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モーツァルト オペラ Così fan tutte レシタティーボ Ei parte … とアリア Per pietà, KV 588

モーツァルト オペラ Così fan tutte レシタティーボ Ei parte… senti… ah no!… とアリア Per pietà, ben mio, perdona, KV 588(1790年)を存分に楽しみました!!

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2021年3月20日

皆さま、こんにちは!

モーツァルトまたやってまいりましょうということでCosì fan tutte(笑)

もうこのdramma giocosoだから、もう遊んじゃってる!(笑)ということでイタリア語ですけれども。 ありましてね。

このオペラはもうモーツァルトの最後の方に書いたものでよく知られているわけですけれども、

皆、このCosì fan tutteと、この名前で知ってますよね!

だけれども、実はロレンツォ・ダ・ポンテ(Lorenzo Da Ponte, 1749-1838)が、フィガロの結婚(Le nozze di Figaro, KV 492, 1778年)やドン・ジョヴァンニ(Don Giovanni, KV 527, 1787年)と同じく台本、リブレットを書き下ろしましたけど。

それで彼はこれは「愛する人たちの学校(La scuola degli amnti)」と書いてますね!その名前でこのタイトルを呼んでいたんですけれども、

モーツァルトがCosì fan tutteが良いんだと主張して、それでこっちになって、もしくはになっちゃう、本当のタイトルが下に来ちゃっているんですけどね。

このオペラをちょうどモーツァルトが亡くなる1年前なんですよね。

だからもう後期の方の素晴らしい、もう彼の音楽の結晶ではないかということでして、

一般的にはフィガロの結婚(Le nozze di Figaro, KV 492, 1778年)やドン・ジョヴァンニ(Don Giovanni, KV 527, 1787年)とか、そういった方がよく上演されてきましたけれども、

音楽的な濃密度からいうと、このコジ・ファン・トゥッテ (Così fan tutte, ossia La scuola degli amanti, KV 588)、その次の皇帝ティートの慈悲(La clemenza di Tito, KV 621)は、ものすごいですよね!

やっぱりモーツァルトの中で研究がまたありまして、そういった形で見て参りたいと思うんですけども、

この作品にはモーツアルト本人の書いたカタログが残ってますのでちょっと見てまいりましょう!

こちらなんですけどね。こういった形でちゃんとここに書いてあるんですよね!1790年1月にCosì fan tutteと書いてありますね。それでここにLa scuola degli amantiと書いてありますから、それで序曲(Overtura)と書いてあるんですよね!

それぞれいつものケッヘルカタログでは、どうなってるのか見てみますよ!

こういった形で書いてありますけど、

ここに今日聴いて行こうとするもの、

このPer pietà, ben mio, perdona、この曲をどんな演奏で聴くのかちょっと見てみましょうね!

こういった形で私もこのオペラアリアをどの演奏でやろうかなあというふうに思ったとき、もう沢山思いつく演奏を聴くんですよね。

ですけれども、この大きなオペラの中で、この一つのアリアをやろうとしているから、

それだったらこのアリア選集として、本当にこのアリアに集中して録音をしてくれたという、録音がいいのかなと思って、

全曲録音もいっぱいあるんだけれども、一つの作品としてのカチッと録音してくれている方が、いいなと思って、

それでこのElsa Gardelli, 1922-1971という歌手で聴いていこうということなんですけれどもね!

このQualitonはHungarotonと言いますけど、ハンガリーのレコード会社(国営企業)でこのレコードもステレオ初期ぐらいで中々この時期にいいもの出していたんですよね!

共産圏のレコーダーですけど、当時、それで指揮者がLamberto Gardelli, 1915-1998と指揮しまして、その奥さんなんですよ!それでこのElsa Gardelliが同じ名前ですから、調べてみたら、

デンマークの オーデンセという、モーツァルトの交響曲が見つかったというのも、 Odenseありますけど(Sinfonie a-Moll, KV Anh. 220/16aは後にモーツァルトの偽作とされていますが)、

そこで生まれて、コペンハーゲンで亡くなってるんですけど、Else-Margrete Jeppesenという名前でしたが、結婚してGardelliになってるんですけどね。

なかなか声が透き通っていてよかった!それでオーケストラとの一体感があってよかったということで楽しんでもらえると思うんですよ!

