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音韻学、漢語の音の世界、音節の構造、方言の種類、楽しんでまいりました。漢字的獨特性系列 Unique Chinese Characters

漢字のユニークさを探究!新たなシリーズ始まりました!漢字の構造を字形、字義、字音から、漢語の系譜を起源からたどります!字幕もぜひご覧くださいませ!暖かいお言葉かけを下さりましたら、SNSでシェアー下さりましたら、今後の制作の励みになります。KF-Ars Sinica、KF-Scholaと併せて、何卒よろしくお願い申し上げます。

2021年10月22日

皆さま、こんにちは!

KF-Ars Sinica(系譜でたどる中華文化)

漢字のユニークさを探求しようというシリーズが続いておりまして、

文字学を長くしてまいりましたけれども。

それから、こちらですけれども。

前回は字義ということで訓詁のことをちょっと基本的な発想をお話しまして、

そして、予告通り、今回、音韻学へ行きましょうと!

こちら側のセクションに入ってまいりましたけれども。

早速ですが、もう、音韻の世界に行ってみましょうかということでして、 こんな画面を用意してまいりましたので見てまいりましょう。

先ず、文字、訓詁の時もそうでしたけれども、

同じく音韻の語源について、我々が今しておりますトピックですから。

上古漢語「音」*qrɯm, *qəm

「韻」*ɢʷɯns, *[m-qʷ]i[n]-s

これから、どういう語源だったかと考えていきたいと思うんですけども。

古くはこの特に「韻」の方は、平均の「均」とか、「韵」と偏の「音」を同じくして旁の方を平均の「均」の旁「匀」を書いたりもしておりましたけれども(今でも簡体字で「韵」です)。

音の調和を表している。この言葉で音が似ているとか、等しいということですね。

まあ韻を踏むというのは、そういうことですけれども。

それで蔡邕さんの〈琴賦〉「于是繁絃既抑,雅韻復揚。」がありまして、

その中でも「韻」いう言葉は、やはり、音楽と関係して出てくるんですけれども。

この音韻学も、今お話したみたいに、等韻学とか、声韻学とか、「音」と「声」は《説文解字》にも同じ意味と書いてありますね。

だから、「音」とか、「声」とか、「楽」とか、音楽や言語に関係している言葉であることが分かってきて面白いんですけれども。

そうすると、このいつもの漢蔵祖語でどれに当たるのか、また調べていきましたら。

そうしましたら、*(k/g)ra! これは「聞く」とか、「音」という意味なんですよ。

それで-nが最後に付いているのは、-mが付いてるとか、これは名詞化の接尾辞じゃないかと(考えられます)!

それでチベット語では、སྒྲ sgra /*zɡra/、ビルマ語ではကြား kra: /t͡ɕá/は、「聞く」という意味でして、

調べていくと、この漢蔵祖語*(g/k)laŋもあるかもしれないなと!これは「言葉」とか、「言語」とか、「音」という意味もあるんですよ!

ボド語glang ~ klang にあるんですけれども、

まあ、関係あるかなと思い、一応置いておきました。

それと「韻」の方のこちらにかなり関係してきたんですけれども。

漢蔵祖語*klwaŋも「(特に音楽を)奏でる」という意味がありまして、

ナガ語khungとか、

タンクル語khongとか、

タマン語¹klaŋとか、

カレン語klânとか、

あと詠嘆の「詠」*ɢʷraŋs, *[ɢ]ʷraŋ-s、口偏に「永」という「咏」で書き方もありますけれども。

これもどうもやはり、「歌う」とか、そういう字です。

結局、音楽に関係して結びついてくることです。

こちらは、まあとにかく、今まとめますとこの「音」*qrɯm, *qəmはこの*(k/g)ra、

もしくは*(g/k)laŋから入ったか、

そして、「韻」*ɢʷɯns, *[m-qʷ]i[n]-sの方は*klwaŋと考えられて、

こちらは「音」とか、「聞く」、

こちらは「(音楽を)奏でる」という方じゃないかと思いましたけれども。

まぁ、「音」*qrɯm, *qəmと「韻」*ɢʷɯns, *[m-qʷ]i[n]-sをよく見ると、やはり、子音の配列(q, r, m/n)がよく似ていて、

同じ音、言葉に違う声符が当たられてこういうこともありますけれども(即ち、「音」と「韻」の語源が別であるように見えながら、漢語の中で混じり合い、分別できなく合流したという可能性があります)。

まあ、 やはり、言語の本質っていうのは、音声の調和、韻ですよね!

音に思いや考えを乗せて伝える。その感情や意思を伝えるのが言語ですから。

言語の音声は、やはり命じゃないかと!

今回は、どう言語の音の世界入っていければいいか、前から考え続けてまいりましたけれども。

そうだ!漢語はこうですというというような、天下り式のお話じゃなくて、

私がある未知の言語を見つけたとき、

それを理解するためには、どのようにするのかという、大きな問いを発して、

それで漢語を見てみたいと思ったんですよ。

また、そこから、どのようにして、

漢字の音を知ることができるのかということにも、

お話がつながってまいりますので、

お楽しみいただけましたらと存じます。

思ったんですよね。

言語学者が、ある未知の言語を見つけました!と言うとき、

先ずは、その言語の何を調べるのか!?

それはいかなる母音と子音を用いているかじゃないかと思ったんですね。

それでこちらのIPA(International Phonetic Alphabet)の国際音声記号の表にありますように、

ものすごい数の音を人は出すことができるんですよ。

でも、意外とある言語では、ものすごく狭い範囲の音が使われているんですね。

そうした特有の音の偏りを調べて、

ある言語が、どのような音で構成されているかを探究する学問が、

現代的な意味で言語学の中にある一部門で音韻学(phonology)と言うんですよ。

それでそれは音楽があらゆる旋法(モード)とか、

音階(スケール)を考えることができますけれども、

民族によって、特色のある配列の音階を用いることに似ているじゃないかと!

例えば、アラビア音楽とか、ペルシャ音楽でマカーム(مَقَام maqām)というのがありますよね。

まぁ、アラビア語で「立つ」の語根(ق و م q-w-m)から来ていて、

「位置」という意味の言葉から来てるんですけども。

極めて豊かな音階や旋法の理論がありまして、

それぞれには、例えば、アラビア半島のヒジャーズ(الْحِجَاز al-ḥijāz)、ペルシアのナハーワンド(نَهَاوَنْد nahāwand)など地名が付いていたり、

古代ギリシア音楽でも、ドリア(Δῶρος > Dorus)、フリギュア(Φρυγία > Phrygia)、リュディア(Λυδία > Lydia)などの地名が付けられていて、

西洋の教会旋法にも影響を与えて、イオニア(Ἰωνία > Ionia)、エオリア(Αἴολος > Aeolus)、ロクリア(Λοκρίς > Locris)みたいに、

まあ、これらは後に付けられたわけですけども。

地名が付くということは、どういうことかといったら、

この音楽はこの音階を使いますよという、これを聞けば、この地方の音楽だみたいだということですけれども。

すごい、やはり、言語と音楽はよく似ておりまして、

人間の思考や感情を伝える媒体として古くありますけれども。

音を聞くと、その地域とか、その文化がイメージできちゃうという、

それが言語の面白さじゃないかと思うんですよね。

そして、一般にある同じ共通の言葉、祖語から分かれた子孫の言語たち、

同じ語族では、やはり、似た発音が伝えられてゆくんですね。

今までも漢蔵祖語とか、お話してまいりましたけれども。

漢蔵祖語とその子孫たちと上古漢語も、その内の一つですから、一緒に見てまいりましたね。

何だか、やはり、似た音が出てきていると!

先ほどもここで色んな言語でお話しましたけれども。

今そうした母音と子音が出てきましたけれども。思ったんですよね!

人間がどのようにして、言葉を発するのか!?

私たちは生まれたときから、おしゃべりをして生きてきましたけれども。

考えてみたら、これはものすごいことでして、

どうして人間が、思考や感情を言語にして、発音して、伝達できるか!?

言語の発音や意味にすごい興味を持ってしまったんですよ!

ですから、人間が言語に用いる音一つをとりましても、

音声学や音韻学など、ものすごい探求の歴史と伝統と蓄積がございまして、

一つの世界をなしているんですよね。

言語の音は、素晴らしい楽しいということでして、私はもう言語を愛しておりますから、それでおしゃべりが大好きですから、

世界の言語を学んでまいりまして、

まあ、今までに100種類以上には触れてきたをかもしれませんけれども。

そして今はKF-Schola(系譜でたどる中華文化)ですから、

中国語の方言に至るまで、その土地の人と同じようにおしゃべりしたいと願っておりますけれども。

人類と愛し合うためには、言語を一生探究してゆき、チャレンジ、そして、もうライフワークじゃないかと思いますね。

それで先ず、漢語や中国語、英語や日本語というような、

特殊な状態、個別の言語から、より一般に言語学で音声や音韻が、どう捉えられているかということを考えてみたいと思ったんですよ。

そもそも、人類が言語を内省するきっかけとなりましたことは、

やはり、文字の誕生ではないかと思いまして、

人類がどうして言語を表記したのかという、

前に六書の仮借をいたしました時に(古い動画を見て頂きたいと思うんですけども )。

文字の発展を概観しましたけれども。

言語の音声を文字で書くには、実は言語の音に対する理解、

それどころか、音声や音韻そのものに対する理解がなければ、達成しえませんから、

言語と文字のデュアリティが、モットーでしたけれども。

その観点からも興味があるんですよ!

そして、人間がどのようにして、

言語と音声を考えてきたのか、

もう、文字の起源から振り返ってみたいと思ったんですよね。

転注のときにそれをお話しいたしましたけれども。

併せて見て頂ければと思うんですけれども。

最初は絵文字から、シュメールの楔形文字やエジプトの神聖文字(ヒエログリフ)、

古代中国の漢字の祖先(特に象形字や指事字)、我々が今見ております。

特に六書で取り上げましたけれども。

象形字や指事字などが発展しまして、

最初は、言葉に図形を当てて書いたんですよね。

そこから段々とどうも言語の意味ではなくて、

音を書いているじゃないかと気が付いた人がおりましてね。

絵文字(ピクトグラム)から、表語文字(ロゴグラム)になっていって、

更に一般化されていって、表音性が高まりまして、

表音文字に段々と移行して、それはどういうことかと言ったら。

更に細かく徹底していって、音そのもの、音素と言いますよね。

そこまで分析されて、言語の子音が認識されて抽出されて、

そして、バビロニアの楔形文字から、ウガリット文字、エジプトの神聖文字から、原シナイ文字など、

言語の音を符号にして抽象化して、子音文字(アブジャッド)が誕生しました。

それでその中でも、特にフェニキア文字やアラム文字など(が書かれた)、 セム語というのは、子音を語根として、母音が少ないんですよね。

それがユーラシア大陸の真ん中から、東西南北に広がりましてね。

それで特にそれを受け取ったギリシア人は母音を書きたいと思っちゃった。

そして、いくつかの文字を母音に転用して、

アルファベットが誕生したっていうことな
んですね。

そして、別の作戦をとった文字もありまして、

インドのブラフミー文字やカロシュティ文字、エチオピアのゲエズ文字など、

音素音節文字(アブギダ)、それはどういう作戦を取ったかというと。

子音文字(アブギダ)、子音しか書かない文字に母音を注記させた内蔵させた表記体系にも発展したわけです。

そして、エジプトの神聖文字から、直接メロエ文字というのもありますけれども。

それも同じように発達したんですけれども(即ち、ヒエログリフから子音を抽出して、母音を注記して内臓させてアブギダをなしました)。

以上が音素を書くため、音素文字と言います。

ところが、日本語の仮名やギリシア語の線文字Bなどは、音節文字と言われまして、

日本人は漢字から音を抽出して、仮名を作りましたけれども。

音節くらいの母音と子音のまとまりを書いていますよね。仮名は!

それでよく考えてみますと、今までで、じゃあ、今ダーッときましたけれども、

最も音を細かく分析して書いた表記体系は、何だと言いましたら、

音素まで分析されて書けました音素文字になりますけれども、

中でも母音と子音まで書き分けた、ギリシア人が発明したアルファベットが、

最も細かく音を書き分けまして、エトルリア文字を介して、ローマ人のラテン文字になりまして、それが西欧で使われまして、

今でもここにありますような、国際音声記号(IPA)も、そのラテン文字を原型としており
まして、

更に細かく書き分けるように工夫されているんですよ。

ところで細かく書き分けるには、もう一つ、大切な原理があるんじゃないかと!?

それは何かと言いましたら、

それは人間の言語の音声に対する深い理解じゃないかと思ったんですね。

ちょっとお伝えしなければならないことがありまして、

今まで伝統的な用語である訓詁学(semantica)に対して、

音韻学(phonetica)と同じ韻を踏んだラテン語semantica/phoneticaを当ててきましたよね。

前から私、実は気になっていましてね。

厳密に言えば、英語で音韻学(phonology)はと言いますから、ラテン語で言うとphonologiaですよね。

そして、英語で音声学(phonetics)ですから、ラテン語でphoneticaに当たるんじゃないかと(まあ、現代まで音声学と音韻学の区別が明確でないため、あながち間違えではないですが)!

