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ボンジュール!モーツァルトの歌曲 Mozart's Ariette « Oiseaux, si tous les ans », KV 307

モーツァルトのフランス語の歌曲は佳曲でした! Oiseaux, si tous les ans, KV 307/284d(1777年末)についてお話ししました。

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2021年2月8日

ボンジュール!(笑)

皆さん、今回モーツァルトのフランス語の歌曲をやろうということになりまして、こんな挨拶になってしまいました(笑)

ところで、もうこれから、モーツァルトの様々な作品を通して見ていこうといったとき、何からどのようにやっていったらいいのかと考えたときにはですね。

ちょっと思ったんですよね!もう本当に素晴らしい作品が沢山あるから、もうどれからしていこうかなと思ったときにしょうがないと、

もう、パパンともう閃いちゃった!そういった作品を少しずつしていこうということでね。

私、もう、このフランス語の歌曲、ここに書いてありますが、小歌曲(Ariette)とOiseaux, si tous les ansという、鳥さんたちの詩をモーツァルトが、どんなにしたかを見ようということになりました。というのは、

思ったんですよね!ビデオを色々と作るのは、思考とか、発想とか、日々の瞬間冷凍じゃないかと!

瞬間冷凍パックを皆さんにお届けできるんじゃないかと、大変面白さを覚えておりまして、

それでは、こういった私は古いレコードを集めたり、聴くのが好きですけれども、面白いすごい音源が沢山ありまして、それも一緒にご紹介できるんじゃないかということでね。

私、感じておりまして、それはもう一つ著作権と著作隣接権の方の関係もありますが、こうしたもう50年以上前のこれはカナダ(放送協会CBC)で出ましたけれども、

本当に普通の曲は、フランス語で女性が歌うんですけれども、本当に男性が歌う面白いものがあったということでですね。

これを聴いてみようと、中々これは声も本当に素晴らしいし良かったので、しかもこの詩ですよね。フランス語の詩ですが、中々チャーミングですから、私は本当に面白くて選びました。

この詩自体はどんな詩かというと、鳥さんが色んな渡り鳥というか、その冬になるとどこかに行ってしまったりして、それでまた帰って来たりするわけですけれども、

それを見てフランス人は、もう鳥さんは、こういった厳しい冬とか、こういったこれは霜などを避けていき、それは花がある季節だけ愛し合えるんじゃないかということで。

それで最終的な結論が面白いのは、鳥さんが色んな所に行くのは、結局一年中ずっと愛し合うためじゃないかということで、これはフランス人らしい発想じゃないかと面白いです!

更にその詩(Antoine Ferrandの作) を受け取ったモーツァルトが音楽を付けたのが、チャーミングということで、本当に面白いからやってみましょうということになりました。

ところでこの曲はモーツァルトがザルツブルクからパリに行くときに間に立ち寄ったマンハイムでお世話になった音楽家の人たち、家族に書いて上げた曲ですが、

1777年から、もしくは78年の最初くらいケッヘル番号が307番、これはどういう意味なのかと、ずっとケッヘル、ケッヘルと言ってましたけど、

これは実はこうしたケッヘルが作ったモーツァルトの(作品の)カタログで1862年が初版なんですけども、一番新しいのは1983年8版ですけれども。

色んな(自筆譜の用紙や筆跡、作品の様式や構造などの)研究を基にどんどん、モーツァルトの(作品の)カタログも改訂されてまして、こういった形でこれが初版ですけれども、

これがこの曲はここにありまして、書いてありますね。

しかも、これが一番新しい最新版でして、この曲が、ここに書いてありますね。

こういうこのインキピットと言いますが、この最初の部分ですね。前奏とあと歌が入ってくるところが書いてありまして、

残念ながら自筆譜は行方知れずということになってしまっておりますけれども、こうした出版された楽譜がどういう所とか、このモーツァルトが書いた手紙があるんですよね。

この手紙に出てくるこの曲らしいと書いてありましたから、私はちょっと手紙を見ていこうとことでして、

こんなそれが、今出てきた1778年の2月の7日かの手紙でして、これがこうした形でザルツブルクのお父さんに向け、モーツァルトが書きまして、こうして宛先が書いてありますけれども。

この中に出てくる!ここです!これがフランス語の歌(ein französisches Lied)を書いて上げたと、そうした年手紙中でこの最後の部分で言及されていましたけれども。

これモーツァルトの字が読みにくく、あと当時と今のドイツ語の正書法がちょっと違いまして、例えば名詞が小文字になってたりとか、モーツァルトの場合はですね。

ということで、少し違うから、今のドイツ語の正書法に合わせて、まあ、それに近づけて合わせて書いておきましたが、

それを見ますとこの家のお嬢さん(Mad[emois]elle)から、フランス語のテキスト、この歌詞、詩をもらって、それで書いてあげたら、すごいこの比べ物にならないくらい、素晴らしく歌うんだと書いてありまして、

