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モーツァルトのオペラ Mitridate, re di Ponto. Se viver non degg'io, KV 87でとろけました!

モーツァルトの管弦楽法と美しい歌声に魅了されました!オペラ Mitridate, re di Ponto デュエット Se viver non degg'io, KV 87/74a(1770年)!

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2021年5月12日

皆さま、こんにちは!

お久しぶりにモーツァルトが出ました!

今回はこのポント王のミドリダーテというオペラセリア!

ここには音楽による劇(Dramma per musica)とありますけれども、

非常に有名なオペラの台本、リブレットを書く、メタスタージオがいましたけれども、

その人はよく史実とか、伝説などをオペラに仕立てで書いていたんですけども、

こちらのポントスという場所にいたミドリダーテという王様も、やっぱり歴史の史実でして、

こんなものが残っているんですよ!

この人なんですけれども。

ポント王のミドリダーテ!

ミトリダテス六世(Mithridates VI, Μιθριδάτης, 前132-63年)は、ローマと戦ったりした王さま!

小アジアのポントス王国は、ローマから見れば、非常に東の方にいた。

テトラドラクマだから、このコインは四ドラクマで、しかもギリシャ語で書いてあり、

紀元前74年に鋳造されたということで、

そういった歴史をラシーヌ(Jean Baptiste Racine, 1639-1699)、悲劇で有名ですけれども、

そのフランス語で書かれたものを、チーニァ・サンティ(Vittorio Amedeo Cigna-Santi, 1725-1785)がイタリア語に訳しまして、

それを台本としてましてということで、

じゃあ、どうして、モーツァルトは、この台本を用いて、音楽を歌劇を書くことになったかと言いますと、

ちょうどロンバルディアは、当時はオーストリア領でしたから。

その地方長官カール・ヨーゼフ・フィルミアーン伯爵(Karl Joseph von Firmian, 1759-82)のおじさんがザルツブルクの大司教だったという、

非常にイタリアと実はオーストリアは、非常に当時、政治的に同じだったから、近かったということで、

(モーツァルト親子が)1770年のイタリアに行った時に、

(1770年3月12日に)その伯爵の家で演奏した時に感激して、

それで注文をもらったということなんですよね。

それでちょうどこの時期にこんなものがあるんですよ!

本当にこのオペラが書かれた頃に描かれたモーツァルトの肖像がありますけれども。

こんなに小さい!当時は(数え年で)14歳(誕生日の少し前にヴェローナ似たと寄った時に描かれたため13歳)だった。

当時これでこの肖像が書かれた頃に作曲を始めて、それでミラノに行くわけですね。(ボローニャで1770年9月29日に作曲が始まり、ミラノで10月18日にリハーサルが始まりました。)

そういった形で宮廷劇場で本人の指揮で演奏されたということで、いつものケッヘル・カタログを見ていきたいと思います!

こういった形で書いてありますね。1770年12月26日でちょうどクリスマスの次の日に演奏されましたけれども、これが序曲でしょ!

今日、聴こうと思うのが、デュエット、二人いますけれども。

Se viver non degg'io(もし私が生きることがかなわなくて)いう、

この素晴らしいデュエットの楽譜を見てみましょう!

こちらなんですけども。

非常にオーボエとホルン二本、それとヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音ですよね!

ちょうどここは四声体になっているということで、

それに管楽器が入っている!

それでこのデュエットがあるということで、

非常に典型的なイタリアのアリアの形ですから!

もう面白い!モーツァルトが14歳で書いたということは、衝撃的でかなりこの作品は初稿が残ってるんですけども、

やっぱりこっちの方が良くなっているんですよ!

実際、現地で歌手と合って、これで色んな注文を受けたりして、

こうしなさい、ああしなさいということで、

このオペラはもう最初に本格的に書いたから、モーツァルトのお父さん、

レオポルドも非常に力を入れましたので、

何回もいろんなところを直して、

結構色んな異稿が残っておりますけども、この実際に決定稿となる前の過程が分かるということです。

それとあとは手紙などでも当時がどうなっていたのかと、

結構、記録魔だったんですよ(笑)

残っているということで面白いですけれども、

これこちらの方がよくなっているということで行ってみましょうか!