そして《新モーツァルト全集》でありますけれどもね!

このレシタティーボから録音されているんです。やっぱり、その流れが良かった!

本当にアリアだけでも美しいんだけども、そのレシタティーボからの移り変わりといいますか、そこからの流れがなかなか見事で良かったんじゃないかなと思って、

まぁちょっと種明かしをしますと、レシタティーボの終わり所でホ短調になんですね!それで同主調のホ長調にピンといくという、

その切り替わり方がなかなか面白いんじゃないということでして、

毎回こういった音楽の実況中継をやっていますけれども、

今回もそうですけど、結構大変なんですよ!

楽譜をめくりをしながら、それで今回なんか、イタリア語も頭の中に入ってくるし、それで日本語で感想をいうでしょ!目から楽譜が入ってくる、(耳から)音楽も入ってくるっていう!

同時に4,5くらいの情報が来るものですから、もう頭がフル回転ですけれども、

いつもそれで細かいアナリーゼなど、ここは何調だったのかなどは(字幕の方にありまして、)

もうモーツァルトはとにかく転調が早い!

もう一小節毎にころころ変わっちゃったり、中には同じ小節の中で長調なのか短調なのか微妙なところがありますから、

一つの音にちょっと臨時記号が書いてあるだけで雰囲気がガラリと変わっちゃったりして、

そういうのがありますから、まあ全部言い切れないかもしれないということで、いつも字幕など結構一生懸命やってまして、

そこに気づいたこと、どんどんが書き込んでいたりするんですけども、

今回もどうなっちゃうのかな!先ずイタリア語、音楽が聴こえて、それで楽譜を見る!日本語でコメント!どうなっちゃうかなぁということでやってまいりましょうか!?いきますよ!!

ここのところが変ロ長調で(始まり、)ここのところ(Ah no)がドミナントでしょ!Ei parte… senti… ah no!… partir si lasci,(彼は行ってしまうわ...聞いてちょうだい...でもだめ!彼とお別れしなきゃ)

これがヘ長調の属七が鳴っています!Si tolga ai sguardi miei l'infausto oggetto della mia debolezza.(私の目の前から消えてもらわなきゃ、私の弱みに取り入り不幸となる人だから)

ここ(cimentoでオーケストラの鳴りが)すごいです!A qual cimento il barbaro mi pose!…(何という試練に私にあいつは遭わせたのよ!)

ここ(pose)がすごい音(不気味な響きF#-A-Dで短調にいきます!)

(第9小節)ここ(Questo)はニ短調の属七!Un premio è questo ben dovuto a mie colpe!…(この報いは私の罪にふさわしいわ!)

それ(弦楽パートの盛り上げ方が)すごいでしょ!

(第11小節)ここイ短調(ホ短調は言い間違え)の属七が鳴っていました!不安定になっている!In tale istante dovea di nuovo amante i sospiri ascoltar?(こんなときに新しく愛する人の溜め息を聞かなくてはならないの?)

(第13小節)ここも(ホ短調の属七)!L'altrui querele dovea volger in gioco?(他の人の嘆きをからかっていいの?)

ここなんか!ハ長調ぽいけど、(Vですが)何かここに♭がついている(B♭で)ハ短調ぽいかな「!Ah, questo core a ragione condanni, o giusto amore!(ああ、この心を正しく責めて、おお、真なる愛よ!)

ここすごいでしょ!(第19小節)ここ(effetto)もすごいでしょ!不気味(F#-A-C -E♭)!Io ardo, e l'ardor mio non è più effetto d'un amor virtuoso:(わたしは燃えてきたわ。でもわたしの情熱は誠実な愛とはもう違うのよ)

これ細かくなっている!どんどん強烈!どんどん盛り上がって、少しずつ上がっていって、グン!è smania, affanno, rimorso, pentimento, leggerezza, perfidia e tradimento!(それは狂気で、動悸で、自責で、後悔で、軽率で、不実で、そして裏切りなのよ!)

