと同じ音をしている漢字でちょっと、私はざーっと見ていったんですね!

それでちょっと一つ面白いことに気づいちゃいまして、ここにある漢字!たまたまあったんですけど、

この「閩(ミン)」と日本語(呉音)で読みますけど、この字は結局、上古漢語(鄭張尚芳擬音)では*mrɯn, mɯnという音で発音してた! 「文」*mɯnに対して、「閩」*mrɯn, mɯnはrがここ(mとɯの間)に入っていますが、そういった形で発音してたりとか、

それでもしくは、別の組み立て方からいえば、これ「文」と全く(「閩」の)音*mɯnが同じです。

白一平-沙加爾(Baxter-Sagart)で言うと、(*mə[n]と*mrə[n]は)やっぱり m の後に r が入っている形ですけれども。

殆ど発音が一緒でこの「閩」と語源が同じなんじゃないかと思ったんですね。

じゃあ、そう考えていくと、私は一つ申し上げましたよね。

この「文」は元々本義2にありましたけれども、文身、刺青の形を字源からすれば象っていたじゃないかと!

ああ、やはりじゃあそれの可能性が高いと、一つ思ったのが、この閩語と閩は、昔の南の方の百越でして、これが結局この閩語は先ほど申し上げたように南の方のオーストロネシア語族とか、オーストロアジア語族とか、タイ・カダイ語族と関係があるとお話しましたけども、

その人たちの民族集団を表現していて、そうすると結局この人たちは、越(粤)も、もう考古学的な発掘でも、本当にはっきり分かっているますが、刺青をしていた民族なんですよね。

しかも、「倭」、われわれ日本の昔の名前の「倭(委)」も、「漢委奴国王」の金印で人偏がない委員会の「委」と委ねるという字で書いたと、

昔から「越(粤)」と「閩」と、南の方の人たちと「倭(委)」は並べて、王充さんの《論衡·儒增》でも、越が白い雉を献上して、倭人が鬯草を貢いだと対句で出てきていたり、

そもそも《莊子·逍遙游》で越人が断髪分身、文身とは入れ墨です。

もう、びっくりしたことは、「漢委奴国王」では人偏がない形で「委」と出てきますけれども、それで「倭」と読ませてましたけども、

《漢書·地理志》の倭人のところで魏の時代にいた如淳さんという人が(「如墨委面」と註釈して、)その「委」という字は、顔に入れ墨を委する意味で使い、それが「倭」の語源ではないかと推定していて、あと《魏志倭人伝》(《魏書·東夷傳·倭人條》)では「黥面文身」と顔に刺青をして、この文身で体にも刺青をしていたとか、

それでその理由は蛇とかの害を避けるために「断髪分身」が出てきましたよね!その中で説明されます(「以避蛟龍之害」は《漢書·地理志·粵地條》をそのまま引きます)!

だから、この「文」「閩」は元々一つ刺青とやはり関係がある可能性が高いと、文字(字形)からも推定されるし、その別のルートから行ったとき、語源はまた別の問題ですが、

更にここに書いてあるのは、漢蔵の漢は漢語、蔵はチベット語でこれ緬甸はビルマ語、 それで西夏は西夏語、タングート語と言いますけど、

もともと、漢字が出てきたより、ずっと前の時代に、もっと前の昔の言語から分かれたかと、それらの言語をずーっと集めていくと、

例えば、一つこの「閩」という字は、爬虫類の「爬」という字とか、 爬虫類の「虫」とか、それは蛇などを意味してるんですよね。

それも、漢蔵語に関係してるという話があったり、つまり*s-b/m-ruːlから「閩」*mrɯn, mɯn, *mrə[n]の方に分かれ、爬虫類の「爬」*hŋuːl, hŋruːl, *[r̥]ˤu[j]と発音して、もしくはそれと関係あることも示唆されていたり、それはチベット語 སྦྲུལ , sbrulとか、ビルマ語မြွေ, mrweと発音して、(漢蔵祖語*s-b/m-ruːlが)組み立てられていくんですよね。

その言語から、言語学的に比較言語学で、先ほど内的に漢字で同じ発音だったものを語源が同じだったと中で見てくるのは内的再構(internal reconstruction)と言いましたけども、