行きますよ!

これはイ長調ですよね!!

ホルンが(オーボエを追いかけて)ちょっとを遅れて入ってきた!

ああ、ここも、いいですね!

ここのところで管楽器が入ってくる!

うーんと来ましたね!

ピアノとフォルテ(の強弱表現が見事!)

ああいいですね!優雅で時どき跳躍して上がります!

細かくなった!順次下降で一段ずつ下がっていますね!

ここで(管楽器が見事に)入ってくるんですよ!

それでこっち(ヴァイオリン)に引き継がれて、

おお!歌が入ってくるのを(期待させて、)

おお!入ってきた!SIFARE. Se viver non degg'io(もし私が生きることがかなわなくて、)

ここは細かくなってきて、最初と一緒に合わせると、おお!ここはすごい!Se tu morir pur dei,(あなたもまた死ななければならないなら。)

morir(死ぬ)がすごい(引き延ばされて強調されています)!

ここいいですね!グワーン(とチェロと管楽器が下から)と来た!Lascia, bell'idol mio,(私の美しいあこがれの人よ、)

ああ!ここ(の分散和音で上がり、mora 死を強調するところが)いいです!Ch'io mora almen con te.(せめて私はあなたと共に死にたい。)

しかも、ここ(第23小節)は(ホ長調の)セブンスですよね!

うん、ここ、跳躍、そして滑らか(順次下降で優雅)!Lascia, bell'idol mio,(私の美しいあこがれの人よ、)

ここからもうホ長調になっていますよね!Ch'io mora almen con te.(せめて私はあなたと共に死にたい。)

ここ!いい!(新しいパートが)入ってきました!ASPASIA. Con questi accenti, oh Dio!(そんな言われ方では、ああ、神さま!)

この間奏が入ってくるところがいいんですよね!Cresci gli affanni miei,(私の苦しみは増してゆく。)

この miei(私の)の所が(母音が引き延ばされた上、半音低く入る導音的な感情表現が)良かった!

おお!この(affanni、苦しみで情感が爆発するように急に上がると一気にここで)下がった!

ここで(オーケストラが)ブワーン!ASPASIA. Troppo tu vuoi, ben mio,(あなたは多くを望みすぎる、愛しい人よ!)

ここ(ben mio 愛しい人よ!の三度上がるところの感情表現)もいいです!

(更に高いところから入ってきて感情が盛り上がるところがいいですね。)Troppo tu chiedi a me.(あなたは多くわたしに対して求めすぎる。)

ここでオーケストラと一緒に合わさったでしょ!Troppo tu vuoi, ben mio, | Troppo tu chiedi a me.(あなたは多くを望みすぎる、愛しい人よ!あなたは多くわたしに対して求めすぎる。)

ヴァイオリン1と一緒に(chiedi 求める)が下りて来ました。

ここもいいですね~落ち着きがある!Troppo tu chiedi a me.(あなたは多くわたしに対して求めすぎる。)

ここ!ちょっとヴァイオリン2が動いている!SIFARE. Dunque…(それでは...)

会話になった!ASPASIA. Deh taci.(いいえ、仰らないで下さい。)

盛り上げるでしょ!SIFARE. Oh Dei!(ああ、神さまよ!)

それで答えた!ASPASIA. Deh taci.(いいえ、仰らないで下さい。

(二人が合わさります。)SIFARE. Oh Dei!(ああ、神さまよ!)ASPASIA. Troppo tu vuoi, ben mio,(あなたは多くを望みすぎる、愛しい人よ!)

vuoiとか、mieiとか、(Deiが語呂が良いため、細かく動かされて)強調されているんですよ!SIFARE. Oh Dei!(ああ、神さまよ!)ASPASIA. Troppo tu chiedi a me.(あなたは多くわたしに対して求めすぎる。)

ここから!

変わった!Allegro、ホ長調!