今、二つ出てきましたけれども、

音韻学とじゃあ音声学は、何で分けなきゃいけないんだということなんですよね。

それは異なる観点から、言語の音が研究されてきたんですよ。

例えば、ソシュールさんの《一般言語学講義(Cours de linguistique générale)》という名著がありますけれども。

彼が言ったのは、ラング(langue)は音韻論、パロール(parole)は音声学、

そういった学問が扱う分野だと区別したんですよね。

即ち、言語という体系をラング、発話という現象をパロールをきちんと分けたんですよね。

実は更にアイディアを溯って、私が調べ上げると、

ボードゥアン・ド・クルトネ(Jan Baudouin de Courtenay, 1845-1929)という言語学者が、

私たちがずっとしてまいりました形態素、言葉の一番細かい、

これ以上切り刻めない所まで行きます。

それと、音素、音価のアイディアを考えて、

結果として音声学と音韻論の区別がなされたんですけれども。

実はソシュールの著書で有名になってしまったんですけれども、

ラングとパロールのアイディア、 そのものすら、

ボードゥアン・ド・クルトネさんに遡りまして、構造主義言語学とい(Иван Александрович Бодуэн де Куртенэ (1881). Некоторые отделы «сравнительной грамматики» славянских языков, Варшава: Русский филологический вестник; Edward Stankiewicz (1972). A Baudouin de Courtenay Anthology: The beginnings of structural linguistics, Bloomington: Indiana University Press.)う分野の陰の立役者と言えるんですけれども。

そして、プラハ学派のトルベツコイ公爵の《音韻論要理(Grundzüge der Phonologie)》という名著を書きまして、 形態音韻論(morphophonology)を構想したんですけれども。

実は印欧祖語など、最初に比較言語学を研究してきた言語学者たちは、

今からみたら、文字同士の比較をしていて、言語の音声と音韻の区別は明瞭にできていなかったんですよね。

今、言った人たち(ボードゥアン・ド・クルトネやトルベツコイ侯爵など)が出てきてから、バンヴニスト(Émile Benveniste, 1902-1976)さんやコセリウ(Eugenio Coșeriu, 1921-2002)さんなど、

フランスやロシアや東欧などの独創的な言語学者たちに受け継がれていったんですけれども(Émile Benveniste (1966/74). Problémes de linguistique générale, Paris: Gallimard; Eugeniu Coșeriu (1985). El hombre y su lenguaje: estudios de teoría y metodología lingüística, Madrid: Gredos.)。

今まで出てきました音韻論と音声学はどう違うのかと言いましたら、

音韻論とは、ある言語が持つ、どのような音(母音や子音)が用いられているかというシステム、

ある言語の音の構造の全体を知りたいという探究であるのに対して、

音声学とは、そもそも人がどのようなメカニズムでどのような音を出すのかを掘り下げてゆく探究なんですよね。

これらは異なる切り口ですよね。

音韻論は、ある言語の中での全体を見たい!

だけれども、音声学は、純粋に音、音声(sound)に興味があるわけです。

私はこう思っているんですよね。音韻論は相対的で、音声学は絶対的じゃないかと!

実は結構、音素(phoneme)は幅が広くて、

色んな音声、単音(phone)が入っていまして、それに異音(allophone)が含まれているんですよ。

それはどういうことかと言いましたら、

音素(phoneme)は形態素(morpheme)より、言葉の一つができているよりも、更に細切れの単位ですよね。

その言葉として認識されるよりも、小さく純粋に音を捉えてますけれども、

物理学で言うと、物質/元素を構成する原子核よりも、小さな素粒子を考えるみたいですね。

更に厳密に言うと、音素には、いくつかの音価/単音(phone)や異音(allophone)が含まれていまして、

即ち、音価とは、かなり厳しい!

もう、絶対的な、もうこの音(sound, phone)ですが、

音素はある言語において、 音素とは、ある言語において、もう少しストライクゾーンが広くて、

発音の上では異なる音(音価)でも、 言語としては、同じ音(音素)として聞こえてしまう、認識されてしまう、

ある言語で言葉を聴き分けるのに必要ないくらい細かい音の違い、音価がありますけれども。

もう少し広く音素の中に収まっているということで、

そういうことに気づいた人が、

音声学者の音価がありますが、ヘンリー・スウィート(Henry Sweet, 1845-1912)さんという人は、

精密表記([])、「狭い(narrow)」という言葉を使いました。今でも使っていますけれども、それで音価を書いたわけですよ!

そして、簡略表記(//)と言いますけれども、簡単に書いた。「広い(Broad)」と彼は言いました。

それで今でいう音素を書き分けて、音素が言語で機能していると考えたんですよね!

彼はもともとイギリスの英語の発音、RP(Received Pronunciation)とよく言いますよね。

容認発音と言われるイギリス英語ですよ!

それを記録したいという実践において、

そうした言語において音声がどのような役割を果たしているかにねやはり気づいたのではないか(Henry Sweet (1877). A Handbook of Phonetics, Oxford: Clarendon Press.)!

また、別の見方をすれば、音価が集まって、音素になり、

音素が集まって、音韻ではないか!

これはある言語では、どういう音素かもしくは、

もう少し細かく分けて、先ほどお話した音価で構成されているかでもあるわけですし、

今までしてまいりましたように、一つの言葉がどのような音の集まり、固まりで成り立つのかと、

今度は言葉に注目しましたら、厳密に言えば、形態素がどんな音素の集まり、まとまりで成り立つのか、

先ほどやりました。この子音と子音が一緒でこれとこれの言葉がこうなんじゃないのみたいな考察を「音」と「韻」でこちらでしましたように、

それを今ちょっと概念的に話したんですよ。

それで平たく言えば、どんな音が連なりまして、語ができるのか。

単語ができるのか。

それがどういう意味を持ちえるのかということですよね。

音そのものは意味を持ちませんけれども、

音と音のつながりやまとまりが、単語の中で形態素をなしてるという、

単語として見たとき、形態論をなしているし、

言語の中で見たとき、音韻論をなしているというようなことを感じておりまして、

特に音素の配列で語源を当てていく方法は、印欧語族では、ポコルニー(Julius Pokorny, 1887-1970)さんがしまして(Julius Pokorny (1957/69). Indogermanisches etymologisches Wörterbuch, Tübingen–Bern–Munich: A. Francke.)、

漢蔵語族では、今までよく出てきましたけれども、マティソフ(James Alan Matisoff)さんたちのアイディアなんですよ(James Alan Matisoff (2003). The Tibeto-Burman Reproductive System: Toward an Etymological Thesaurus, Berkeley: University of California Press.)。

今までのお話では、言語の音、音声(sound)のうち、

音価(phone)、音素(phoneme)、

それと音韻(phonology)の区別がつけたかったんですよね。

こうした言語の音の世界にも階層があるということは、

それは物理学とよく似ているんじゃないかと。

素粒子があって、原子核があって、元素があって、物質があるみたいな、

小さいところから、どんどん、どんどん、それがまとまっていって、大きい世界になりまして、それぞれに学問があるわけですよ!

物理学の中でもサブジャンルがあるんですよね!

ですから、何だか似てるなと思ったんですけれども。

今度は、じゃあ、どのようにして、

人類は言語の音声を探究したかですよね。

これは音声学の歴史に入ってまいりましたよね。

人間が話す言語の音に最初に興味を持った人たちとは、

古代インド人のヴェーダ語やサンスクリットに対して、

ものすごい精密な観察をしましたインド人の音声学(śikṣā)は、

ヴェーダやウパニシャッド(ヴェータンタ哲学)などがありますけれども。

彼らは経典を文字ではなく、先祖代々ずっと口伝してきたんですよね。

パンディッタ(paṇḍita)という知識人たちがいまして、

前回にお話をしました言語の形態論や意味論に関する観察なども、

既に紀元前のインドでパーニニ(Pāṇini)さんが、文法学(śiṣṭa)をしまして、

ものすごい音韻論とか、統語論とか、言葉や文章の生成と運用に関して、

実に恐るべき洞察を披露しておりまして、

また、5世紀頃、1500年前と言えば、結構、最近かな!

バルトリハリ(Bhartṛhari)さんが、文法学(vākyapadīya)を精密化して、

ある言葉がどうしてそうした意味を持ちえるのかということまで思索を拡げてきたのですけれども。

インドの音声学は、 驚愕の精密さでして、

声帯がちょっと開いて、息漏れがしているような、ささやき音まで、異常な観察力を示しておりまして、

ヴェーダ語やサンスクリットは、ものすごい長い間、文字に書き起こされなかったんですけれども。

ものすごい正確に伝えられて、

最も印欧言語の中で古い形を残していて、

インド人は恐るべしということですけれども。

やはり、インドの音韻学、文法学、論理学などは、

仏教と共に西域から中国にも伝わって、

これから見てゆきたいと思います反切の整備とか、

こちらにあります韻書を構成する中で音韻学ができますけれども、

特に韻図といいまして、これから見ていきたいと思うんですよ。

等韻学に実は結構、影響を与えているんですよ。

現代の言語学や音声学、特に今からこれ見ていきたいと思う、

国際音標、国際音声記号の基本の発想である調音音声学、そこまで古代インドから引き継がれています。

調音音声学とは、何かと言いましたら。

肺とか、喉とか、口とか、唇とか、

そうした部分、調音器官と言いますけれども。

それらをどのように使い、どのような音を出すのかという探究ですよね。

人間が言語で使う音を出せるメカニズムの探究!

まあ、音声学は、実際に実践をすると分かりやすくていいんですよね。

キャットフォード(John Cunnison Catford, 1917-2009)さんが書いた《実践音声学入門(A Practical Introduction to Phonetics)》が名著ですけれども。

まあ、先ずは音を聞いて、どうしてそういう音が出るかという、メカニズムを考えまして、

どのように息を出すのか、肺とか、喉とか、鼻とか、口とか、舌とか、歯とか、唇とかをどのように使うかということを味わう、深く考えることをするんですよね。

それから、実験(experiment)!

それで実際に得た方法で試してみて、

本当にその音が出るかということを確かめるんですよね。

それを体に覚えさせて、それでまた最初に戻りという、それ何度もループのように繰り返して、

出したいこの音、音声をできるだけ純粋に出せるように精度を上げてゆけるじゃないかと。

まあ、音楽の楽器の練習に似ているじゃないかということですね。

人間の身体も、やはり楽器じゃないかと思いますけれども。

それで思ったんですよね!

人間が音声を発するには、三つの段階があるんじゃないかと!

それは始動、最初の部分、

それと発声、声帯の部分、

それと後の上の部分、口までパイプみたいにつながっているところで調音をする。音を調える。

それはどういうことかと言いましたら。

人は肺から息を出しまして、喉、鼻、口、舌、歯、唇などにおいて、声の通り方を変えて、音を作るんですよね。

それらを発声器官と言いますけれども。

肺蔵から空気を放出して始動して、

声帯が振動して発声して、

声門、鼻腔、口腔を空気が通過するときに阻害をして、調音をして、発声をするということですね。

最初は日常会話の言葉で言って、

次は音声学でよく使う言葉で言いましたけれども。

母音(vowels)とは、ここに書いてありますよね。

これは喉を通ってから、口や鼻の中を流れてゆく息がどこにも阻害されないで出ていく音、 そのまま流れていく!

今ここにありますね。IPAのチャートでは、

前(front)、中(central)、後(back)と書いてある。

これは舌の盛り上がる位置を横軸で書いていて、

そして、縦軸のここに閉(close)から開(open)まである。

これは唇が縦に開いた距離なんですよね。

それとこの左右に一つずつある。

これは何かと言いましたら、

口の丸まりなんですよ。

即ち、 横軸というのは前舌(front)、前の方に舌があるのか。

それかもしくは後舌(back)、後ろのほうに舌があるのか。

そして、 縦軸は、口広(open)なのか、口狭(close)なのかという、

そういうことなんですね。

それで左右に2つあるのが、唇を丸める方が、右、uが一番分かりやすいですよね。u/ɯ 唇を丸めるのが右側(u)、

丸めてない(ɯ)、そうでない左側という、

そういうことでありまして、

唇は丸いのか、緩めるのか、

緊張しているのか、緊張してないのかということですけれども。

母音とは、その三つのパラメーターからなりまして、口や唇の周りの筋肉をよく使うんですね。

舌の盛り上がる位置で横軸がここに書かれていますけれども。

実は舌が上がってくる場所は一番狭くなるわけですから、

口の中でその口の天井(口蓋)、口の蓋と下の隙間の形が空気の通路や共鳴をする空間となって大事なんですね。

それで、子音(consonants)とは、ここにいっぱいあります。

これは空気が通るのを邪魔して出されたり、

気圧が変えられたり、

声帯が震えたりして出る音ですけれれども。

ですから、喉とか、舌の筋肉をよく使います
ね。

つまり、このIPAのチャートにありますよう、

横に書いてあるのは、両唇音(bi-labial /baɪˈleɪ.bɪ.əl/)、

これはbi、2つの、ラテン語で唇です。

両唇音、唇が両方とも使われます。

次のこれは唇歯音(labio-dental /ˌleɪbi.əʊˈdentəl/)。

これは唇と歯ですから、

それが両方がかみ合っているとき。

そして、次が歯音(dental /ˈdɛntəl/)、

これは歯医者さんではなくて、

歯音ですね。まあ、ラテン語でdensです。まあ、サンスクリットでもदन्त dánta(印欧祖語*h₃dónts)ですね。それはいいとしても。

歯のところに舌を当てます。

そして、次の歯茎音(alveolar /ælˈvɪələ/)。これは歯茎の所に舌が当たっている。

そして、更に後ろに行きまして、

この後部歯茎音(post-alveolar /ˌpəʊst.ælˈvɪələ/) 後(post)にしている!