強烈(A#-C#-E-G)でした!歌詞の中で盛り上がっていく感じが出ていて、(第24-25小節でレシタティーボが)ホ短調(のカデンツで終わる)でしょ!

(ホ短調のカデンツ♪)

お!(同主調の)ホ長調!ロンドにきました!(調性が定まり安らぎを与えています。第2小節のperdonaなど動詞が動くように歌の旋律が書かれています。)Per pietà, ben mio, perdona | All'error di un'alma amante;(どうかお願い、愛する人よ、許して下さい。愛する心の過ちを)

(第3小節 alma amante)ここすごい!ここのところ分散和音でいいでしょ!

(Fra quest'ombreの付点リズムも)チャーミングでしたね!Fra quest'ombre e queste piante | Sempre ascoso, oh Dio, sarà!(それはこの木陰に、この木々の間に、いつも隠されている。ああ、神さま、必ず!)

(第5小節)ここ(Questeの導音の使い方とオクターブ跳躍)もチャーミング!(第6小節 チェロの安定感があります。)

(第7小節ascosoの付点の跳躍下降やDio, saràの細かい動きもいいですね!)

(第8小節)ここ管楽器! 

オクターブ上がった!ドゥワーン(と急激に下降します。)

しかも不安定な音程(A#-C-E-G)で来ました!

(第11小節)ここ力強い(オーケストラの伴奏)でしょ!Svenerà quest'empia voglia | L'ardir mio, la mia costanza;(この忌わしい欲を打ち破るのは、私の大胆さ、私の貞節さ)

(第12小節)歌詞が大胆(L'ardir mio)です!細かい!

(第14小節)ここクラリネット!気持ちいい感じになった!(明るさが出てきます!また少し追憶する感じがします。)Perderà la rimembranza | Che vergogna e orror mi fa.(私を恥しがらせ慄かせる記憶を消し去ってくれる)

(第16小節 cheが不協和で)ちょっと陰りを帯びたでしょ!うわぁ~すごい!やった!(この一節の中で大きく変化してニ長調らしくなります。)

最高!

(第18小節)少しずつチェロが上がっているんですね!

(第19小節)上がって、ここで上がって付点リズム!

(第21小節)ロ長調ぽい(カデンツ)でしょ!

おおすごい!ホルンの伴奏がなかなかいい!Per pietà, ben mio, perdona | All'error di un'alma amante;(どうかお願い、愛する人よ、許して下さい。愛する心の過ちを)

ここ最高ですよ!モーツァルトの真骨頂!(歌の旋律を反復して回想するような雰囲気を与えています。)管楽器が美しい!

ここperdona(付点リズム)とun'alma amante(分散和音)もイタリア語の(語感をよく表していて)良かった!最高!

美しい(管楽器の)分散和音!

ああ!装飾がいい!(第27小節)ここ(Fra quest'ombre)も!Fra quest'ombre e queste piante | Sempre ascoso, oh Dio, sarà!(それはこの木陰に、この木々の間に、いつも隠されている。ああ、神さま、必ず!)

(e queste piante)上がってチャーミング!ヒューマン!

ああ!これいいでしょ!(第29小節)ホルンのシュライファー(と半音階が美しい!先ほどの記憶が薄らいで、追憶するような感じの仕上がりです。)

ねぇ!すごい!(管楽器が)来ましたね!ここがやっぱり!

(第33小節)ドゥワーン!

(第35小節)ここ!Allegro moderato!少し音楽が軽くなり、A chi mai mancò di fede | Questo vano ingrato cor!(誰に対して貞節を欠いたのでしょう、この軽はずみの不実の心は!)

ここの付点いいですよね!(チェロが安定して主音を奏でています!)Si dovea miglior mercede, | Caro bene, al tuo candor.(更に良い報いがふさわしいのに、愛しいお方、あなたの純潔には!)

ここはヴァイオリンが(細かくなり)一緒に全体で上がってきました!

ホルンの付点リズム!

(ホルンの音の動きの盛り上がりが、)こちらへ引き継がれて、

ここ柔らかくdolceと書いてあるけれども、優しく!(第50小節)クラリネットとファゴットがカノンになってますよね!

