モーツァルトの美しかった最後のオペラ La Clemenza di Tito アリア S'altro che lagrime, KV 621(1791年)!
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2021年3月30日
皆さま、こんにちは!
今日はモーツァルトが、一番最後に書いた「皇帝ティートの慈悲」という作品ですね!
まあ皇帝がこっちに書いてありませんけれども!イタリア語では、La clemenza di Titoですが、やってみたいと思うんですよ!
Dramma serio per musicaはオペラセリアと今は言いますけれども。
そういった形でこれはここにプラハ(Praga)と書かれていますね。その国立劇場(Teatro nazionale)と!
それはどうしてかといったら、ここに書いてあるんですよね!
レオポルド2世がボヘミア王に戴冠したとき、incoronazione(イタリア語で戴冠)!その時に作ったんだというオペラですよ!
それでこうしたオペラを上映する時には、もう当時一番の名の通った人にお願いするわけですけれども、それはサリエリであったんですよね!
だけれども忙しかったみたいで断っちゃって、
それでモーツァルトが引き受けたというんですよね!
だからすごい良かった!たまたま最晩年の管弦楽法を聞くことができるし!
もうやっぱりモーツァルトの作品の中でも、この作品(皇帝ティートの慈悲)は、意外とフィガロ(の結婚)とか、ドン・ジョヴァンニに比べたら、上映回数が少ないですけれども、
最高じゃあないかと見ていきたいと思うんですよ!
基本的にモーツァルトはオペラセリアを結構書いているんですよね。
それで特に有名なオペラセリアと言ったら、メタスタージオがリブレット、台本を書くわけですけれども、
それを皇帝ティートの慈悲は、ちょっと内容を少し短くしたり、改作してるんですけれども、
これでもうこれ1791年ですから、大体フランス革命も起きていて、
こういったオペラ・セリアは貴族社会において、
今回もこれもそうですけれども、レオポルド2世が戴冠するときに君主の徳を称え、オペラでつくるというような意味で作ったわけなんですね!
娯楽としてのオペラではないんですね!
だからモーツァルトは結構、一番最初の時には「アポロとヒアキントス」、あれはラテン語ですけどね!
(ザルツブルク)大学を(学生が)卒業するときに演奏されたものとか、
それとか「ポントの王、ミトリダーテ」はミラノでローマの歴史を題材としてオペラをやっぱりモーツァルトに興味を示した伯爵がお願いしたりとか。
それとか「アルバのアスカニオ」はこれはかなり身分の高い人の婚礼のために書かれてギリシャ神話でしょ!
それにねぇ「シピオーネの夢」、「ルチオ・シッラ」とか、それと「クレタ王イドメネオ」は、やっぱりギリシア神話やローマの歴史など、意外とモーツァルトは古典を題材としたオペラが多いんですよ!
結構モーツァルトの音楽は合っているんですよね。なかなか!
非常にエレガントだから!
それでロレンツォ・ダ・ポンテとあってから、(三部作の)「フィガロ(の結婚)」とか、「ドン・ジョバンニ」とか、「コジ・ファン・トゥッテ」を書きましたけど、
それはオペラ・ブッファと言いますけど、楽しみのオペラとして、娯楽のような!
モーツァルトはその中でも、意外とこのオペラセリアは多いし、なかなかいいんんですよ!
本当にあんまり感情がドロドロしたような感じより、もっとスカッと水晶のような輝きでやっぱりモーツァルトの音楽というのは、そういうことですから!
だから今回聴いてゆく、この「皇帝ティートの慈悲」は、サリエリに断られちゃって、戴冠式まで時間がないから、早く作ってと言って、
モーツァルトにしょうがない、モーツァルトはやってくるからとバーンときたらしくて、
モーツァルトだって、いくらなんだって、二週間じゃ書けないですよね!
だからもうアリアの部分はモーツァルトが書いたんですけれども、それで弟子のジュスマイヤーがレジタティーボを書いたので、
もしレジタティーボをモーツァルトが書けば、これはチェンバロでトゥルルーンではなくて、
もっとオーケストラをフルに使ったものを書いたかもしれないけど、
まあアリアの部分だけでも、モーツァルトの最晩年の管弦楽法を聴くことが出来ますから、やっぽりこの作品をすごいじゃないかとすごく盛り上がっていますけれども、
モーツァルトの作品といったら、やっぱり声楽曲が最高じゃないかということですけれども!
やっぱりオーケストレーションの多彩であるし、この間の「クレタ王のイドメネオ」でもそうでしたけど!
管楽器と声の連なり方が本当に良かったし、本当にそれと一つの単語の中でも変わっていくとか、
こうした感情表現も非常にモーツァルトは長けていたんじゃないかと!
それでしかもオーケストラがヒューマンで非常にチャーミングだし、旋律や響きがグレイスフル!
これでもう感情が豊かでハートフル♡なオーケストラということでかなり期待できるんじゃないかということなんですよね!