もうちょっと後ろだと。

そして、更に行くとそり舌音(retro-flex /ˈɹɛt.ɹəʊ.flɛks/)。

これは舌がこうやって、今なってますけれども。そり舌で後ろに舌が丸まってる!というより、後ろに舌がちょっと来ている!

そして、更に硬口蓋音(palatal /ˈpælətl̩/)は、口の上側の硬口蓋、硬い口の蓋ですよね。

更に後ろに行くと、軟口蓋音(velar /ˈviːlə/)。これは軟口蓋ですよ。

もう更に後ろには柔らかい部分があるんですよ。

口の中で手を突っ込んでみると、手前の所は結構、硬いんですよ。

もう口に手を突っ込んでやっているんですよね。

かなり、やわらかい所が奥にありますという感じになりますけれども。

更に後ろに行くと口蓋垂音(uvular /ˈjuː.vjʊl.ə/)は、口蓋垂ですから、これは喉チンコ。

更にこの咽頭音(pharyngeal /ˌfærɪnˈdʒiːəl/)、これはギリシャ語で喉(φάρυγξ > pharynx)ですから、咽頭音、喉。

そして、更に声門音(glottal /ˈɡlɒt.l̩/)。これは声門まで行くわけですから、

これもギリシャ語(γλωττίς > glottis)ですね。

大体、解剖学の用語を使ったわけですけれども。

唇から喉の奥の方まで音が整えられる場所、 調音部位と言いますけれども、

どんどん後ろに行くんですよね。

こちら(IPAのチャート)に行きますと右側にどんどん行くことに。

それで(音の)出し方の種類が縦にありまして、

この最初のところ、

今度は縦軸にいきますよ!

破裂音(plosive /ˈpləʊsɪv/)、これは破裂すること!

そして、次は鼻音(nasal /ˈneɪ.zəl/)、これは鼻(nasus)。

本当に鼻腔の方に空気が抜ける!

そして、ふるえ音(trill /tɹɪl/)、震える、ぶるぶる。

そして、次ははじき音(tap /ˈtæp/、flap /ˈflæp/)、これはパンパンと舌を弾く!

そして、摩擦音(fricative /ˈfɹɪkətɪv/)、これは多いんですよ!全部揃ってる!

これは摩擦するという意味ですね。

摩擦音が多い!

そして、 側面摩擦音(lateral fricative /ˈlæt.ɹəl ˈfɹɪkətɪv/)、これは更に側面(lateral)は脇(latus)です!

それは舌で通路を遮ると、その横を右と左にシューと息が抜ける。

それぐらい結構、気密性が高くなってきた!

そして、次のこの接近音(approximant /əˈpɹɒksɪmənt/)、これは接近している。

そして、側面接近音(lateral approximant /ˈlæt.ɹəl əˈpɹɒksɪmənt/)、側面にもやはり接近音があると!

舌の横から出るなどがありますから、

これ見ますと摩擦音(fricative /ˈfɹɪkətɪv/)がめちゃくちゃ多いんですよ!

本当に横にズラーと全部あります!

そして、縦で見ると、この歯茎音(alveolar /al.ˈviː.əl.ə/)を歯茎の所(に舌を当てて)出す音が多いんですよね。

ですから、この辺が人間は口の中で音を出しやすいということは分かると思うんですけれども。びっしりありますから!

抜けている所は出しようがないというところですね。

左右に二つありますのが、

有声と無声でして、声帯が震えているか、震えていないかです。

震えているとするとブーとバーブレーションをする音が混じるか混じるんですね。

ブーという音が混じるわけですよ!

声帯がブーとなっている音が混じるか、混じらないか、

日本語では金(gold)は、無声(き​ん /kíꜜǹ/ [kʲĩɴ])、銀(silver)は、有声(ぎ​ん /gíꜜǹ/ [ɡʲĩɴ])でちゃんと区別を付けなきゃいけない!

この二つの言葉は無声(き​ん /kíꜜǹ/ [kʲĩɴ])と有声(ぎ​ん /gíꜜǹ/ [ɡʲĩɴ])で重要です!

日本語ではですけれども。

今度こちら補助記号(diacritics)があるんですけれども。

まぁ、いっぱいあるから、ここの所は漢語に関係する所でサッと行きましょう。

ここに今ありました、そうすると、無声音(◌̥ voiceless)がありまして、有声音(◌̬ voiced)でして、

実は今お話したことと同じでして、 実は m とか、n とか、 l に結構よく付くんですよね。

ここ(右)に書いていないですから、これに無声化したm, n, lがないから、 これ(◌̥ )をmに付けるということをやっちゃうという、nもそうですね。あと l もそうですね。

上古漢語やビルマ語ではありますね。

そして、漢語で最も大事なのが、

この3つ目の有気音(◌ʰ aspirated)、

これはラテン語で息(spiro)、本当に有気音ですよ!

無気音の区別がすごい大事なんですよ!

これからやっていきますけれども。

それとこちらの音節主音(◌̩ syllabic)と音節副音(◌̯ non-syllabic)は、

稀に精密に書きたい時に付ける場合があります。

音節の主要な音か、音も固まり中でその音がピンと出てるのか、

これは違うよ、関係ないよ、と見せたい時に使われますね。

あと、次の巻き舌(rhoticity)は、

北の方の漢語で巻き舌、

児化音(érhuàyīn)と言いますけれども。

児化(érhuà)は、今やりましたよ。

児(ér /ˀɤɻ ~ ɚ³⁵/)、 これは巻き舌になってる音でして、

例えば、「哪裡」(nǎlǐ /nä²¹⁴ li⁴/)、これは「どこですか?」、それに対して、北の人は「哪兒」(nǎr /nɑɻ ~ nɚ²¹⁴/)になっちゃうわけです。

それのこと言ってますね。

そして、上古漢語には、この「w」で書いてある唇音化(◌ʷ labialized)、この子音にはちょっと唇の音が入ってきてるとか、

あとは咽頭化(◌ˤ pharyngealized)、喉の頭の所で出しちゃっているなとか、これは使うこともあります。

これらは、今言ったようなある子音に対して、ちょっとこういう効果があるんだよと、

そして、こちらの鼻音化(◌̃ nazalized)、これは鼻の方にちょっと抜けるという。

そうした補助記号は、単独ではなくて、ある子音が、今のような効果を受けるよねというときに書きたいということなんです。

ところで、先ほどお話ししましたよう、

子音文字(アブジャッド)のアラビア文字は、子音しか書けないため、母音が書けない!

母音がないとやはり、意味が変わってしまい困ったことになりまして、

7世紀頃の詩人アブー・アル=アスワド(أبو الأسود الدؤلي ‎→ أَبُو ٱلْأَسْوَد ٱلدُّؤَلِيّ ʾAbū al-ʾAswad al-Duʾalīy, 603-689)さんが、

母音の補助記号を書き入れたいと思ったんですよ。

そのときに彼が書記に、今から《クルアーン(قرآن qur’ān)》、 イスラム教の重要な聖典を朗唱するから、

口や唇の形をしっかり見て、記号を書き入れなさいと言った伝承がありますけれども。

口を開けたら、字の上に点を打ちなさい、今の言い方をすれば、口が開いているaですよね。

そして、口を閉じたら、字の前に点を打ちなさい、今の言い方をすれば、口が閉じているiですよね。

そして、口をすぼめたら、字の下に点を打ちなさい、これはuですよね。

だから、アラビア語は基本的に3つ(a, i, u)しかないんです!

基本的にこの三角形のものすごくシンプル!

それでここで分かることは、母音は唇に関係している。

そして、口の開け方に関係してるんじゃないかと!

やはり、アラビア語は、極端に母音が少ない言語でして、

単母音は3つ(a; i; u)しかないわけでして、この三角形の図で一番離れた母音で(それらの長短しかないですが、)

日本語には5つ(a; i; u; e; o)ありますよね。 「あいうえお」がありますけれども。

実は唇が丸いか、緩むかとか、そういう母音を加えて考えていくと8つ(ä; i̠; u̜, ɯ̹; e̞, ɛ̝; o̜̞, ɔ̜̝)くらいあるんですよ。

日本語でも、文字では5つしか書き分けていませんけれども、色んな状態のときに(8つほどあります。)

それで英語には、母音が少なくとも14つ(a, ɑ, ɒ, æ, (ä, ɐ,) ɛ, ɜ, ʌ, ɔ, e, o, ɪ, ʊ, i, u)ありまして、

そして、フランス語には、12つ(a, ɑ, ɛ, œ, ɔ, ə, e, ø, o, i, y, u)ぐらいあると言われていまして、

そして、鼻母音が4つ(ɛ̃, œ̃, ɑ̃, ɔ̃/õ)あります。

男性名詞に付く不定冠詞(un /ɛ̃/)とかがありますから、

厳密には、アラビア語も、日本語も、英語も、フランス語も、

それに前後の関係でもっと母音が多くなりまして、

先ほどに言いました、音素は少なくても、

その中に音価が多くあることです。

基本母音以外の少しずれた母音たち、

即ち、別の母音や子音と連結されたときに影響を受けて、音が変わりまして、

言語の音にやはり自然さと深みが出て来ますから、結構で基本母音ばかり考えられていたりしますが、その変化を受けたということは、すごい大事なんですよ!

自然な音にしてゆくためには、

ですから、意外とネイティブでその言語をしゃべってる人も、気づかないうちに結構な種類を発音して使ってるということでして、

そう考えてみますと、面白いですよ!

今までそんなに音声学に触れなければ、自分がしゃべっている言葉が、どうだと細かく見ていこうとしないわけですから、

一つの面白い世界と思いますけれども。

まあ、今世界の言語に吹っ飛びそうでしたけれども。

こちらはKF-Ars Sinicaでした(笑)

ですから、漢語、中国語について考えてみました!

今のことと同じく、私は徹底して現代漢語の母音の数を調べてみたんですけれども、

思った以上に大変でして、

実はものすごい数の方言の種類や時代の差でも、微妙に違いましたり、

数え方にもよっても、結構違いますから、

まあ、目安として考えていきたいと思いますけれども。

一般にいう「中国語」というのは、

北方の官話、北方官話、ここに書いてあります(また、それを純粋にした「普通話」(pǔ tōng huàです)

緑の結構ブワーっと広がっています。

まぁ、一般にはこのあたりにあるんですね。

基本の母音には、6つ(i [i]; ü [y]; u [u]; e [ɤ]; a [a]; o [ɔ])の音素があり、

それらは拼音(pīnyīn /pʰin⁵⁵ in⁵⁵/)という表記に対応しているんですけれども。

実はものすごい数の音節の中で前後の音に影響を受けまして、

異なる音を微妙に区別すれば、厳密には13つ(i; y; u; ɤ, e, ɛ, ə, ɚ; a, ɑ; ɔ, o, ʊ)の音価がありました!

そのぐらい使ってんだと!

そして、 拼音は音素を書いてますね!

音声記号のIPAも簡略表記は折衷して書いていますけど、

精密表記は音価を書いていますけれども。

ですから、 拼音は6つ(i [i]; ü [y]; u [u]; e [ɤ]; a [a]; o [ɔ])を区別できて書けます。

そして、IPAは13つ(i; y; u; ɤ, e, ɛ, ə, ɚ; a, ɑ; ɔ, o, ʊ)、もちろん全部を先ほどの方式で書いてゆけるんですよ!

それぞれの方言に全部、興味がいってしまって調べてみたんですよね。

他の方言、こちらにある、一般的には、官話に入れられてしまいますけども、

晋語はやはり6つ(i [i]; y [y]; e [ɤ]; a [a]; u [u]; o [o])あるんですよ!

そして、鼻母音が7つ(ĩ; ỹ; ə̃, ɛ̃; ɒ̃, æ̃; ũ)ありますね。

厳密に言うと、18つ(i, ĩ; y, ỹ; ɤ, e, ə, ɚ, ə̃, ɛ̃; a, ɐ, ɒ, ɒ̃, æ̃; u, ũ; o)もありました。

そして、上海とか、蘇州とか、杭州あたりのこの呉語は、9つ(i [i]; iu [y]; e[e]; eu [ɜ]; a [a]; au [ɔ]; u [ʋ]; oe[ø]; o [o])で書かれますけれども。

鼻母音も2つ(ã, ɑ̃)あって、厳密には20つ(i, ɪ; y, ʏ; e, ə, ɛ, ɜ, æ; a, ɑ; u, ʋ; o, ɔ, ø, ɵ, ʊ; ã, ɑ̃)もあったんですよ!細かく見ると!