Per pietà, ben mio, perdona | All'error di un'alma amante;(どうかお願い、愛する人よ、許して下さい。愛する心の過ちを)

低い所にきている!それで突っ込んだ!上昇してきた!いきなり!Svenerà quest'empia voglia | L'ardir mio, la mia costanza;(この忌わしい欲を打ち破るのは、私の大胆さ、私の貞節さ)

(第60小節と第62小節)ここで細かい第一ヴァイオリンの動きで情感を受け止めています!

Perderà la rimembranza | Che vergogna e orror mi fa.(私を恥しがらせ慄かせる記憶を消し去ってくれる)

ね! ここの節回しがモーツァルトらしい!モーツァルト節!(第66小節 七度の不安定な音程で止まります。)

A chi mai mancò di fede | Questo vano ingrato cor!(誰に対して貞節を欠いたのでしょう、この軽はずみの不実の心は!)

すごいここが弦だけになっているでしょ!すごく!

ここホルンが来ました!ファゴット来ました!それでその流れがクラリネットまで引き継がれてきて!Si dovea miglior mercede, | Caro bene, al tuo candor.(更に良い報いがふさわしいのに、愛しいお方、あなたの純潔には!)

ホルン!いいね!これ!

うーん、(ソプラノの旋律に)引き継がれた!

ここ!ヴァイオリンからフルート!A chi mai mancò di fede | Questo vano ingrato cor!(誰に対して貞節を欠いたのでしょう、この軽はずみの不実の心は!)

ここ!モーツァルトらしい!この休符!

ああ!いい!この装飾!

細かくなってきた!

うん!分散和音的な下降!

このヴァイオリン!フルート!Si dovea miglior mercede, | Caro bene, al tuo candor.(更に良い報いがふさわしいのに、愛しいお方、あなたの純潔には!)

ここの(旋律を)少し変えた!

今度は上の方!Caro bene, al tuo candor.(愛しいお方、あなたの純潔には!)

おお!三連符が来ました!気持ちいいですね!

ここでいいね!タタタタタタ!Caro bene, al tuo candor.(愛しいお方、あなたの純潔には!)

(第109小節 属七で小休止!)ここはすごい!チャーミング!

もう一回きました!Caro bene, al tuo candor.(愛しいお方、あなたの純潔には!)

それでパーンと上がって!

それでクラリネットがトゥルルルルーン!

ここまで上がる!(クライマックス!)

(スタッカート気味の分散和音の上行)

最後はこの(カデンツァのような盛り上がり)!

それでこのオーケストラで引き継いでグレイスフル!

それでここが付点リズム!

気持ちよく終わりました!(笑)

そういう感じでこの旋律、歌の旋律を引き立たせるようなオーケストレーション!ものすごくこれは見事!それでもう無駄がない!

柔らかい部分とドーンとくる非常にソリッドな部分とバランスよくなっていたと思っていて、

結構、属七とか、七度の音程とか、不安定な音程がピチャーンと出てくるんですね!少しね!

それとか半音階が、ホルンとかで半音階やシュライファー音型とか、そういった装飾であったりとか、アルペジオで上がったり下がったりとか、いきなりガーンと落っこちたり、すごいんですよね!

この起伏が激しいんですよね!だから非常にこの歌詞の内容に合わせて、イタリア語の意味を音楽に盛り込んでいることが分かってきたりとか、

特にモーツァルトの後期になると管楽器の、特に彼はクラリネットが好きだったみたいですけどね!あとホルンも好きでしたけど、すごくいい!その響きをよく生かしてた!

そのことによって音の広がり、全体の見通しがやわらかくなるし、マッチしてたんじゃないかと、声ともクラリネットやホルンが合いますから!そういう工夫があったじゃないなと思いました!

といった形でコジ・ファン・トゥッテの第2幕の第7場のロンド!楽しめたと思います!

レシタティーヴォとロンド、本当に流れも良かった!気持ち良かった!

ありがとうございました!今後ともモーツアルトやってまいりたいと思います!失礼いたします!

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