それですごいモーツァルトは結局、歌詞の内容を非常に詳しく調べて、
感情表現をよく考えて、それを全部、背景の音楽なり、その歌の旋律、
まあその歌の旋律というのはもちろんですね!だけど背景の響きがものすごく歌詞とぴったんこなんですよね!
これ当たり前だと思うかもしれないんでけれども、それはそうだろうと、音楽は感情だけのものだから!
でも実はこれ本当にすごいことなんですよ! 何故かと言ったら、意外と当時のオペラはリブレットがあって、それに音楽を付けて、意外と陳腐というか、本当に平凡な、
もうどんどんいっぱい書いて当たればいいやみたいな、結構やっつけ仕事が多い!
それで当たったものが少しあったりして、上演されればいいじゃないかということでして、
あんまりそこに思い入れはなく、もちろんそういうものもありますけれども。
モーツァルトに関して言えば、どの作品に関しても、ものすごい濃密なんですよ!
ですからやっぱり当時の他のオペラは、もう殆ど今上映されないと、
最近は結構発掘が進んでますけれども。
モーツァルトの作品が残されて、愛されてることは、
それはそういったモーツァルトが作品に対してかけた手塩にかけた祖の思いは、やっぱり内容的に豊かなんですよ!
だからモーツァルトは当時の殆どの音楽都市を訪れてましたよね!
もうイングランドのロンドン、フランスのパリも行ったし、それで特にイタリアの各都市、 ローマとか、ミラノとか、ナポリとか、ヴェネツィアとか、全部行きました!
ボローニャも行ったし、パルマにも行った、それで南ドイツ、こういったボヘミアでしょ!こちらはプラハで、南ドイツで言えば、マンハイムとか、ミュンヘンとか、あとベルリンとか、全部行きましたよね!
だから当時の殆どの音楽都市であった音楽を知ってて、その中で一番いい方法や音楽書法を全部吸収しちゃって、彼の音楽の中にもう全部、最高の魅力が凝縮していると!
だからモーツァルトの音楽を聴けば、大体他の当時の作品のいいところは、いいとこどりで全部入っているということで、すごくこれはいいんじゃないかと!
しかもモーツァルトは台本なんかも結構、手紙で分かることは、選択するのがもうすごい入念なんです!
それで内容まで変えさせちゃったり、手を入れちゃったり、妥協もしないでしていたと!
だからモーツァルトの音楽はものすごく価値があると言えるんじゃないかと思います。
ですからモーツァルトの音楽を見ていく時には、本当に細かい部分にも、必ずその音楽の要素が何らかの意味が与えられている!
それはもう心を込めて書いてたと結論としては、ハートフルということが分かると思います!
モーツァルトはハートフル♡ということで今回も楽しめるんじゃないかな!
もう1791年9月6日に上演ですから、もう亡くなるまで、あと数ヶ月前ですよね!
この年をまたがないで亡くなってますからね!
もう本当にだから最後の最後だということが言えると思います!
そしてこちらが皇帝ティートの金貨なんですよ!
本当に希少!銀貨はdenariusと言いますが、結構銀貨があるんだけど、
金貨aureusはものすごく貴重でものすごく高価です!
もう数が少ないからaureus!それでaurumがラテン語で金ですから、
西暦73年に鋳造されたと分かります!
なかなかこういう顔をしていたんだなと分かって面白いんじゃないかだと思います!
このちなみにこのTがTitusでしょうね!
それでここがCaesar、Imperatorは皇帝、これはVespasianusの略ということでね!ちゃんと名前が見えました!
それでいつものケッヘル・カタログを見てみますと、ここに書いてありますけど、 その中で今回聴いていくのが、見つけました!
S'altro che lagrime!最高!この前奏の部分はアヴェ・ヴェルム・コルプスと似ているじゃないかと思いました!ということで楽譜の方をちょっと見てみましょうか!
あ!その前にこちらです!今回も前回と同じくこのルチア・ポップで聴いていこうとジャケット素敵ですよね!古代ローマの絵画がありまして、こちらは、イシュトバーン・ケルテスの指揮で期待できるんじゃありませんか!?
こちらDeccaのこのレコードは、初期のステレオの頃でFFSSとありますよね!なかなかこれ面白いんですよね!すごくいい!デッカ・サウンドといわれるロゴです!
そういった形で楽譜を見てまいりましょう!
ところで先ほど申し上げたアヴェ・ヴェルム・コルプスと似てる!どうしてかと言いますと、
この最初の部分、先ずこれ調性も同じですよね!このニ長調は#が二つ付いてますからね!
この動き!ヴァイオリンとそれについてきて少し遅れてついてくるこのエコーのような響き、
これの前奏は、これはアヴェ・ヴェルム・コルプスでしょうと!
後ところはここ合唱になってますよね!アヴェ・ヴェルム・コルプスは!