そして、贛語は6つ(i [i]; y [y]; e [e]; a [a]; u [u]; o [o])ありまして、

厳密には12つ(i, ɨ, ɹ̩; y; e ə, ɛ, ɵ; a; u; o, ɔ)ありました。

そして、お隣さんの湘語は、8つ(i [i]; y [y]; e [e]; a [a]; u [u]; o [o])ありまして、

鼻母音が4つ(ẽ/ɛ̃, ǝ̃; ã; õ)あって、厳密には20つ(i, ɪ, ɹ̩, ɻ̩; y; ɤ, e, ẽ/ɛ̃, ə, ǝ̃; a, ã, ɒ, æ; u; o, õ, ɔ, ʌ, ʊ)もやはりありました!

そして、こちら閩語も6つ(i [i]; e [e]; o [ə]; a [a]; u [u]; o͘ [ɔ])ありまして、

鼻母音が5つ(ĩ; ẽ; ã; ũ; ɔ̃)ありまして、厳密には14つ(i, ĩ, ɪ; e, ẽ; ə; a, ã; u, ũ; ɔ, ɔ̃, o, ʊ)ありました。

そして、客家語、客語は6つ(i [i]; e [ə]; ê [ɛ]; a [a]; u [u]; o [ɔ])ありまして、厳密には10つ(i, ɨ; ə/ɤ; ɛ, e; a, ɑ; u; ɔ, o)ありました。

そして、広東語、粤語は8つ(i [iː]; yu [yː]; e [ɛː]; oe [œː]; a [ɐ]; aa [aː]; u [uː]; o [ɔː])あるということで表記されていますけれども、

厳密には13つ(iː, ɪ; yː; ɛː, e; œː, ɵ; ɐ; aː; uː, ʊ; ɔː, o)あるんですよ!

そして、その今の言語たちの先祖に当たります中古漢語の母音は6つ(i [i]; y [ɨ]; u [u]; e [e]; a [ɑ]; o [o])あると考えられておりますけれども、

厳密には(音節の中で)9つ(i; ɨ; u, ɰ; e, ə; a, ɑ; o)ありました。

そして、更に時代の遡る上古漢語の母音は、李方桂さんは7つ(*i; *iə; *ia; *u; *ua; *ə; *a)、

鄭張尚芳さんは6つ(*i; *ɯ; *u; *e; *a; *o)、

Baxter-Sagartさんは6つ(*i; *ɨ > *ə; *u; *e; *a; *o)と考えまして、

まぁ、今は一般的には、上古漢語の母音は6つということで落ち着いてはいますけれども。

驚いたのは、客家語はすごく、今でもきれいに中古漢語や上古漢語に対応しているんですよね。

客家人たちは、古い言葉を伝え続けてきたのは、どういう事かと言いましたら、

本当はこの人たちは北の方に住んでいたんですけれども。

北から異民族がやってきたときに、もうおっかにないってことで南の方にどんどん逃げていった。

福建省や山東省の山奥に逃げ込んで生き延びてきたからかもしれませんけれども。

結構、(言語も)古風だと!

そして、 閩語もかなり古い形をとっておりました。鼻母音があったんですね。

調べてみて、驚いたのは、贛語は、結構古い音の母音の母音の体系を継いでいるかもしれないと思って分かって、意外だったんですよね。

そんな感じで、今までは、音声学にものすごい熱を入れて語りましたけれども。

これから見ていきたいことは、

伝統的な音韻学、端的に言ってしまいましたら、

今までお話ししてきた上古漢語、中古漢語がどのようにして、再構されてきたのかですよね。

これから、その先人たちの挑戦と発想をやはり見てゆきたいと思って戻ってみましょう。

実は漢字は困ったことに、音素を書いていないんですよね。

即ち、音の固まりである音節までしか書いていないため、

実際の発音はもうミステリーなんですよね。

でも、実は悪いことばかりじゃないんですよ。

今、見てきましたよう、漢語がどんどん方言に分かれて、もうお互いに外国語みたいに違ってしまっても、

漢字で書いてあれば、言葉と一致が取れますよね。

逆にヨーロッパの言語は、音素で古い時代に書かれた英語とか、フランス語は発音とものすごいズレが生じています。

これはすごいことでして、ヨーロッパでは、もう言語が異なって、国家も異なり、バラバラになってますけれども。

中国が秦漢からくっついたり離れたりしていても、

同じアイデンティティを保ちながら、全体で統一が取れてきましたのも、

実は漢字の性質や威力に関係があるんじゃないかと考えておりますよ。

そういう良いこともあるんですよね。

そして、もう既に漢の時代の人たちは、音を書きたいときに、

最初にここにありますように、《説文解字》で読若「~の若く読め」と示しまして、

つまり、《説文解字》は「森」の音を知りたい!

そうしたら、ここに書いてあるのが、「読若」、じゃあ、何のように読むのか!?

孔子の弟子「曾子(そうし)」とおりますよね。

その人の名前、「曾参(そうしん)」さんと日本語でも読みますけれども、

日本語でも、参加の「参」と「曾参(そうしん)」さんの「参(しん)」を読み分けていて、

許慎さんは、いつもかなり微妙な字例を出してきているんですけれども。

中国語でも参加の「参」cānですよね。「曾参(そうしん)」さんは「参」shēnですよ。

ですから、ここを見ましたら、音を書いておきましたよ。

「森」と「参」の上古漢語の音は、「森」*srɯm, *s.rəmと「参」*srum, *srumで非常に近い。

だけれども、ちょっと違う(ɯ/ə:u)!

だから、音を今、示してるけど、

完全に一致はしてない!でも、似ている!「森」*srɯm, *s.rəm、「参」*srum, *srumということはありますけれども。

そして、こちらの直音も、殆ど同じ考え方です。

これは名前が違うだけかな。

音が同じのより身近な漢字で説明、直に音で示すから「直音」ですけれども。

前に訓詁で出てきました。

漢代から魏晋の学者たちが、註釈でよく使ったんですけれども。

ここでは服虔さん(*bɯɡ gren, *[b]ək [ɡ]ra[n] > bɨuk̚ ɡˠiᴇn > fú qián)が、司馬遷の《史記》に註釈したものですけれども。

これなんて読むんだと言った時に、注釈「山名,在常山,今爲縣,音刑。」を見ます!

これは山の名前だと書いてある。

場所が書いてある。今(漢代)はどこなのかも書いてある。

そして、音が「刑」と読むんだ!

まあ、これ日本語で考えれば経済の「經」*keːŋ, *k-lˤeŋ > keŋと声符「巠」*keːŋ, *k.lˤeŋ > keŋが一緒ですからね。

これ上古漢語で見ますと、「陘」*ɡeːŋ, *[ɡ]ˤeŋ > ɦeŋ > xíng, jing4ですね。

こちらも「刑」*ɡeːŋ, *[ɡ]ˤeŋ > ɦeŋ > xíng, jing4ですね。 同じ音!

服虔さん、全く同じ音の字を良く見つけてきました!めでたし、めでたし、ですけれども。

まぁ、これに関しては、うまくいってますけど、

先ほど許慎さんの《説文解字》は音が違いましたよね!

ですから、実際には、完全に音を書きたいターゲットの字と音が同じという字は少ないんですよ!

そこで昔の人は考えたんですよね。

そもそも、漢語の音は前の部分と後の部分で分けられるじゃないかと気づきまして、

それを声母と韻母と言うんですけれども。

それで漢字(漢語)の音を前後に分解をして、

前の部分と同じ音の漢字、

後の部分と同じ音の漢字、

上の字(反切上字)、

下の字(反切下字)で書こうという方法!

それで反切が生まれてきたんですよね。

「音韻」という言葉の成り立ちですけれども。

例えば、「文筆」という言葉がありますけれども、「文」は(文字としての「文」ではなく、)韻文(verse)を意味して、「筆」は(道具としての)筆(ふで)ではなく、散文(prose)を意味にするように特化していったように、

「音韻」とは、ただ、「音(おと)」、「韻(いん)」ということじゃなくて、

完全にこの音韻学の中では、「音」前の部分(声母)、「韻」後の部分(韻母)を「音」「韻」で意味しているということで、先ず用語が出てきてあるのですけれども。

じゃあ、今これを実際のところで見ていきますよ。

同じ《史記》のこの漢字の音、 注を加えたいといったときに、

やはり、司馬貞さんの《史記索隱》という注釈書の中に引かれたことによって、

(先ほどと同じ)服虔さんの註釈が見えてきているんですけれども。

これを見ると、「僦の音は子就反」と書いてあるんですよね。

これはどういう意味かといったら、「子」という字の前半部分の音を取りなさい、

そして、「就」という字の後半部分の音を取りなさい。

そして、併せなさいということなんですよね。

どうして、こんなまどろっこしいシステムを作ったかと言いますと、

それは反切を特集する。まあ、次の次あたりかな?の回のお楽しみということでとっておきたいと思いますけれども。

簡単に言ってしまうと、前からよく出てきました。

漢語には双声や畳韻による熟語が多いんですよね。

つまり、前の部分、声母が一致している(双声)。

もしくは後の韻母が一致している(畳韻)。熟語が多い!

それによって、完全に音節が一致する字は珍しいけれども、

前だけが一致する。 後だけが位置する字はきちんとあるために、両方を足し算して合わせれば、書き表せるじゃないかと、

服虔さんや應劭さんなど、漢代の古文学者たちの註釈は、直音で同じ音がある場合は、きちんと書きましたけれども。

それが思い当たらない場合は、反切を用いて、

反切で註釈をした初めての人なんですよね。

それをじゃあ今、図式化して、私が見ていいます。

ここにもう全部ちゃんと私が書いてあるんですよ。

黄色い部分と緑の部分はありますけども。

この字「僦」の音(*ʔsuɡs, *[tsuk-s] > t͡sɨuH > jiù, zau6)を得たいときに、

じゃあ、この黄色い字「子」の前だけ(*ʔs, *ts> t͡s > z, z2)を取ってます。

「就」の後だけ(*uɡs, *u[k]-s > ɨu > iù, au)を取ってます。

じゃあ、これくっつけたら、本当にそうなっているということですごいと!

まあ、今のこの北方官話は、所謂「中国語」では、

音がその後ずれちゃって、この前の所ではあっていないんですよ。

その後の言語の変化によりまして(反切が機能しないです)!

でも、殆ど一致してますね!

今の広東語は一致しましたということで、ちゃんとこういうシステムがあるんだと見えてこれましたけれども。

長らく中国では、伝統的にその方法が取られて書かれてきたんですよね。

それらの反切をまとめた書物、ここにありますけれども。

韻書と言いますけれども。

前に《切韻》《廣韻》などが、登場してきましたね。

これも後で見てゆきたいと思いますので、お楽しみということですけれども。

今は漢語の音を書く方法をダイジェストにやっておりますけれども。

そして最近になり、注音という方法がありまして、漢字で表すのではなく、

今まで反切でやってきたこと漢字でこういうふうに書いてきたけれども、例の字(例字)で、

そうじゃなくて(漢字の一部を取るなどして)符号化しちゃって書いちゃうことなんですよ!

ですから、こういった、もっと簡単な音の符号で二つこう書いてありますね!

これが上の部分、反切上字、

こちらが下の部分、(反切下字)に値するわけです。

そして、声調が書いてあるんですけれども。

そういった形でこの注音は、今でも台湾では使われているんですけれども。

まあ、時どき、台湾人が語気助詞などを「啊(ㄚ)」とか、「哦(ㄛ)」とか、注音で私に書いてくるんですよ!

これだけは覚えたけれども、それ以外は、符号がいっぱいあって覚えられないですけれども(笑)

中華人民共和国では、ラテン文字で音を書きまして、これは拼音と言いますけれども。

「拼」は綴る、拼音は「音を綴る」でして、もう見て分かるんですよね。

すごい便利でもともとはもう漢字を使うのを止めてて、

もう漢字を止めて、ラテン文字で現代漢語の発音で書きたいという、

文字改革のために開発されたらしいんですけれども。

でも、漢字が簡体字になって使われ続けたために、外国人が中国語を学ぶときとか、

あと、中国人が発音が難しい言葉の音を書くときに本の中で使われたりして、

拼音は系統だったシステムだったため、

パソコンで漢語を入力するために、ものすごく重宝するという思わぬ副産物が生まれましてね。

それで最初は漢字を分解して入力(字形輸入法)していたらしいんですよ。

でも、発音でタイプする方が、楽だということで、

拼音(拼音輸入法)が主になったんですね。

拼音を作った人たちは、そんなまさかコンピューターができるなんて考えてもしなかったですけれども。

まあ、そういうこともありましてね。

また、中国語は学術の世界などでは、早くから独自の方法で発達してまして、

まあ、先ほど出てきました音素でトランスクリプションする方法はありました。

しかも、フランス、ドイツ、アメリカ、イギリスなどで、

漢学(sinology)によって、別々の異なる方法がありまして、かなり混乱していまして、

ウェード方式とか、イエール方式とか、ドイツ方式とか、フランス方式(極東学院方式)とか、ひっちゃか、めっちゃか、でしたから、

最近は人名や地名などは、固有名詞で書くときでも、拼音に統一されてきていますけれども。

漢語で使う音をあるアルファベットに当てるルールを作りまして、

それで運用していくわけですよね。

だから、拼音やトランスクリプションは、音声そのものの音価ではなく、

漢語で使われる音素を書きますから、中国語で音位と書いてありますよね。

それを書きますから、厳密には、そこ(音素を書いた同じ記号)にはいくつかの音価がその中に入っていると、

今の話の流れから分かると思うんですけども(例えば、普通話の母音は拼音で6つの音素を書きましたが、微妙に区別をすれば13つもの音価が含まれていました)。

そして、国際音標がありますね!