外的再構(external reconstruction)といい、他の言語、漢字とは関係ない言語と最も広く見て、漢字ができるより、もっと前の時代から、ずっと遡ると、もっと古い時代では、もう同じだったじゃないかと、究極的なところから行って、

そうするとこの「文」という字は刺青だったけども、更にそれは蛇とも関係してくるとか(《説苑·奉使》「剪髮文身,燦然成章,以像龍子者,將避水神也。」を思わせ)、語源!そこまで行ってきてるんですけど、

そこで分かることは、「閩」と「文」という字は、漢字ができた時には、全然違う字であったけれども、

元々もっと前の時代、語源が同じだったんじゃないか、つまり違う漢字でも語源が同じ場合があるということ、一つ面白いことなんですよ!

それともう一つ面白いことがあり、この「閩」という字には、「門」が付いてますよね。 門構えが!

それで「門」は、(鄭張尚芳擬音の)上古漢語では*mɯːn、「文」*mɯnのɯのところを伸ばしたの形が入ってるんですよ! 音も近い!

もしくはBaxter-Sagartでいうと、「文」*mə[n]のところにちょっと咽頭化の子音(ˤ)が入ってたり、それで n が r になって変わってたりとか、まあどちらしても音が近いですね!

それはもともと 接吻!キスをする!あの「吻」という字は(鄭張尚芳擬音で)*mɯnʔと、最後に声門閉鎖音(glottal stop)と喉の奥で止める子音「ʔ」の符号が付きまして、非常に音が似てるんですけど、

それは元々漢蔵祖語*s-muːrから来ていて、 これは蔵語(チベット語)のམུར་བ, mur baとか、西夏語(タングート)で mor-sɐの音から再構されており、これは全然で違う(語源です)!

要するに門は閉じたり開けたりしますから、口とか、唇とか、そういった語源から入った可能性が高いということが考えられていたり!

もう一つ「聞」という文字がありますよね!この「耳」にしたものは、これと同じ発音なんです!*mɯn, *mu[n]なんです!

Baxter-Sagartの方は母音が違って、əじゃなくてuになっていますが、どちらにしても(「門」や「文」)と音は近い!

それを見た時に*m/s-namという漢蔵語から来ていると!もうそれは何で分かるかというと、蔵語(チベット語)のམནམ་པ, mnam paとか、もしくは緬語(ビルマ語)のနမ်, namと関係してると類推されたり、

そこから派生して、それはどういう意味だったかというと、元々、嗅ぐという意味だったんですよ!

香りを嗅ぐという、「聞香」 と言いますよね!何で香りを嗅ぐのに聞くという字を使うんだと!変だと思うかもしれませんが、元々「聞」は耳から「音を聞く」んじゃなくて、鼻から「匂いを嗅ぐ」という意味でした!

他の言語ではむしろ皆「嗅ぐ」という意味しかないけれども、漢語の中で何故か「聞く」という意味に使ったという、 しかも「耳」が付いて、もうその時点では、耳から聞く意味ですね!(甲骨金文で座った人と大きな耳で構成され、戦国金文から門と耳で構成される「聞」で表されます。) 漢字が作られた時にはそう言えて、

今話したことは、「門」を中心として、全然違う語源のもの「聞」という字もそうだった!「問」*mɯns, *C.mu[n]-sという字は、その「聞」*mɯn, *mu[n]にここに最後に(聞かせてという可能の意味を持たせる接尾辞) s を付けて、これは「聞」から来ましたね! それで「問」も(門の)中に口を書きますけれども、

それらは全部、諧声系列といいまして、同じような音を同じ「ような」というところがポイントでちょっと子音が入ってたり、入ってなかったり、(接頭辞や接尾辞が付いていたり、付いていなかったり)という、字があって、

そういったグループがあるものは、皆「門」があり、今度は「門」があれば、皆同じ意味かといえば、実は全然違う語源が、それらが全て漢字を作った時に音が近くて一緒になっちゃったから、

字義とは、字形に依存してないですよ!つまり、意味とは、元々言語としてありました言葉が音声であったものに意味が乗せられていて、 漢字が出来た時に違う全然、語源が違うのに一緒にまとめられちゃったこともある!