それでもうこのヴェンディングさんの家(Beÿm [sic] Wendling)では、もう毎日ずっと歌っていて、これ(この歌曲)にもう狂っちゃっているんじゃないかと、もうこの曲が受けましたと、お父さんに書いておりましてね。

そういうことも書いてくれてるから、モーツァルトは、この曲を作ったけど、皆からこうした反応があったよとか、あとはこうした曲を書いたとき、こうした所で気を付けました。

こうした所に、こうしたことをちょっと考えて組み込んでおきましたなどの話も沢山出てきて、本当に書簡も面白くて、

私思ったんですよね!モーツァルトについて考えていく、モーツァルトどういう人間だったか、どういう作品、どういうものが、そこに含まれているのかを考えたときには、

結局第一資料(primary source)を大事にしないと、それモーツァルトの場合は、この書簡、手紙、それと、もう一つは音楽が、楽譜という形で伝えられてきていまして、

それとあとは普通は他の作曲家の場合は、近代になれば録音を残していたり、もしくは著書を書いていたりしますが、モーツァルトの場合は基本的には書簡と楽譜ということでね。

それらを見ていくと、総合的にその周りの環境がどうだったかと補助資料を沢山見ていくと、モーツァルトがいた環境が少しずつ分かってきて、中々面白いと言えるということですね。

それでもう一つの大事な楽譜、この楽譜ですが、まあ、残念ながら、自筆(Autograph)は失われてしまいましたから、こうした新モーツァルト全集(Neue Mozart-Ausgabe)できれいに書いてくれてますから、これを見ながら聴いてみようということで、先ほどのの珍しい男性(Léopold Simoneau)で歌ってる。

普通女性が歌いますが、中々味があるというか、渋いんですけれども、一緒に楽しんで参りましょうと。いきますね(Léopold Simoneau · Pierrette Alarie)!

(ダンスを思わせる付点リズムの)前奏です。

ここは前奏と同じでリズム、しかも、ここは、伴奏の付け方が中々いいですね。
Oiseaux, si tous les ans | Vous changez de [quittez nos] climats,
鳥たちよ、毎年、君たちはこの地を去ってゆく、

それでここから、伴奏がアルペジオになり(前打音のようにリズムにアクセントを与え)ます。
Dès que le triste hiver | Dépouille nos bocages;
寂しい冬が、我らが木々を裸にしてしまうと、

おお、中々これが和声の移りも面白い。
Ce n'est pas seulement | Pour changer de feuillages,
しかしながらそれは、住処を変えるためでなく、

Ni [Et] pour éviter nos frimats;
でも(また)それは我らが霜を避けるだけではなく、

ここで止まって、(最後に属七の和音で不安定な音になり、)
Mais votre destinée
君たちの宿命は、

ここから短調になり、(テンポが少し落ち、情感を盛り立てて、)この臨時記号が付きますから、ハ短調かな。しかも、伴奏が下の方にいき、落ち着いて。
Ne vous permet d'aimer, | Qu'à la saison des fleurs.
愛することを許さない、花の季節以外には、

ここはすごいリズミカル、軽妙ですよね。
Et quand elle est passée, | Vous la cherchez ailleurs,
そしてそれが去りゆけば、君たちはどこかへ求めゆく

ここの上がり方が、ここもいいですよね!おお!なかなか!
Afin d'aimer toute l'année.
一年中、愛するために

ここのところは、(前と歌詞も旋律も)同じですが、鳥の鳴き声のようなタタタタと(また、心臓の高鳴りのような響きが)おもしろいですね。(最後に属七の和音で三度の音が抜け、空虚五度に七度が付いた不気味な音です。)
 Et quand elle est passée, | Vous la cherchez ailleurs,
そしてそれが去りゆけば、君たちはどこかへ求めゆく

(少し落ち着いた部分が来てから、)最後の所がすごい押しています!
Afin d'aimer toute l'année.
一年中、愛するために

最後も前奏と同じように下がって終わる感じでしたが、楽譜をそれでパッと見てみますと面白いことに、この一曲がこの二ページで完結して見やすく、見取り図みたいに見えますが、

最初この前奏で面白い、(ダンスを思わせる)付点リズムの軽妙、でも伴奏がすごく重厚で温かみとその風情があり、この最初の始まりから始まった同じリズムが、フランス語のリズムですよね。これはすごく本当に上手く写されて合っているし、

それでここの最初の拍から出て、少し先取りみたいですね。

ポンポンと本当にブロックみたいに伴奏が付くんですよ。

そう思いましたら、ここのところで、この旋律もぐっと下がってきたと思ったら、ここで変わるんですね。途中から(休符を挟んで)すごく和音が滑らかになってですね。

しかも、低音も一個だけになり、すごいここのところがよく動いていて、この音を出して、間のオブリガード声部、歌手が歌う旋律をもう盛り立たせる役割というか、そのバックグラウンド、背景というか、風情が感じられる形で滑らかになり、