細かくなっている!Ah, che tu sol, tu sei,(ああ、あなただけが、)

同じ旋律がカノンみたいに(お互いに追いかけるように入り混じりゆきます。)Ah, che tu sol, tu sei,(ああ、あなただけが、)

(歌詞と対応して)一緒に合った!Che mi dividi il cor.(私と心を分け合うのです。)

こちら側からきましたよ!cor(心)

また模倣した!cor(心)

どんどん細かくなった!cor(心)

ここの管楽器がいいですね!Ah, che tu sol, tu sei, (ああ、あなただけが、)

一緒にドーンと来た!細かくなった!Che mi dividi il cor.(私と心を分け合うのです。)

盛り上がっていますよね!

それでこれは一緒に息がぴったり!cor(心)

管楽器が鳴って止まりました!Che mi dividi il cor.(私と心を分け合うのです。)

ああ!下がってきた!

細かくなって、全体に来た!

(第95小節)ちょっと短調ぽい!

Barbare stelle ingrate,(情け知らずのむごい星たちよ。)

(第98小節)ここの所はニ長調かな。Barbare stelle ingrate,(情け知らずのむごい星たちよ。)

ちょっと下がってきた!!Ah, m'uccidesse adesso(ああ、直ぐに私は死んでしまいそう。)

ニ長調に行って、イ長調ですね。L'eccesso del dolor!(苦しみがあるから!)

こっちに答えている!Barbare stelle ingrate,(情け知らずのむごい星たちよ。)

ああ!上がった!Ah, m'uccidesse adesso(ああ、直ぐに私は死んでしまいそう。)

L'eccesso del dolor!(苦しみがあるから!)

Barbare stelle ingrate,(情け知らずのむごい星たちよ。)

このヴァイオリン1と2とそれぞれの歌が合っている!ingrate(情け知らず)

ここは非常に(オーケストラが)歌のパートを際立たせるために簡単になっている!

Ah, m'uccidesse adesso(ああ、直ぐに私は死んでしまいそう。)

L'eccesso del dolor!(苦しみがあるから!)

この間のつなぎが良いですね!

Ah, m'uccidesse adesso(ああ、直ぐに私は死んでしまいそう。)

L'eccesso del dolor!(苦しみがあるから!)

Ah, m'uccidesse adesso(ああ、直ぐに私は死んでしまいそう。)

うーん、最後の盛り上げ方がいいですね!L'eccesso del dolor!(苦しみがあるから!)

(オーケストラの間奏から入ってきます典型的な終始です。)L'eccesso del dolor!(苦しみがあるから!)

カデンツァ!

一緒にどんどんどんどん上がっていきます!dolor(苦しみ)

ここで一緒にこだまのように下がります。

一緒に合っていますよね。

これで最後にトリルでオーケストラが入ります。

非常にこういった形でデュオがもう2つの声が対応しあってて濃密でした!

特にこの全体のプランから言えば、

最初のところはゆったりしてて、それで時どき濃縮するところはありますけど、

まあ、ある程度それで線的に動いているんだけれども、

中間部でやっぱり少しずつねつながって来て、

後半部が非常に速くなった!アレグロになって、それで少し転調を起こして、

大体 #の2つ、3つ付いたぐらい、イ長調とニ長調を繰り返したり、

時どき短調ぽいところがボーンと入るけれどもという感じできて、

最後に協奏曲みたいにこんな形でお互いに対応して、合っているところがあって、

そしてずーっと長い難しいパッセージがあって、

これでオーケストラの間奏を入れてから、

最後にもう一回して、今度は細かく散りばめていくんですよね。

実はよく見ると少しずつ入るところがエコーみたいになる形になってたり、

ある程度、これは和声的(ホモフォニック)に縦にきれいにそろうような形になっていたり、

その対位法的(ポリフォニック)な部分と和声的(ホモフォニック)な部分を合わせて散りばめて書いてんじゃないかなということで、非常に規範的な構成ですよね!

こういったパートにしてもそうだし、構造もそうなんですけども、

その中に細かい工夫があったじゃないなと思いました!戻ってみますね!

そういった形で今回もオペラ・アリア!

特に美しくて楽しめたと思います!

今後ともこういった形でなかなか知られていないモーツァルトの珠玉の作品をやってまいりたいと思いますので何とぞ宜しくお願い致します。今回もありがとうございました。

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