そんなことまで分かってきたり、それで本当にもう文化、民俗学から、言語学から、もう本当にそんな話がもう絡んできて、それで文字学、訓詁学、音韻学と来てきてますけれども、

そういった形に総合的に見てきてるんですね。だから、字型だけで分析をしたり、字義だけで分析したり、字音だけで分析して、一つだけに余りにもこだわり過ぎて分析したりして、その類似性や相違性を考えると、全然正しくない結論が導き出される可能性が高いということで総合的にみていく必要がありまして、

更にはもう字形、字義、字音とは、漢字の体系ですが、一言でまとめてしまうと、意味が類似した字義のグループと、字形のグループと、字音のグループと、(漢字の発達の経緯から、)それらは実は完全には対応してないことが多く、ある程度は対応してるんですよ!

だから、やはりこの「文」は「閩」との関連もあり、この人たち文身していて、刺青と関係ある、やはり、文は文身と関係があるかと(しかも、蛇を避けるための文身として)、そうした象ったものから同じようにアナロジカルに意味が転義した場合は、ある程度一致しますが、

結構一致しないことが多いことをすごく気をつけないと、これは言語と文字の関係で非常に大事なことでして、力説してしまいました!

ですから、大まとめとして言いますと、「言語の本質は音」でして、「言語」「音」は「文字」より先に漢字ができた4000年前より前から、新石器時代から、ずっと前からありまして、

それで漢蔵語族と言いますが、これは6000年くらい前ですから、漢字ができるより、また何千年も遡ります!

それで文字より先に言語が存在しまして、これで文字は言語を記録するために言語が前提にあって、整備されたものですから、すごい大事なことでして、

文字の中だけで考えて、ずっとそこの中でグルグルしていたら、本質を見えてこないと!

言語と文字の関係をしっかり見ていこうということ、それはどういうことかといったら、

殷の人たち、もしくはもっと前かも知れません、漢字とは、今遡れるのでは、殷や周の人たちが、漢字を使ってどんどん発展させた!

その人たちの当時の人が置かれた環境ですよね!

もう我々はもう今は文字があるところから始まりまして、文字の中だけで考えようとするけど、そうじゃないと!

まあ、究極いえば、この漢字をずっと見ていくとは、下から見ていくわけでしょう!我々の時代に近いところから、どんどん遡って見ていくわけですよ(実際に現代音で中古音を推定して、更に上古音に行きました)!

それで漢蔵語族は、もう先ほど申し上げたみたいに色んな言語をそれに関係する言語を集めて、もう中国の南の方から、東南アジアかけて、沢山あるんですよ!インドまであります!それでチベットなど、それらの言語を全部集めてきた上でどんどん、

それを先祖がどうだったのかと行くと、大体6000年くらい前は、こんな言葉を喋ってたらしいと、理論的に考えられるということは、

6000年前ぐらいのその理論的に考えられた方から、今度は漢語の方にいくという、下がってくる、その上から下がってくる、下から上がっていくという、その二つの(ルートで考える作戦) サンドイッチ作戦と名付けたい!

上と下で挟んじゃうという挟み撃ちで考える!もう、色んな角度から、やっぱり考えていかないと、本質は見えてこないという、

当時の人の立場とは、そういった形で本当に遡って、その時に置かれた条件をできる限り考えて、漢字を考えていきたいなということでして、もう力説してしまいました!

KF-Ars Sinica(系譜でたどる中華文化)ですから、もう系譜でその時、その時に起きたことは、何なのかということで、文化について考えていきたいと、これからも漢字も見てまいりたいと思います!

次回は甲骨、金文!この一番最初の状態、この漢字がどうなのか、字形、先ず文字学に関して、ものすごくフィーチャー(注目)して見ていきたいですから、ご期待を下さればと思います!

もう、甲骨金文(陶文)、漢字の遡れる限り、一番古いご先祖さまから触れていきたいと続けてまいりたいと思いますので、

何とぞチャンネル登録をして下さると、もう仲間が増えた感じがします!

それでかついいね👍を押していただけると、やる気が出ます!

更にコメントを下さりますと、もうもっと嬉しいかもしれない!ということで、

皆さまとできる限り、人間の言語、文字、文化、歴史を、もう本当にやっていきたいと思いますので、何とぞよろしくお願い致します!

ありがとうございました!

漢語、漢字、言語、文字、見てゆけました!失礼いたします!

Follow me!

PAGE TOP