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パリのノートルダム楽派 L’École de Notre-Dame de Paris

感謝各位一直以來的關注。這首是根據在西洋音樂史上最重要的巴黎聖母院樂派多声部奧爾加農樣式的主復活日彌撒的阿肋路亞唱歌。額我略聖歌原型含著數百年間很多人們綿綿傳承而慢慢成長下來優雅的旋律與強烈的韻味,因此,甚至無宗教的我都會多次好好享受新鮮的感慨。

いつもありがとうございます。音楽史で大切なパリのノートルダム楽派のオルガヌムによる復活祭のミサのアレルヤ唱です。原型のグレゴリオ聖歌は数百年も数えきれないほど多くの人を通して育てられた結果で優雅な旋律と強烈な律動を持ち、無宗教な私が幾度となく接しても新鮮な感慨を味わえます。

アレルヤ唱(Versus alleluiaticus)は長いメリスマが多く、大きな音域で上行・下行を繰り返すため、美しく輝かしい音の流れで歌うと訓練になりますね。ヘブライ語(הַלְּלוּיָהּ‎‎)の「神を(יָהּ)讃える(הַלְּלוּ)」が、共通ギリシア語(ἀλληλούϊα)になり、民衆ラテン語(Alleluia)になりました。

〈アレルヤ、我らが過越しの羊たるキリストはいけにえになり給うた(Alleluia, Pascha nostrum immolatus est Christus)〉(Graduale Triplex 197)は、キリスト教の磔をユダヤ教の過越(פָּסַח)のいけにえ(子羊)になぞらえて解釈され、《コリント使徒への手紙1》第5章7-8節を典拠とします。

フランク王国で整備されたローマ典礼(グレゴリオ聖歌)は、ザンクト=ガレン修道院のノートケル(Notker Balbulus, c.840-912)らが、続唱(Sequentia)で註釈(tropus)しました。ヴィポ(Wipo, c. 995-1048)による〈復活のいけにえに(Victimae Paschali Laudes)〉は朗唱的に註釈します。

第七旋法(ミクソリディア旋法)でG音から始まり、「アレルヤ(Alleluia)」の語尾に余韻を与えてから、三度下からクィリスマ(quilisma)で急に上行してゆるやかに下行して、急に完全五度上がり、トレモロで情動が昂ぶり、三度の行き来の間に二度の音が時どき置かれて大らかさが感じられます。

「過越しの羊(Pascha)」から完全四度上にゆき、「我らが(nostrum)」から少し上のE音・D音を中心に動き、古ネウマ譜に「t(tenere・保ちなさい)」と記され、高い音程で細かい音(ictus)が連なり、「いけにえ(immolatus)」から架線まで高くなり、長いメリスマで時間感覚が薄れてゆきます。

「c(celeriter・早く)」を連発して順次下降のクリマクス(climacus)と長い音の細かな動きのまとまりで受け余韻を与え、優雅に下降しながら連ね、そのまとまりを繰り返し、音の流れに委ねられ、クライマックスが訪れます。最高音のオクターブ上のA音からクリマクスで全音階で優雅に下ります。

クィリスマで強く押し、ポレクトゥス(porrectus)で上下行してオクターブを急に下降した余韻が味われ、語尾(-tus)で完全五度・三度を装飾しながら主音に戻り、「キリスト(Christus)」はスカンディクス(scandicus)で上がり、順次音程を蠕動運動して跳躍上昇してゆるやかに静謐へ戻ります。

数分に情感の起伏が余すところなく凝縮されて完璧ですね。ペロティヌス(Perotinus, c.1160-1238)はその聖歌を引き延ばした低音にモード・リズムで記譜された二声が織りなす構造を生み、クラウズラ(clausula)はパリ大学総長フィリップ(Philippus Cancellarius, c. 1160-1236)の作です。

彼らはノートルダム大聖堂が着工した頃に生まれました。中世大学(Studium generale)やスコラ哲学(Philosophia scholastica)を通して、イスラム世界とヨーロッパ全土の交易路や巡礼路で張り巡らされたネットワークを活用して、大量の書籍を交換して筆写しながら学問をしたことが偲ばれます。

レオニヌス(Leoninus, c.1125-1201)は聖歌の一つの音に対する装飾は増やしながら、アキテーヌ地方のメリスマ・オルガヌムを継いで旋律的ですが、ペロティヌスはインパクトが絶大でドカンと完全協和音程が鳴りましたら、声明のような魂の叫びが聞こえ、中世人の強烈なパッションが伝わりますね。