先にもう音声学の方でお話しましたけれども。

音声の出し方によって、詳しく場合分けをされてますから、

これで書けば、ちゃんと発音ができるんですね。

「文」の例でちょっと注音、拼音、国際音標(国際音声記号)、

こちらは、簡略表記と精密表記で書いておきましたけれども。

同じ音、「文」ㄨㄣˊ、wén、/wən³⁵/ [u̯ən˧˥]という音を書いています。

違う方式で面白いんですけれども。

ここで見てまいりましたことは、

読若、直音、反切などは、

漢代の上古漢語(後期上古漢語)を書いてきた方法でした。

現代漢語では、こちらで(注音、拼音、音訳、音標を)見てまいりましたけれども。

ここで大事なことは、上古漢語、中古漢語の音を知りたい再構したいということは、

即ち、国際音声記号(IPA)の簡略表記で音素(中国語では音位)を書き写すということになるんですね。

音声記号があれば発音できますからね。

ここ(IPAのチャート)でちゃんと定義がされていますから。

これこそがこれから続いてゆく主題ですよ!

こちらは上古漢語で見てまいりましたけれども。

次はもう少し後の中古漢語で漢語の音節の構造を見てみたいと思うんですよ。

実際に反切が大きく発達して、完全に整備されたのは、

隋唐の時代ですよね。

中古漢語の時期なんですよ。

今から1500年くらい前です。

漢字の音、字音は、声母と韻母が出てまいりましたけれども、

更に声調からなる音節の一塊でして、

それに字が宛てられています。

だから、それが字音だということでね。

まあ、先ず声母は別紙を参照せよ(笑)ということでして、

ちょっとこちらに行ってみたいと思うんですけれどもね。

音韻学のテーマは、上古漢語や中古漢語をどのように復元してゆくのかでしたよね。

前にも文字学の歴史の最後にちょこんとカールグレンさんのお話をしましたけれども。

彼は、日本、朝鮮、越南の漢字音に加えて、

現代漢語の方言をとにかく集めまくって、

これが古い音じゃないかとあたりを付けて、

中古漢語を推測して再構していったんですよね。

そして、更に中古漢語から遡って、

上古漢語を考えようとプロトタイプを出しましたけれども。

それがたたき台となりまして、

それから百年近く、世界の言語学者たちが、

ものすごい色んな角度から突っ込みを入れて、

中古漢語や上古漢語の音を精密に再構してきたという、

研究の歴史があるわけですけれども。

それに沿いまして、考えてみたいと思うんですよ。

今回私は特に声母、漢語の音節の前の部分、

漢字の前半部分の音で使われている子音。

まあ、声母が殆どですけれども、

一部は韻母の音、後にある音も入れておいたんですけれども。

現代漢語の八つの大きな方言!

先ほど地図で見ましたよ!

それでどうなのか、全て調べ上げてまいりました。

そして、ここに書いてある官話·京師片·北京話、晉語·並州片·太原話、呉語·太湖片·蘇州話、贛語·昌都片·南昌話とありますけども、

それでちゃんとどこで話されているのか、

北京なのか、太原なのか、蘇州なのか、南昌なのかとありますけれども。

場所を書いてあります。

今ここには前半部分の四つの方言がありますけれども、

これらの方言で代表させておりまして、

現代漢語の方言は、中古漢語から大きく分かれているわけですから、

閩語だけは上古漢語から分かれ始めたようだということですけれども。

ですから、皆、中古漢語の子孫ですから、

現代漢語の方言で使われてる子音は、

音韻体系は、今ここに出しております。

今まで音韻体系とは、非常に概念的なお話をしてきましたけれども、

これが音韻なんですよ!

一つの言語の中で使ってる子音、

これを使ってるんですよと!

この言葉では、この全体のセット!まとまり!システムですね!

それを見えるようにしたいってことも、そういった意図もございまして見ていきましたら、

まあ、括弧の前に書いてあるのが、

拼音、先ほど導入しておきました!

そして、それぞれの方言で工夫された表記がありまして(大体、官話の拼音をお手本に作られていますが、白話字など19世紀の閩南語や客家語を書くために作られた表記もありまして、)

それらの違いに騙されないように!ずれている部分があるわけですよ!

そのトランスクリプションの習慣によってズレている部分があります。

ですから、カッコの中のIPAで比較すると確実ですね!

ということで見てゆきますけれども。

例えば、官話(所謂「北京語」「普通話」、皆さんが言う「中国語」)ですけれども。

これを見るとyやwは、普通は母音のiやuに当てられる拼音ですけれども、

ある時にこの音になるなど、

全部の音を書き出しておきました。

そして、予告になってしまいますけど、まあ次回はこれを全部やろうかなと思ってるんですよ!

だから、普通話で使う音を今、基本としてみておいて、

他の方言を見るときにどこが違うのかという所をちょっとコメントしていきたいと思うんですけれども。

晋語とは、北方の方言ですから、

官話と非常に似ているですよ!

官話に入れる人もおりますけれども、

でも、こちら見るとv [v]ですね。

それとgh [ɣ]など、有声音ですよね!

そして、それの無声音h [x]とか、

これはドイツ語の音、「小川さん」(Bach /bɑːx/)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Bach /bɑːx/)の奥の方で出す音がありますね!

逆に官話は舌を巻く音(捲舌音)が非常に多い!

ものすごい特徴があります。

捲舌音と言いますけれども、

巻き舌の音(zh [ʈ͡ʂ]、ch [ʈ͡ʂʰ]、sh [ʂ])

これを聞くと、やはり、すごく北の人だと思いますよね!

でも、台湾ではこの3つの音(zh [ʈ͡ʂ]、ch [ʈ͡ʂʰ]、sh [ʂ])は、もうこちら(z [t͡s]、c [t͡sʰ]、s [s]になっちゃってるんですよね。

こちら(zh [ʈ͡ʂ]、ch [ʈ͡ʂʰ]、sh [ʂ])からこちら(z [t͡s]、c [t͡sʰ]、s [s])に全部ずれちゃって合流しちゃった!

ですから、もしかしたら、北方の官話は、中国語も時間が経つと、巻き舌の音は薄れて消えてしまうかもしれません。

本当に!それでこちらの呉語でも、これは蘇州話ですけれども。

b [b]、v [v]があります!

これは先ほど(北方の官話や晋語)にはなった有声がある!

そして、xx [ʑ]、hh [ɦ]も、有声があるんですよね!

声帯がブルブルしている!

それで硬口蓋鼻音ny [ɲ]があります!

声門摩擦音h [h]が、やはり、ありますね!

ですから、こうした所が、やはり少し違うわけですね。

本当に面白い!

実は呉語には、古い記録が残されてまして、

100年ほど前には、北方官話にあるような、先ほど見ました捲舌音([ʈ͡ʂʰ]、[ʈ͡ʂ]、[ʂ]、[ʐ])や接近音([j]、[ɥ]、[w])があったんですよ(陸基《蘇州注音符號》(1931年)、《蘇州同音常用字彙》1935年)!

ところが、言葉がどんどん変わって、今では廃れてしまいましたために、

それらも書こうかなと迷ったんですけれどもやめておきました!

ですけれども、次のページの湘語·長益片·長沙話、閩語·泉漳片·閩南話、客語·粤台片·梅縣話、粤語·廣府片·廣州話とありますけれども。

特にこちらの湘語でもそうなんですけれども。

長沙話を挙げておりましたけれども。

老派と新派と言いまして、古い人たちの発音と新しい人たちの発音で、ここ100年でも、結構変化しているんですよ。

それでやはり、一応これ古い方を書いておいたんですけれども。

こちらはまだ生きておりますから。

老派のzh [t͡ʂ]、ch [t͡ʂʰ]、sh [ʂ]が、新派のz [t͡s]、c [t͡sʰ]、s [s]にどんどん、どんどん、なっているんですよね。

先ほどの北京と台湾の違いに似ている!

(巻き舌の音は)廃れているということで面白いんですけれども。

面白い音を見ましたら、

ここに両唇音f [ɸ]という音、

日本語のファ行みたいにファ([ɸa̠])、フィ([ɸʲi])、フ([ɸɯ̟ᵝ])、フェ([ɸe̞])、フォ([ɸo̞])みたいな音が入っているんですよね。

これもなかなか面白いんじゃないかなと思っておりますけれども。

ちなみにこれ今、私こっちに入れてますよね。

これ唇歯音([f])の方に入れてしまったから、

両唇は基本的には、雙唇音に入れなきゃいけない!

雙唇音、二つの唇の音だから。

これはこちらに入りますね!訂正します!

そして、 閩語も、ものすごい数の方言がありまして、

もうサブグループが、ものすごいあります!

閩南語の泉漳片は、福建語とも言われたり、台湾語とも言われるんですよね。

場所によって、これは、古くから表記がされてきまして、話している方も多いですから採用したんですよね。

上古漢語から分かれたという、非常に面白い音韻体系のユニークさがありますから、

音韻学では重要視されているんですよね。

ジェリー・ノーマンさんという、アメリカ人の言語学者がものすごい数の下部方言を集めて、閩祖語を再構して、

時々、登場してまいりましたけれども。

面白い音は、日本語の「あら[a̠ɾa̠]」みたいな音(l [ɾ])、

もしくは、深みのある、そり舌の側面接近音(l [ɭ])があり、

ちょっと[l]の下にクニュッと付いている。

[l]より更に後ろ[ɭ]みたいになってたり、

有声歯茎破擦音(j [d͡z])とか、有声歯茎硬口蓋破擦音(ji [d͡ʑ])も特徴がありますね。

それで客家語も古い漢語を伝えてくれている面白い言語ですけれども。

面白い音は、やはり、唇歯接近音(v [ʋ])があるんですよね。

また、硬口蓋音も結構、面白いですよね。

破裂音(g(i) [c])、そして、有気音(k(i) [cʰ])ですね。そして、摩擦音(h(i) [ç])などがあります。

そして、粤語も面白いですよね。

もう、今まで出てきた音ばかりですけれども。

結構、子音が少なくて、

やはり、広東人たちは、香港人たちも、[n]と[l]と[ŋ]の区別もしないんですよね。

だから、[n]と[l]は同じ音だと思っている人もいる(日本人が[r]と[l]を区別しないのに似ています)。

つまり、この言語を話している人たちは、同じ音のように扱われていて、

母語にないために、一応ここには表記上あるけれども、聞き分けられない人もいることは面白いですよね(日本人が[r]と[l]が聞き分けるのが苦手であるのに似た現象ですね)。

ですから、先ほど、この贛語でも、

そもそも[n]がないんですよね。

まあ、韻尾には出てはくるんですけども。

だから、結構、言語の中で使おうと使わない音には差ができている。

中古漢語から分かれた子孫たちでもあるということでして、

こうした今のような音韻体系をまとめて、

そこから中古漢語などに行きつくわけですけれども。

行きつきますか?

行きつきましょう!

これをみましたら、

実はもう大体、中古漢語は、ほぼ理解がされておりまして、

もう、再構のコンセンサスは取れていまして、

潘悟雲さんが書いた、IPAの表記と、バクスターさんの拼音がここに書かれています(潘悟雲:〈漢語中古音〉(《語言研究》33(2):1-7,二〇一三)、William H. Baxter (1992). A Handbook of old Chinese phonology, Berlin: Mouton de Gruyter.)。

それはここに書いてあるんですよね。殆ど一致して違いはないということでして、

そしてここからは、伝統的な五つの調音で分類されておりますけれども。

まあ、歯音がやたらと多い!

ものすごく多くて二行あります!

そして、そり舌音がありますね。

バクスターさんの拼音では見やすくて、r が入っていまして、ts [t͡s]に対して、tsr [t͡ʂ]ですね!

有気音(aspirated)でtsrh [t͡ʂʰ]。

rが入っているちょっと奥に(舌が反る)音が多いんですよ !

結構、反り舌音はあります!

少し反り舌音は、舌を後ろにして出していましたけれども。

まあ、先ほど見てきたように結構、出しにくいということで、色んな所でも廃れていったように、

現代漢語では、どんどんどんどん、徐々に徐々に消えてしまいましたという音がいっぱいあります!