それでこの三連符も、すごいフランス語ののアクセントに合って、これ終止を一回ここでするちょうどに半分くらいの所、本当に半分ぐらいのところで一回終止して、

そこからこの部分(Mais votre destinée)はフランス語で「これは運命じゃないか!」と、「あなたがたの運命だ!」と。

ということで、「鳥さんたちの運命だ!」と言っていまして、そこをすごい強調して、これ(不安定な属七の和音でドキッとさせ)フェルマータがあり、ガラッと変わります。

それでそこから何なのかと言ったときに、「花がある暖かい季節しか、愛し合えない残念」という意味でして、ここは短調に転調しておりました。ハ長調からハ短調になりましたね。

きてましたしね。しかも、そこを過ぎるとフェルマータで(句が終わり、)

次の句からその季節が去っていくと、少し軽妙になってきて、本当に明るさが出ていく、軽やかになり、それでしかも、「それは一年中愛し合うんだ!」ということでね(笑)

それで最後のところは、もう一回同じ歌詞に対して同じ旋律を繰り返していますが、もうそこの所は伴奏部分の間をタタタタタタタタに代えているんですよね。

だから(鳥の鳴き声を思わせたり、心臓が高鳴るような期待感が高まり、)しかも、本当に伴奏もこれを見ますと、非常に低音も増強され、間にまた一つ言葉が加わり、なかなかmassive、非常にその音が塊のように聞こえて面白く、最後は個々の所から、本当に少しずつ盛り上がってきますが、

「一年中愛し合するため」という、帰結部分が、どんどんどんどんリズムも細かくなって、激しくなって、

この割には逆にここの伴奏がやはり最初と同じように、非常に軽やかになってきて、この歌手が歌っている旋律が生きてくるという、パッションがより高まるように伴奏が付けられ、

それでもう盛り上がったと思ったら、最後は元の伴奏が下にいくような形でして、というのは低い方に少しずついくように鎮静化して、最後の終わりになるといまして、

非常に一つのこの短い中に流れが出来ていて、どこを切り出しても、モーツァルトは同じにならないように、1回目と2回目など別の変化球をしてきて、中々これも(細かい)工夫に満ち溢れている作曲じゃないかなと思っておりますと、

それでこうした結局、作曲を見た時に私思ったんですね。先ほど申し上げたみたいに、このビデオを作るとは、瞬間冷凍パックじゃないかということで、この音楽の作品とは、モーツァルトがその時にいた、丁度これは21歳、22歳あたりに書いた作品ですが、そのモーツァルトの発想が集約され、この短い中に本当に出てますから、

瞬間冷凍じゃないと!音楽の作品とは、その音楽家の考えとが思い、そういったものが見て取れたんと思います。

ということで、色々とお話ししましたけれども、それでは、もう一回最後にこれ一緒に楽しんでみましょうといきますね!

Oiseaux, si tous les ans | Vous changez de [quittez nos] climats,
鳥たちよ、毎年、君たちはこの地を去ってゆく、

Dès que le triste hiver | Dépouille nos bocages;
寂しい冬が、我らが木々を裸にしてしまうと、

Ce n'est pas seulement | Pour changer de feuillages,
しかしながらそれは、住処を変えるためでなく、

Ni [Et] pour éviter nos frimats;
でも(また)それは我らが霜を避けるだけではなく、

Mais votre destinée
君たちの宿命は、

Ne vous permet d'aimer, | Qu'à la saison des fleurs.
愛することを許さない、花の季節以外には、

Et quand elle est passée, | Vous la cherchez ailleurs,
そしてそれが去りゆけば、君たちはどこかへ求めゆく、

Afin d'aimer toute l'année.
一年中、愛するために

Et quand elle est passée, | Vous la cherchez ailleurs,
そしてそれが去りゆけば、君たちはどこかへ求めゆく、

Afin d'aimer toute l'année.
一年中、愛するために

こんな感じでなかなか面白かったですねぇ!ということで、今回聴いていた中で一つ、今もう一回聴いて感じましたが、少し異読と言いますが、歌詞がこのところが違いまして、

このこれ(quittez)は「違うところに行く」という動詞ですが、changez「変える」で歌っておりましたし、(niがetになるなど)少し異読がありまして、最後はこの歌手で私が選んだのは、最後はもう押してくる、すごいパッションが高まりまして、もう最後が盛り上がり、しかも、ここのところは、シンコペーションみたいに低音が増強され、面白かったと思います。

このようにして、今後とも、日常の私はよく楽譜を見ながら聴いたり、少し音を出して弾いてみたり、そうして音楽を本物の作品で味わいながら、また学んでいこうとしていますから、日々のこういった音楽に対する考えなど、思いなどを瞬間冷凍して、皆さんにお届けしたいと思います。

今後ともKF-Schola、何とぞ宜しくお願いします。本日もありがとうございました。

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