リズムが量子化(モード)されて、縦の揃いも明快になり、当時はパート形式が主流でしたが、ノートルダム楽派の主要な写本(I-Fl MS Pluteus 29.1 (F), 23r-24v; D-W Cod. Guelf. 628 Helmst. (W1), 77v-79r; 1099 Helmst. (W2), 21v-23r)はスコア形式で声部間の統御が配慮されることが分かります。上声は一対一対応して動くことが多くディスカント様式(discantus)、また、世俗音楽(中世舞曲)における一つの音に対する細かい装飾を伴う華麗対位法(contrapunctus floridus)の影響、ローマのカトリックと東方正教会の融和を模索した時期でビザンツ聖歌のドローン低音の影響も感じられます。それにより聖歌の旋律が引き延ばされて、楽譜を見なければ分からないほど、原型をとどめていません(笑) 雅楽も江戸後期には速度があり、旋律が聴けましたが、昭和初期までに何故かガクンと速度が落ちまして、音の響きが混ざり合いヘテロフォニーにまで至りましたが、良く似た現象に感じます。

ペロティヌスは当時の技法を駆使してオルガヌムを最高度に完成させてしまいましたため、以降はクラウズラの部分に中世フランス語やトスカーナ語など、吟遊詩人に関係する旋律を当てはめたり、声部の細かさの違いを変えたり試行錯誤され、初期のモテットが発達して、多声音楽の起源となりました。

《ディスカントゥスにおける通常の配置(Discantus positio vulgaris)》(1230年頃)で六つのモードが規定され、《音楽思索大全(Summa de speculatione musicae)》(1320年頃)で古代ギリシアの詩文の韻律(μέτρον)で説明され、音楽の拍子(metrum)と同じ語で名残を留めております。

ケルンのフランコ(Franco de Colonia)の《計量音楽論(Ars cantus mensurabilis)》(1280年頃)やムリスのヨハネ(Johannes de Muris)の《計量音楽の書(Libellus cantus mensurabilis)》(1340年頃)で定量記譜法が模索され、アルス・ノーヴァで完全な三分割と不完全の二分割が主流になり、アルス・スブティリオールやトレチェント音楽でメンスーラ記号(mensula)を読み変えたカノンや声部により異なる拍子まで出現して極めて複雑になりましたが、初期ルネサンスのブルゴーニュ楽派あたりから優雅で心地よい旋律や音程が好まれて整理され、近代記譜法の拍子構造の先祖になりました。基準時間(tempus・prolatio)を二分割か三分割して計量する発想は、多声音楽の声部を揃えるために始まり、舞曲などのリズムを書き取るように応用されましたため、イネガル奏法、非和声的な装飾音、緩急法で何とか自然な流れにしますが、楽譜で指定される通りでは、自然な音楽にならないですね。

西洋音楽の楽譜に接するとき、ノートルダム楽派が韻律を参考にリズムの記譜を模索したところから始まる根本のシステムである記譜の起源から歴史をたどり、長所と短所を正確に認識して、自然に息づく音楽の細かいニュアンスを伝えてきた大家たちの色んな演奏に接することが大切と感じております。

本格に究めるには、言語や習慣、文化や思想の違いなどを乗り越え、原典の資料や発想の源流を解析して、継承や発展を追跡して、本質への探求に猛進する意志(探究心や好奇心)が大切に感じております。遠く離れた時代や地域の文化に触れることにより、私たちの常識を見直すことができ面白いですね。

原典の資料を収集して、事実を把握して、考察や解析を重ね、文化が育まれた土地を旅行して、風土に触れることができ、当時の人と同じ体験を深めてゆけるのが文化を愛する醍醐味ですね。皆さまとせめてその片鱗でもシェアーできましたら幸いです。長文にお付き合い下さり、ありがとうございました。

皆さまもお元気にお過ごし下さいませ。

ノートルダム大聖堂の(焼失を免れた)北面の薔薇窓(1250年頃)

グレゴリオ聖歌(Graduale Triplex 197・四線ネウマ譜と二つの古ネウマ譜)

ノートルダム楽派の(レオニヌス作とされる)三声オルガヌム(D-W Cod. Guelf. 1099 Helmst. (W2), 21v-23r)

Deus misertus hominis lavit reatum criminis [Conductus à 4, I-Fl MS Pluteus 29.1, 8v–9r]

Salvatoris hodie sanguis pregustatur [Conductus à 3, D-W Cod. Guelf. 1099 Helmst. (W2), 31r-33r; D-W Cod. Guelf. 628 Helmst. (W1), 86r-86v; GB-Lbl Egerton 2615, 86v-87v; I-Fl MS Pluteus 29.1, 307r-307v]

Quid tu vides, Ieremia [Conductus à 3, GB-Lbl Harley 5393, 80v; D-W Cod. Guelf. 628 Helmst. (W1), 72r-72v; D-W Cod. Guelf. 1099 Helmst. (W2), 42r-43r; I-Fl MS Pluteus 29.1, 234v–235r]

Ave, virgo virginum verbi [Conductus à 3, I-Fl MS Pluteus 29.1, 240r–240v]

Philippe le Chancelier [c.1165-1236]: Mors a primi patris vitio con transgressio / Mors, que stimulo nos urges emulo / Mors morsu nata venenato / Mors à 4 [F-MO H 196, 57v–61r; F-Pnm NAF 13521, 372v-373v]

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