一緒に合流して、他の音と混ざっちゃいました。

中古漢語の初期、隋唐の姿が、切韻体系と言われる。

《切韻》という韻書に書いてあるから、

これから見て行きたいと思いますけれども。

後に更に調音部位が五つから七つに分けられましたけれども。

上古漢語との接続のために五つで出しておきました。

中古漢語初期の姿です。

そして、上古漢語に行くと、「高李」と書いてある。

これはどういうことかと言いましたら、

カールレン(Bernhard Karlgren)さんですよね。高本漢さんを中国語で音写したということでして、

それでこちらは李方桂さんという、中国人の音韻学者でして、

彼らが作った音韻体系でして(Bernhard Karlgren (1922). The reconstruction of Ancient Chinese, T'oung Pao 21: 1–42; (1957) Grammata Serica Recensa, Stockholm: Museum of Far Eastern Antiquities; Fang-Kuei Li; Gilbert L. Mattos (1974-75). Studies on Archaic Chinese, Monumenta Serica 31: 219–287.、李方桂:《上古音研究》(北京:商務印書館,一九七一))、

それを見ますと面白いのが、 [m]の下にこれは無声化(*hm [m̥])が付いてますよね。

それと[l]にも(*hl [l̥])付いていますね。

それで[ŋ]のここにも(*ŋ̊ [ŋ̊])付いていますから、

特に無声などがあり、ビルマ語表記みたいなんですけれども。

彼が目を付けたのは、諧声関係。

今までずっとやってまいりまして出てましたけども。

《説文解字》の中にあるこの字とこの字が同じ声符を持っているとか、

あとは原始タイ語などへの借用関係を考えまして、

他の当時の古い時代の言語の交流、

そして、鄭張尚芳さんの(音韻体系)がこちらにもありますけれども(鄭張尚芳:《上古音系》(上海:上海教育出版社,二〇〇三/一三))、

更に漢蔵語族の方の研究も進んで、そちらとの関係も視野に入れたり、

まあ、ユニークなのは歯音が少ないんですよね!

ものすごい、びっくりしちゃったくらい少ないということですけれども。

それでBaxter-Sagartさんを二文字「白沙」で書きましたけれども、今までいっぱい出ておりましたけれども(William Baxter & Laurent Sagart (2014). Old Chinese: A New Reconstruction, Oxford: Oxford University Press.)。

彼らはタイ=カダイ語族(壯侗語系)とか、

オーストロアジア語族(南亜語系)とか、

ミャオ==ヤオ語族(苗瑤語系)とか、

オーストロネシア語族(南島語系)まで視野に入れて、

更に厳密に見てゆこうと、色んな関係性、借用関係を言語の言葉の貸し借りを考えたりして、

特にびっくりしたのは、咽頭化ˤが多い!

これ先ほどしましたIPAの補助記号でして、

これがで多くて、あと唇音化ʷがありまして、唇があります。これすごく出てますよ!

だから、こういうのが出てくるから、先ほど漢語でよく出て来るものを紹介しておきましたけれども。

まあ、こうして、声母の子音をたくさん見てきたのは、

音韻体系の全体をチャートで見通すと、頭の中で整理が付くからなんですよね。

逆に言えばここにある音以外は、この言語では使わない出てこないわけですから。

ということでね戻ってみますけれども。

こちら声母だけでも、大変でしたけれども。

韻母はものすごく複雑ですから、

私それぞれの言語に一つずつ、今みたいに書き出していたら、大変なことになりましたから、

もう目がちかちかします(笑)

だから、韻母は更に頭とお腹とお尻に分けて、考えてみることにしました。

つまり、もう少し分解してみようと!

それで基本として韻母は、先ほど語りましたように、

母音と最後に子音がついて構成されているという組み合わせが大量にあるんですよね。

掛け算的にすごいです!

それで反切を中古漢語で今は考えてゆこうとしたときに、

中国人なら、もう誰でも暗唱できるほど有名な李白(Lǐ Bái)の「靜夜思(jìngyèsī)」 (近体の五言絶句ではなく、古体の楽府体詩です。)

中国では字がちょっと違って、「牀前名月光(chuáng qián míng yuè guāng)」が主流ですけども。

テキストクリティックとしては、こちらの「牀前看月光(chuáng qián kān yuè guāng)」の方が正しいんですよね(宋蜀刻本《李太白文集》や南宋浙江刻本《樂府詩集》などでは「看」でしたが、李攀龍《唐詩選》で「明」にされて、孫洙《唐詩三百首》で継承されました)。

その場合は、今見ましたように、

この「看る」、「看(かん)」ですけれども、

現代漢語で読むとしたら、

普通は四声(kàn)なんですよ。「看る」とか、「本を読む」とか。

四声(kàn)ですけれども、一声(kān)が正しいでしょうね。

まあ、四声「苦旰切」なら「見る」という意味ですが、

一声「苦寒切」なら「見つめる」という意味にもなりますね。

この下の句「疑是地上霜(yí shì dì shàng shuāng)」できちんと脚韻、

下の赤で書いた最後の「光(guāng)」と「霜(shuāng)」が韻を踏んでいまして(平仄仄仄平)、

韻母と呼ばれる所以ですけれども。

光(guāng)と霜(shuāng)はとても長いんですよ!

特に韻母を見てみますよ!

この韻頭、頭の部分、韻腹、お腹の部分、韻尾、お尻の部分の音が三点セットで揃っているから話しやすくて持ってきたんですよね。

中古漢語は、まあ、李白や杜甫など(白居易や柳宗元、李商隠や温庭筠などもいいですね)、 唐詩が書かれた時代の漢語ですよね!

ここを見ていただければ、分かると思いますけれども、

全部、書いてあります。

それでこれを見れば、もう反切が何をしたいのかは、もう分かると思います。

先ほどもみましたけれども、

前はこの「古」kuoX /kuoX/という字を取りなさい(k /k/)と赤で書いてありますよね。

そしてあとは「黄」hwɑng /ɦwɑŋ/という字(wɑng /wɑŋ/)を取りなさいということで、

ちゃんとこれ中古漢語も全部を書いていたんですが、

それでちゃんと合成すると「光」kwɑng /kwɑŋ/の音が復元できるでしょうと!

そういうシステムということで、

まあ、この反切は、中古漢語に合わせて書かれてますから、

現代漢語の官話(普通話や北京語)や粤語(広州話や広東語)などでは、

発音のずれで合わないこともあるんですよね。

これよく見ると広東語の方は、まあ、(復元が)三角だろうなという感じでして、

ここはwですけれども、小さい◌ʷ(唇音化)でして、先ほどお話したIPAの補助表記の方になっているということでちょっとずれてる!

もっとずれているものもありますけれども、

先ほどありました逆に北の方の官話の方でずれてましたね。

日本語でももちろんこの反切使えるんですけれども、ずれていること多いです。

やはり、言葉がずっと変わってきています!

それでそもそも反切のシステムが発達したのは、

詩を作るときに脚韻をするため便利でして、

最初は先ほど見ましたように、服虔さんや応劭さんのような、漢代の訓詁学者たちが注釈をする時に使ってましたけれども。

よく考えたわけですよね。

あ!これはリストアップしておけば、韻書が詩を作るときのハンドブックとして使えるじゃないかと気づいた!

ということで、それで今これが気になっちゃった!

この最後の音(X)とか、⁵⁵と書いてある!

これは何だと!?

これは、まあ、Xファクターと言いたいところですけれども。

まあ、ジョークですけれども。

これは中古漢語の声調ですよね。

韻尾、韻母のお尻の事を言いますよね。

まあ、ここのところを見るわけですけれども。

母音で終わるもの、

元音は中国語で母音という意味ですけれども。

(そして、鼻音で終わるものに加えて、)入声で終わるもの。塞音、詰まる音と書いてありますよね。何だと!?

まあ、これはもう北の方の今の中国語、北方官話では消えてしまいましたけれども。

北京語や普通話では、

声門の気流を圧搾した閉鎖音(-p̚ -t̚ -k̚)で終わる音でして、

中古漢語から入りました日本語では、まあこっちに来てしまいますけれども残ってるんですよ!

この「蝶々」、てふてふちゃん(笑)

まあ、当時はこれは「蝶(でぷ)」と読んだでしょうね。

これは中古漢語(dep̚)と残っています!

そして、「十(じぷ)」も、今は「十(じゅう)」ですけれども、中古漢語(d͡ʑiɪp̚)が残ってますし、

これは入声「p̚」が残ってますね!

そして「鉄(てつ)」も、中古漢語(tʰet̚)が残っています。

「月(げつ)」も中古漢語(ŋʉɐt̚)と入声「t̚」が残ってます!

そして、「各(かく)」、中古漢語(kɑk̚)とか、「楽(がく)」、中古漢語(ŋˠʌk̚)が残っていますということでね!

中古漢語の入声は、日本語の中には保存されています。

まあ、最後に母音が付いてしまってますけれども(また、特に南方方言の粤語(広東語)、閩語(閩南語)、客語(客家話)では、中古漢語の声調をきちんと保存されています)。

ということで、声調について興味がいき、

それもどうも後ろの部分に関係しているだなということで見てゆきたいと思いますけれども。

もう私はもう、どうして?をいつも連発しますから!

どうして声調が漢語にはあるのか?

もうあるときに興味を持っちゃったんですよね。

それで昔から、上古漢語に声調があったかどうか、論争がありまして、

音韻学者たち、ここにいっぱい並んでますけれども、

考証学者たち、陳第さん、顧炎武さん、孔廣森さん、江永さん、段玉裁さん、黃侃さん、王國維さんなど、

それぞれ意見を出していまして、

まあ、陸志韋さん、王力さんとこの方は有名ですけれども。

まあ、近代の言語学者たちも書いてますよね。

それとあと今出てきたカールグレンさんでしょ!周祖謨さん、李方桂さん、周法高さん、董同龢さん、李新魁さんなど、

もう、みんな一生懸命考えたけれども、なかなか分かんなかったんですよね。

ところが、赤で書いてあるオードリクールというフランス人の言語学者が解明して、

そこからプーレブランクさん、鄭張尚芳、潘悟雲さん、Baxter-Sagartさん、そこはもう分かって、再構できているんですけれども。

初めて、声調がどのように生まれてきたのか!

この赤いオドリクールさんは、何をやったのか!?

声調の誕生(tonogenesis)と言いますが、英語で声調(tone)です。(古典ギリシア語で)生まれる(genesis)ですから、

解明した学者は、オドリクール(André-Georges Haudricourt, 1911-1996)さん!

この方は1950年代に声調の誕生を研究しまして、

特に平仄の方なんですけれども。

三つ、これらの声調はどこから来たのかという、

東南アジアの言語たち、タイ=カダイ語族、ミャオ=ヤオ語族、オーストロアジア語族、

まあ、タイ語とか、ベトナム語との関係から考えたわけですよ。

そもそも、声調とは、南朝のもう隋に近い所の梁の沈約(441-513)さんが気づいて、

これは今から1500年ぐらい、1600年くらい前かな。

ここにありますね。平声、上声、去声、入声と四種類を名付けたと伝えられますけれども。

声調はやはり、非常に強烈で一般の人も、今までの人も、知らなかった、気づかなかったっていうことはないわけですよ!

やはり、それまでには、声調はなかったじゃないのかと!

じゃあ、何で(中古漢語には)あるのかと!?

これはオドリクールさんのを読みました!

フランス語で書かれている論文ですけれども(André-Georges Haudricourt (1954). Comment reconstruire le chinois archaïque, Word 10(2/3): 351–364; (1961). Bipartition et tripartition des systèmes de tons dans quelques langues d’Extrême-Orient, Bulletin de la Société de Linguistique de Paris 56 (1): 163–80.)。

そうするとそこに書いてあるのは、

上古漢語で子音だった最後の部分が、韻母の後、韻尾、韻母のお尻の部分にあった子音が、声調に置き換えられたんじゃないかと!

つまり、この声門破裂音([ʔ])や歯茎摩擦音([s])です。

即ち、何を意味しているかと言いましたら、声調とは子音の情報を引き継ぎまして、

それらは言葉を区別する重要な要素であるわけです。

私ここで一つ思ったんですよね。

最初に-s→-hに後期上古漢語になっていったとき、

最後の声門破裂音([ʔ])にかなり近づいていくわけですよね。

先ほどの調音点からすると、

それで音も区別がつきにくくなって、

それでこちら(*-s > *-h)が去声(H)になったかして、

そして、言葉を区別するために、

先ずは-s suffixの声門摩擦音化-hが始まったと言いますが、

それが玉突きみたいに広がって、

この上声(X)も、子音だった情報が音の高さの情報(声調)に置き換えられるという、

上声の成立を促した可能性があるじゃないかっていう、ビリヤード作戦!

そういうふうに声調がポンと玉つきのようにきたのかなと思いました。

そもそも、元の子音は、言葉の形態素なんですよ!

そこには、大事な意味、情報があるわけですよね。

それを伝えたい!だから、それが声調に引き継がれていくときに、声門破裂音([ʔ])とか、声門摩擦音([h])のような、似たような子音があると、やはり言葉の区別がつきにくいから、

それぞれに異なる声調になっていったという可能性はありますよね。

やはり、言葉を区別して伝えなければ、会話は成り立たないですから。

しかも、先ほどIPAのチャートに合わせて考えてみましたら、

それぞれ声調に関係する子音は、破裂音(-p, -t, -k, -ʔ)、ここにも、先ほどにもありました。

これ、どんどん、調音部位がずっと奥に入ってるんですよ!

自分の口の先の唇音(-p)で唇、歯茎音(-t)、そして、もっと後ろ(-k)、更に-ʔはもっと後ろですよ!