というのは結局モーツァルトはこれをドンドンドンドン書かなきゃいけなかったから、
もう当時結構、その他の器楽曲で考えているの楽想が出てきたり、 声楽曲で合唱のものが、オーケストラの部分が別のところに出てきたり、
結構モーツァルトの頭の中で本当にその楽想が共通して融通してたと色々と分かって面白いんですよね!それで 旋律自体が似ていたりとか、リズム語法が似たりとかもあるんですけど、
こちらはそういった雰囲気もすごく似てる!
だからこの作品は非常に短い小品のアリアなんですけど、素晴らしいじゃないかということで楽しんでいけると思います!
という感じでもうかなり語りましたので聞いていきたいと思います!
それではいきますよ!
ここアヴェ・ヴェルム・コルプスと似ている!
ここいいでしょ!盛り上がってきた!S'altro che lacrime | Per lui non tenti,(涙よりほかのことを、彼のためにしないのなら、)
ここで少し(歌の旋律を)先取りして、ここで上がった!
受けてんですよね!少しずつ滑らかに下降している!
おお!繋いでいますよね!Tutto il tuo piangere | Non giovera.(あなたのどんな涙など、何の役にも立ちません。)
(第12小節)ここのところ#が付いて(旋律の)流れがいいんです!すごい!(第13小節 イ短調ぽい)
(第16小節 ニ長調)ここの流れが来たでしょ!
A questa inutile | Pieta che senti,(これはあなたが感じる役に立たない憐みの気持ちに、)
(第17小節)ここでちょっと(ホ)短調ぽい!?
ね!ここのすごい間のところが良かった!Oh quanto e simile | La crudelta.(何てよく似ているのでしょう。何て惨いのでしょう。)
(第23小節)ここのところ!crudeltaで強烈になって、(第21-22小節で)ちょっとト長調とト短調を経過してきましたよね!
(第27小節 ニ長調)戻った!S'altro che lacrime | Per lui non tenti,(涙よりほかのことを、彼のためにしないのなら、)
ここのところがいいですよね!Tutto il tuo piangere | Non giovera.(あなたのどんな涙など、何の役にも立ちません。)
少しずつ下がってくるこの(優雅な)動きがなかなかいいんですよ!(第36小節で内声部にやはり#がついていて流れがいいです!)
おお!細かくなった!Tutto il tuo piangere | Non giovera.(あなたのどんな涙など、何の役にも立ちません。)
お!(旋律の始まりが)一段上がったでしょ!
(第40小節)ここのところ!Non giovera.(何の役にも立ちません。)
もう上がって、ドミナント上で伸ばして!
(第43小節)もう一回!Non giovera.(何の役にも立ちません。)
それで最後のこの終わりの終奏で、ここで歌った人がparteと書いてありますから退場する所なんですけれども、その余韻がオーケストラで上手く表現されていたんじゃないかな!?
ということが言えるんですけれども、本当に短い途中の所から転調の部分があって、三部形式ですけれども、パパンパンと過ぎていっちゃいましたけれども、
もう正味で言えば、繰り返しを除けば、1分ぐらいの短い曲ですけれども。
非常に素晴らしいっていうことで面白かったんですね!
結構良かったところが、まあ最初はここはすごいニ長調で初めて、ウィーンと行くでしょ!特に少し(臨時記号が)付いているんですよ!半音上がっているんですよね!
ここも!ここも!だから少し気分が上がってきているというか、
それでそこからだいたいここまで来ると、ちょっとなんか短調ぽいところを通過して、それでパンとちょっと問題のところにいって、少し進んで行って、 それで面白いことにここのところかな!?
このutileに否定辞が付いて、inutileでイタリア語で無用という意味でしたが、
それでこのところで少しこの♮によってキャンセルされている!
それで短調ぽいホ短調ぽいというのかな、ちょっと微妙ですよね!ここのところだけ、この二小節だけ!
音が変わった!そうするとちょっとそこが過ぎていくと、
また今度はドミナントに上がって、ト長調になるのかな!ここでと思った羅少しここでまた♭が付いていたりとか、
かなり臨時記号が付いてて、ト短調ぽいなとsimileの部分でありますから、「似ている」、英語のsimilar!
これでありますから、このcrudeltaは強烈でした!
このバーンて来てましたね!実際書いてあるし、ここに強弱記号が!
それで「残忍」という意味だから少し強烈で、そこをすぎると、
そういった形で戻っていくんですけど、このページのところ中盤からちょっと前半ぐらいの頃まですごい転調部分があって、
なかなか歌詞も盛り上がってすごい強烈な部分ですから、転調のプランもはっきりして、これは短いのに非常に滑らかに感情動きが表現されていたと思います!
こういった形で非常に楽しめたと思うんですけどね!
皇帝ティートの慈悲、本当に短い小品でしたけれども、
モーツァルトらしかったですね!モーツァルトの簡潔さ、シンプル!
それで非常にウィットに富んでいた!
ハートフルでグレイスフル、ヒューマンでチャーミングでしたということで、
モーツァルトらしさ全開のアリア、本当に楽しめました!
いつもご覧くださいましてありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。