ということで、面白いことに同じ破裂音なんですよね!

そして、-sと-hは、歯茎から声門に奥に行きますでしょ!同じ摩擦音です。

そうした関係性がありまして、音の高さに情報が引き継がれて、声調が成り立つと考えて良いと思うんですよね。

その情報とは何か!?今度はそこに興味やいくわけですよ!

これは今まで形態論(morphology)で、この子音は何を意味しているのかとか、接尾辞、接頭辞、接中辞など、接辞は何なのかを見てきましたけれども。

この*-ʔはどうも、 いろいろ例を見ていったとき、これは否定辞の所で出てきましたよ!

この「不」pə > pɨu→「否」pəʔ > pɨuX これは、やはり、何か助動詞化してるみたいな感じだと、

「不定」と「否定」は、意味が異なりますよね。

「定まる」という字を付けますけれども。

「不定」は住所不定とか、「定まるということはない」「定まっていない」という意味ですけれども、

「否定」と言うと「定めるということはしない」「定めたくない」ですよね。

だから、どうも「不」は名詞を否定している。

そして、「否」の方は、同じ「定」で書きますが、これは動詞を否定している。

これは助動詞化として理解できるんじゃないかとか考えていたりしました。

そして、「各」kˤak > kɑk̚と「舉」kaʔ > kɨʌXも出てきました!これも本当にKF-Scholaの「各」の所で例として、

漢蔵祖語kyi(彝緬ka、彝語ꈁ, kha³³; ꈀ, kha³⁴、緬語ချီ, hkyi)に行きますけれども。

これは「挙げる」というところが来ていますけれども。

どうも、「舉」*kaʔ > kɨʌXには、「全て」「総て」という意味がありまして(《左傳•哀公六年》「君舉不信羣臣乎」)、集合名詞化として理解ができんじゃないかと!

そうするとこの部品が付いてるわけでしょ!

これはもちろん声調になってゆく!

これ上古漢語、中古漢語で声調、上声になってますよね!

それでまとめてみますと、

集合名詞化(collective suffix)とか、動作主化(agent noun-forming suffix)とか、動詞化(verb derivative suffix)とか、助動詞化(auxiliary verb derivative suffix)とか、

そうしたやはりちゃんとこの子音には意味がある(また、漢蔵祖語ʔumから来た「或」[ɢ]ʷˤək > ɦwək̚/「有」*[ɢ]ʷəʔ > ɦɨuXなどの例もあります。)!

そして、*-s suffixはこれやりましたよね!

本当に「学ぶ」「教える」のところで当シリーズでもうやりました!

本当に方向転換や名詞の動詞化、もしくは動詞の名詞化(nominalizing/locative suffix)でしたよね。

伏線回収しておりますけれども。そちらをご覧下さればと思いますけれども。

中国でもこれは「売買」「売り買い」としてありますけれども。

今の中国語だと「売買(mài mǎi)」で、やはり今、声調が違ったでしょ!

四声、三声。

先ずは「買」*mreːʔ, *mˤrajʔ > mˠɛX > mǎiの方から見ていきますよ!

これは先ほどと同じようにこの-ʔがありますから、こちらの上声ですけれども。

*-s suffixが付いているのは、去声になってるんですよね。

だから、これは今の漢語でも、そうでしたずーっと引き継がれてますけれども。

面白いことにこれはやはり、*-s suffixも方向を逆にするでしょ!「売り買い」は逆でしょうと!

まあ、この語源を言うと、更に語根rajのところが移動するという漢蔵祖語g/m/s-lay ⪤ r/s-ley ⪤ b-reyから来ているんですよね(「移」lal, lajや「賜」sleːɡs, *s-lek-sと同じ語源)。

だから、この語根に対して、*m-は接頭辞で付いているのかなとか、

そのようにありますから、これは面白いことに小篆を見ると、

それを楷書化しておりますけれども。

「買」に「出」が付いている「賣/𧷓」*mreːs, *mˤrajʔ-s > mˠɛH > màiですよ!だから、ご丁寧に逆にしている!

だから、「売り買い」というのが、逆の方向ですよね!

だから、*-s suffixとは、逆の方向でそれが去声に入っている!

中古漢語でも、現代漢語、そうですね!

これ、声調が違います!

そして、もう一つは「授受」日本語でも使う言葉「授ける」「受ける」。

これはどうなのかと見てみますと、

それで「受」*djuʔ, *[d]uʔ > d͡ʑɨuX > shòuは全く、今と同じですけれども、

「授」*djus, *[d]uʔ-s > d͡ʑɨuH > shòuには、*-s suffix が付いている!

逆になっているということでご丁寧に手偏がついてるんですよ!

これで区別しているということです。手で渡すから、意符で付いてますけれども。

こちらは声調が、中古漢語「売買」d͡ʑɨuH d͡ʑɨuXでは、セオリー通りですよ!

これはちゃんとなってますよ!上声と去声です。

ところが困ったことに、その後に官話、中国語では、両方ともshòu shòu /ʂoʊ̯⁵¹ ʂoʊ̯⁵¹/なんですよ!

去声、去声になっちゃってる!

それで粤語(広東語)を見ますとsau6 sau6 /sɐu̯²² sɐu̯²²/で同じなっちゃってる!

困ったなぁ!

それで閩南語で調べたら、泉州話では違う(声調な)んですよ!

ちゃんと中古漢語から継いでいるんですよ!

こういうことになるわけです。siū-siǔ /ɕiu⁴¹ ɕiu²²/ですけれども、

廈門話では、siū-siū /ɕiu²² ɕiu²²/ で同じになっちゃっていて、

だから、後の時代に混同されていっちゃっているっていうことがあるんですよね。

まあ、それは面白い話ですけれども。

それで入声の方を見て見ますね。

これはちゃんと残っていて、上古漢語(*-p, -t, -k)から中古漢語(-p̚, -t̚, -k̚)にそのままを行ってる!もう見ての通り、自明ですけれども。

これはよく彝緬語系(ロロ=ビルマ語族)や漢蔵祖語にもありまして、

接尾辞というより、語根の一部であることが多いですよね。

先ほどの「蝶」*l'eːb, *lˤep > dep̚もそうだした。私も見ました!

漢蔵祖語「蝶」s-lyap ~ lepと(上古漢語「蝶」l'eːb, lˤep は)殆ど変わってないですから(STEDTは「羽」s-lap > レプチャ語hlap-păと同源であると考えています)。

この「十」*ɡjub, *t.[ɡ]əp > d͡ʑiɪp̚もそうですね。(漢蔵祖語「十」*gipから)中古漢語(d͡ʑiɪp̚)までずっと受け継がれています。

だから、(接辞ではなく、それより分析できない)語根の一部であることが多いんですけれども。

-tは、やはり、チベット語やジンポー語で他動詞化に使われる接尾辞として機能しているんですよ。

例えば、チベット語の自動詞「開く」འབྱེ, 'bye /ᵐbʲe/ですけれども、他動詞「開ける」འབྱེད, 'byed /ᵐbʲet/で*-tが付いている!

他動詞化で*-tを付けています!

両方とも漢蔵祖語*ʔ-bu ⪤ puから来ているんですよね。

これは「(花が)開く」とか、「生まれ出る」みたいなところから来ていますけれども。

チベット語やビルマ語で名詞化の接尾辞としても機能しておりまして、

マティソフ教授がそうしたことを調べていてくれたんですけれども(James Alan Matisoff (2003). Handbook of Proto-Tibeto-Burman: System and Philosophy of Sino-Tibetan Reconstruction, Berkeley: University of California Press.)。

まあ、次の*-kは漢語でも接尾辞として、分配名詞化(distributive suffix)がありましたね。前にも出てきました。(これはプーリブランクさんが調べていてくれました。Edwin George Pulleyblank (1973). Some New Hypotheses Concerning Word Families in Chinese, Journal of Chinese Linguistics 1: 111-25; (1978). The nature of the Middle Chinese tones and their development to Early Mandarin [中古汉语声调的本质和到早期官话的演变], Journal of Chinese Linguistics 6 (2): 173-203.)。

先ほどの「各」*kˤak > kɑk̚がありましたね!

これは、「挙げる」から、分配されていますね。

「おのおの」という意味ですから。

そして、「舉」*kaʔ > kɨʌXは、逆にまとめてましたよね!

「全て」「総て」という意味あったからです。

だから、これは本当に面白い対照をなしていて、

*-ʔは全てをまとめる集合名詞化(collective)、

*-kは分配名詞化(distributive)で分ける!

だから、「各」kˤak > kɑk̚の「各々」と「舉」kaʔ > kɨʌXの「全て」というように同じ語根(*kyi)から行くんじゃないかと非常に対応関係が取れていて良い例じゃないかなと思って面白かったんですけれども。

つまり、言いたいことは、-ʔは集合名詞化(collective)、-kは分配名詞化(distributive)だから、「まとめて(-ʔ)」、「おのおの(-k)」ということで面白いんですけれども。

これを見ますと「無」ma > mɨoと「莫」mˤak > mɑk̚は否定辞の回でニュアンスが違うということを徹底的にいたしましたので、

まあ、そちら見て頂きたいと思うんですけれども。

この「誰」[d]uj > d͡ʑiuɪと「孰」[d]uk > d͡ʑɨuk̚は「いずれぞ」と漢文で読みますよね。

日本語で「だれ」「いずれぞ」!

これもやはり、見ますと、*-k suffixが付いてますよね!

最後にこれ分配名詞化じゃないか!

「だれ」というと漠然としているけれども、「いずれぞ」というと一つ一つ、各々っていう感じになってくる。

そのニュアンスの違いです。それが形態素から生まれている。

この-kから生まれているじゃないかということですけれども(また、「如」na > ȵɨʌ→「若」*nak > ȵɨɐk̚などの例もあります。語根はムル語na、ミゾ語nâと関係します)。

まあ、今はもう接尾辞のオンパレードですね。

いっぱいお話ししましたけれども。

後はよく出てきたのは、 *-nは名詞化(nominalizing suffix)とかありましたよね。

鼻音で声調には関係しなかったけれども。

一般名詞化(general noun suffix)や指示化(demonstrative suffix)などでも使われていたし。

*-ŋは到格(terminative suffix)の接尾辞でしたね。

この辺りはよくお見かけしていたかと思いますけれども。

これは平声のまま、声調にはいかなかった。

今のような末尾の子音たちが、声調になりまして、

中古漢語の四声に引き継がれて、平仄と言います。

「平仄が合わない」と日本語でも言いますよね!

ひっちゃか、めっちゃかだということです。

漢詩をするときにも、声調はすごい大事なんですよね。

平声とか、その他の仄声は、こうした起源で生まれていて、上声、去声、入声になった!

そして、近古漢語や現代漢語に受け継がれていくんですけれども。

中古言語の声調がこうした唐に渡りました空海さん、弘法大師、

また、円仁さん、慈覚大師も唐に渡り、

その人に日本で学んだ安然さんが書いた記録の中に残っているんですけれども。

調値は、どの高さから、どの高さに行くのかが分からなくて、学者によって一定しないんですよね。

また、付いてるこの音節の子音に清濁があるんですよ。

声母によって違うわけでして、

清濁とは、今でいう無声音と有声音です!

清濁の声母(無声音と有声音)があり、

全清(無声無気音)、

次清(無声有気音)、

全濁(有声破裂音・摩擦音・破擦音)、

そして、次濁(有声鼻音・流音など、[n]や[l])と分かれていまして、

先ほど見ましたどの子音に付くかにより、声調の調値が変わるんですよ!

それで声母の子音によって、複雑にやはり異なったから、

皆さまを混乱させたくないために、ここには書きませんでした。

非常に複雑でコンセンサスもなかなか取れない!

何故なら、記録がないから、どうにもならないです。

空海《文鏡秘府論》には、(声調の)印象が書いてあるんですよね。平声とは何か悲しい感じで安らかだとか、そんなのは分かんないですよ!読んでみても、どの調値なのかは!

まあ、これは「直低」、そのまま低く伸ばすとか、

まあ、あああという感じで低い声で伸ばす感じかとか。

上声は「直昂」いきなりゴーンと上がると書いてありますね。

「昂」は上がるだから!それで上がるんだと!

去声は「稍引」まあ引いていくみたいな。

入声は「徑止」ピッと止まると/-p̚/, /-t̚/, /-k̚/ということでこれは間違えないだろうと!

でも、調値があるんですよ!この高さはどうかと!

だから、これじゃあ、分からないということでありますけれども。

そして、唐代・宋代の中古漢語から、

元代・明代の近古漢語、

そして、清代・現代の現代漢語に引き継がれましたが、

こんなものを見てゆきたいと思うんですよね。

こちらは中古漢語から、声調体系が四つの声調がどうなっていったのかと見ているんですけれども。

これを見て、びっくりしちゃった!

声調体系が一番ぶっ壊れた、北方の官話、

一番きれいに引き継いだ、南方の粤語がありまして、

普通話、北京語、

広州話、広東語ですけれども、

本当に北方の官話はめちゃくちゃですよ!

特に入声の清濁があっちこっちに入っちゃって、

しかも、上声の全濁(有声破裂音・摩擦音・破擦音)が去声に入りましたり、

それで激しく変わってますけれども。

南方の粤語は完璧に継承していて、

ものすごく美しいです!ピッタンコですよ!

しかも、入声の清音が二つに分かれて、清濁でちゃんとそれの区別もちゃんとしている(上声の清音から入りました2声は誤植がありまして正しくは陰平です)!

かつ、入声の清の音は二つに分かれているという、

でも、あちこちに交差していない!

分別できています(ちなみに閩語、閩南語もきれいです。客家語がおしくて、官話と同じく上声の全濁が去声に入りました)!

北方の官話が、こんなになってしまったのは、宋の辺りまでは、中古漢語を引き継ぎましたが、

その後に金にやられたでしょ!契丹族が来た!元にやられた!蒙古族が来た!清が来て、満州族が来て、

もう、ひっちゃかめっちゃかにかき乱されて、言語の上に痕跡を残したからなんですよね。

ですから、我々が中国語として学んでいる普通話(pǔtōnghuà)の声調はかなりファンキーだと!

ファンキーな声調体系だということが分かると思うんですけれども。

いやーこれはすごい!入声はもうないということですけれども。

先ずはそれを見ていきたいです。

官話から見て行きたいと思うんですけれども。

一番上が、声調の名前、陰平、陽平、上声、去声、軽声とありますけれども。

それで番号1、2、3、4で調値ですが、

この調値は、趙元任さんという言語学者が考えました五度に分ける方法(五度制調値標記法)がありまして、

こちらに図式化しました。

ダイアグラム!いいでしょ!

視覚的にすごい分かりやすいですよね。

IPAはこういう図式の記号を使いますけれども、

調値の方が直感的でいいです。

そして、楽譜を作りました!

もう、一緒にしている友人と夜遅くまで、

ものすごい数の中国人の発音を聞いて調べまして、

聴音をして議論して、これでいいかなと決着したんですけれども。

まあ、このオリジナルなアイディアですけれども。

5度がE(ミ)、1度がG(ソ)ですよ。

まあ、その間で動いているということですけれども。

まあ、有名なのはここにありますよ!有名なのは「媽」(お母さん)、「麻」、「罵」(叱る)、「馬」、「嗎」(疑問)という字例です。

やってみますか!?

これは

「媽」mā /ma⁵⁵/

「麻」má /ma³⁵/

「馬」mǎ /ma ²¹⁴/

「罵」mà /ma⁵¹/

「嗎」ma /ma/

という感じでありますけれども。

最後のこの軽声は、

軽くこの「媽媽」māmaと「媽」(お母さん)を二回言いましたとき、二つ目が軽く発音されますけれども。

まあ、一声はやはり、maとそのまま直進する感じですよね。

それで二声はmáとちょっと高い所で上げるんですよね。

そこで思ったんですよ!

この一声までの音程はやはり、上がっていないかな?

ということでして、それでここを結構、困ったんですよ。

同じ5なんですよね。

だけれども、やはり、上がってない!

一声māと二声máで一声の5まで音程が行ってません!

だから、ちょっと下げておいたんですよ!

まあ、4.5ぐらいということで#をつけたいという感じですけど。

まあ、分かりやすくするために付けないおきましたけれども。

もしかしたら、4くらいかなと!

以外と思ったよりも、二声は結構行っているようですが、

máの(音程が)差があまりないのかもしれないという。

いろいろと聞いてみて感じました。

三声がこれが大きな問題がありまして、

三声は214と書いてあるんですよ!

ここにこうと、普通そういうふうに言われるんですよ!

というのは、やはり上声だから、ちょっと最後はパンと尻上がりという、

下がってから上がるで理論上は4まで跳ね上がるとなってますけれども。

どう考えても、こんなふうに今発音をする人はいないんですよね。

まあ、一般的にむしろ2から1にマ~ァァァと潜り込む方が大切ではないかと!

つまり、単体で発音するときはちょっとだけ申しわけない程度に最後にポンですよね。

だから、ちょっと点を打っていて、しかも、それは3くらいでここら辺ということで添えてあるんですけれども。

全体としては、最初の二つがグリッサンドで下がって、

最後はピンと離れてるという感じでして、

今やってみますよ!mǎ、そうですよね。

そうですよね。ここ(最初の2→1に下がる部分)!

これが大事!まあ、今はやはり、もうずっと下でキープしろという言う人もいますよね!

まあ、2→1から、1だけだと。だから、底の音1を長くしている!このすごい細かく、そういう努力をしたので、ここは、喋りたい!語りたい!

結構これ声調でも、中々、一つ一つ聞くのが面白いんですよ。

だから、やはり、今見てみましたのは、

やはり、下の方で2→1と下がって行っていますよね。

それで最後に申し訳ない程度に跳ね上がる。mǎと単体では上がるということでありますけれども。

あと、この三声は、三声+三声で来ると変調するということもありますから(例えば、「你好」nǐ hǎo /ni²¹⁴⁻³⁵ xɑʊ̯²¹⁴⁻²¹⁽⁴⁾/など)。

だから、それ(三声)を楽譜で表現してみましたと(もしかしたら、変調をすると一般には言われますが、むしろ、変調をした三声3→5の方が本来の上声をなしている可能性はあります。「你好」nǐ hǎo /ni²¹⁴⁻³⁵ xɑʊ̯²¹⁴⁻²¹⁽⁴⁾/にしても、広東語では陽上+陰上nei5 hou2 /nei̯¹³ hou̯³⁵/でどんどん上がっています)!

結構、これは大変だったんですよ!ですから、これはダイヤグラムでも、破線で書いておいたんですよ。

だから、最後にmǎという感じで(ピョンと3辺りに飛びます)。

だから、マ~ではないということを言いたいわけですよ。

この214という調値はあんまり(良くないです。)やはり、IPAでもそうですが、この調値は細かいそういう動きまでは書けないですよね。

音の高さしか書いてないから。

そうして、声調の探究、今の普通話、北京語はどうやって声調をしているのか、

沢山、調べましたけれども、面白いです!

まあ、この上声は名前通り、やはり、最後は上がるんですけれども、

やはり、この下に下がるところ、底で少し留まる感じで、

そうして溜めておいて開放する感じ。

その2から1にマ~ァァァという感じですね。

まあ、言ってみれば、他の声調にこの軽声を付けるとちょっといくわけですけれども、

それ近いんじゃないかなと思って、そういう感じで似たように点で書いておきました。

そして、四声の去勢は結構、強烈なんですよね!

5から1へとガーンとダイブするわけです。

しかも、急降下するときにグリッサンドをしているじゃないかなという。

まあ、グリッサンドマークは書きませんでしたけれども。

つまり、màですから、非常に強烈ですよ!本当に!

だから、私は今みたいにやはりハッキリさせたいから、

この声調は大事だったんですよ!

やはり、それはもともと子音であった情報を引き継いでるわけだから、

絶対これは情報が入ってるんですけれども。声調は絶対ないがしろにしてはいけない!

だから、ダイヤグラムの縦軸をすごく長くとって、

意図的に変化が分かりやすいように横軸を狭めて書いておいたんですね。

それで軽声だけはちょっとmaと添えるという感じで、

まあ、前にある声調によって、まあ実は変わるんですよね。

これは一声や二声(平声)が前に来た時のものを書いておきましたけれども。

そんな感じで今はこの一番ファンキーだった声調体系と一番これはコンサーバティブ、保守的な広東語の声調体系を見てみたいと思って、

こんな姉妹編を用意してしてまいりましたので行ってみたいと思います。

粤語、広東語ですけれども。これはすごいですよね!

もう、3、3、3と別れていて、

小節線を入れておきましたけれども。

陰と陽と入声です。

それで非常にこの対称性が美しいんですよね。

ここ真ん中が上がる所があって、本当に美しい!

中古漢語から、本当に綺麗に引き継いでまして、

実は声調の名前や由来や全く違いますけれども、

調値は先ほどの官話の一声と二声と粤語の一声と二声は北方官話と同じなんですよ!

これ本当に3→5 ˧˥ に上がっている!

まあ、一声(˥˧ ⁵³)と四声(˨˩ ²¹)は、お尻がちょっと下げ気味の人がいるんですよ!

つまり、これ˥ ⁵⁵が˥˧ ⁵³になっている。

si⁵⁵ではなくて、si⁵³みたいな音でして、

こちらのsi¹¹も、si²¹みたいに言う人もいますけれども(4声:陽平のIPAが/siː¹¹/としたつもりが/siː²¹/でした。粤語拼音方案:粤拼でも両方で定義されており、どちらでも間違えではありませんがダイアグラムと一致しないので注記します)。

特に四声˩ ¹¹と六声˨ ²²の区別をはっきりつけるためかも知れませんね。

色付けというか。

まあ、これはよくジャック・ティボーというヴァイオリニストが少しが音程をピーンと出すときに少しだけ下げるんですよね。

その音程をウィーンとヴァイオリンでそういうこともありますけれども。

まあ、それに近いんじゃないかと!

まあ、私は二つ書くとやはり、混乱するからセオリー通りにフラットに書いておきました。

平声だから。

有名な例でいきますね。

まあ、上手くできるは分からないけれども。

これ

「詩」si1 /siː⁵⁵/

「史」si2 /siː³⁵/

「試」si3 /siː³³/

「時」si4 /siː¹¹/

「市」si5 /siː¹³/

「事」si6 /siː²²/

「昔」sik7 /sɪk̚⁵/

「錫」sek8 /sɛːk̚³/

「食」sik9 /sɪk̚²/

という感じでして、

それで分かったことがあるんですよ!

⁵と³と²と¹が区別できればいいですね!

ということで楽譜も非常にスッキリしてますね。

もう最後の入声たちは非常に先にありました。

-p̚, -t̚, -k̚でしたから、切る!

強めに出して切る!

パッと止まることなんですよ。

だから、七声(sik7 /sɪk̚⁵/)、八声(sek8 /sɛːk̚³/)、九声(sik9 /sɪk̚²/)ですよね。

これらはピーッと出てる!全部動いでいるでしょうという違いがあって、面白いちゃんと区別がつきます。

これらの声調を見て感じたことは、

すごくシステミカルで22(陰・陽)で見ても、33(平上去・平上去・入入入)で見ても、綺麗に出来てましたということで広東語は美しかったっていうことが分かりまして、面白かったんじゃないかなと思います。

そういった形で官話、粤語の声調を見て、最もファンキーだった。めちゃくちゃだった。

最も秩序立っていた美しかったという対比が面白かったと思うんですけれども。

戻ってみたいと思います!

今回この音韻から始まりまして、

音と韻、声母と韻母で見てまいりましたけれども。

このページでは、全ての今まで現れてきた漢語の音に関して、

昔の人が一生懸命考えて伝えた方法を網羅できたんじゃないかなと、発想の基礎的な部分をお伝えできたと思うんですよ。

そして、こちら漢語には、もう方言というよりかは、もう別の言語だというような、すごい色んな言葉があって、

それらの音韻も見えてこれましたし、

ここでは、沢山の漢語のバラエティーはあるにしても、

全て音節の構造は声母、韻母、声調という、

これらの三つのパラメーターによって作られていること。

そして、韻母はより分析をすれば頭と真ん中とお尻があるということ、

それでお尻の部分の子音がどうも声調を生み出すのに影響してたんじゃないかということも、

全部、見てこれだと思うんですけれども。

これで大体、漢語の音と言ったとき、

漢字の中にキュッとに入ってる。

それを全て分析(analyze)して見てこれました。

それでどうしてこういうことを最初に見たかったかと言いましたら、

音韻学と言ったときに何を探究するんだということを、先ずはっきりさせたかったわけですよね。

その上で一つ一つの細かい事をどういうふうに音をあてていくのかっていう、

これはパズルみたいですよね!もう本当に!

だから、そうして、これから見れてゆけるじゃないかなと思いましたこと、

今やっていまして思いましたのは、だいたい、この声母と韻母に関して、

すごくやはり多いんですよね。

IPAの表で沢山の子音母音ありましたけれども。

ですから、やはり、どうしても、こういった上古漢語、中古漢語となると、

やはり、近古漢語、現代漢語から、逆にこう溯っていくことによって、これらが分かるわけだから、

中国語と一般的に言われる官話。これらの音をやりたいなと気持ちが湧いてきたわけですよ!

それでこちらにありましたけれども、

今日はこれはわざわざ一つずつはしませんでしたけれども、

それと他の方言とずれだけを見てきました。

ですから、これら自体をやはり一つの重要な基礎なんですよね。

ファンダメンタルな部分ですから、これをやろうということを思い立ちましたので、

次回にやってみたいと!それから、中古漢語、上古漢語に行きたいと思いまして、

乞うご期待ですということで楽しんでいただければと思います。

今回も本当にかなりもう熱量がドカーンと探求の炸裂、

特にやはり私は音が好きかもしれないっていうことで盛り上がりましたけれども。

もう、本当にこれからも、探求をして言った人たちのアイディア、

それと色んな解決、それの鮮やかな見事な手さばきを見てみたいということで行って参りたいと思います。

今回も音韻で盛り上がりました。

どうもご覧くださいましてありがとうございました。

失礼を致します。

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