王羲之と同時期の肉筆資料《李柏尺牘稿》の書法をまたまた熱く語りました!王羲之の尺牘とそっくりさんです!
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2021年3月16日
皆さま、こんにちは!
前回の楼蘭残紙からまた発送しちゃいまして、また当時の王羲之が生きていた同時代に書かれた、それも楼蘭残紙と同じように西域の方で発見された発掘された、
これは新疆の孔雀河という、もうかなりの西の方ですけど、
そこでまあ当時王羲之の時代は東晉でしたけれども、そちらには前涼という国がありましてね、
まあ同じように漢字を使っていたですけれども、
その時代にありました李柏尺牘稿ということで、お手紙を書こうとした時の下書きですよね。
それをちょっと見ていきたいなと思うんですよね。
そこで面白いことに同じ李柏さんが書いたんですけど、これ日付を同じで全然、書風が違うというのが二つありまして、
これは面白いということでこの後にも結構(文章が)長く続くわけでありますけれども、
ちょっと最初の部分で一番分かりやすいという感じでありますから、
まあどの部分を見ても特徴があるんですけども、見ていきたいなと思うんです。
あんまり字が多すぎると、もう語りすぎちゃって動画がものすごく長くなっちゃうということですから、
そこを見ていきたいと思うんですけども、これ見ると全然違うんです。同じ人が書いているのにということで、
こっちは渇筆でして、ものすごい枯れた線で書いてあります。こっちは潤筆ものすごい墨を付けでブジュブジュと書いていて、
それでこちらで結構隷書ぽくて、こっち横に行って縦に行って、書いていますから、一画ここも折れるところも。
こっちはすごいピンピンと来て、こっち返るところも連続的!こっちはピンピンですよね!
だから草書に近い行書、まあ行草という感じですけれども。
これを見るとかなり右上がりなんですよ!激しい!こっちはある程度、まあこれでもうちょっと右上がってるんですね。ちょっと結構上がってるんですけどね。隷書から見ればなんだけれども。
かなり彼の場合は右上がりが激しくて、こっちの上にいくう、そこすごいんですよね!これ「五」も上に行っちゃってすごいですよ!これ!
という感じで特徴があるんですけども、なかなかこの「西域」の「長史」ということで「關内侯」「柏」、自分の名前、「頓首」「頓首」と書いてありますけどね。
このお手紙の最初はなかなかいい字ですよ。
すごくテンと入ってキュッと上がる。こっちにグンと来たら、ギュイーンと来て、ウィーンと曲がる!
まあここはやっぱりいつも申し上げるように転回点の後は、筆がねじれるから、少し弱くなるわけですね。渇筆ぽくなるのがはっきり見て取れる。
ここがすごい面白くて、なかなかこの ウーンときて、ギューンと来る感じでいいんですよ!すごく面白い!
同じところを見るとこの「西」は四角ぽい、隷書ぽいんですよね。
なんですけども、なかなか、この人はむしろこういった、まあ楼蘭残紙やこっちは簡牘には結構こういう書風が多いんですけど。 まあ一般的に見られ、よく見られる!
でもこれなんか面白いですよね。此の三本線が本当に太くてぶっとくて、本当に短くて、これがギュイーンと行って、
こっちの抜け方が、これすごい王羲之もよくここで使う筆法ですよ!この波法のところなんか!
これちょっと雑っぽい!早く逝きすぎちゃって「心」なんかアンバランスで何かよちよちした感じに見えちゃうけど、
でもこの感じなんか王羲之の本当に字形にも近い!
こういうところちょっとちょっと調子が出てきて、ここ、ここは筆が割れたままピンと出たから、
王羲之でもありましたね。これは本当にちょっと筆が割れたままピンと抜けた場合は、こうなりますからね。
もう本当にギューンと行って、抜けてポーンと瞬間的にということで、本当になかなか面白いんですけどね!
まあこの辺りなども、すごい特徴は、似たようなところがあるんですよね。
太いけれどもこっちはという感じでして、
それとあと縦線はこうギュイーンと来て少し弧を描いてましたよね。
大体この当時の人の書いたも、縦はピンと縦てはないという、その方が早いです。早く書けますから!
そういう感じで、本当にこれなんか縦は少し太くて、こっちは渇筆で少し濃淡の差があるように書いてあるし、
本当に面白いんですよ。だからこれはアイディアをね自分の文章をフイーンと書いて行って、どうしようかなと早く本当にもう本人の書き癖などがで一番現れる!
ピシピシと書いてないから、すごい随意に書いている!
こちらがすごいですよね!もう門構えがすごいめちゃくちゃ大きい!これは闊達の「闊」という字ですよね!
これは門構えの中に生活の「活」を書いていますからね。
こっちはこの点点点がちっちゃいでしょ!それでこっちが大きいという、もう大きく振っていて面白いですよ!
アンバランスさが半端じゃないということでそれでこの「久」のここの揺れはなかなかヒューンと行って、
もう紙の上で距離が少し変わってるわけで少しグワングワンとなっているんですよね。
ここで接触は本当に筆の先から入って、ギュンと止める!
あんまり筆のところに墨がない状態です。
これは筆は相当かなり長鋒じゃないかな!
今まで見てきたようなものは結構、筆の穂先は短い、結構長いんじゃないかなということです。
意外と渇筆のままでも長く書けていると、その墨だまりのところから、墨が下りてきて、書いているということです。
それでブワーンとこれ太くなってるから、結構穂先がなかったんじゃないかなと、
筆の様子、墨の濃度、墨の質、それと紙の質、それらによっても、相当影響はあります。
彼の同じ人でもこれだけ違いますから、墨が多い時と墨が少ない時で全然違うということなんですけど、
こういった形でこれは楼蘭残紙でもそうでしたけれども、本当に「心」の上の方にチュンチュンチュンチュンとなって、
それで「心」の下が長くて、かなりこれ倒れているから、下の方に来ている!
もう「懷」でしょうこれは!「衣」はこっちまでもう右のほうにバンバンバンバンと出ちゃって、これ本当になかなかいい形ですよ!
この「思想」という字も王羲之の中で何回か見たかなということで、
これの回り方、ずっと見てきましたけど、こういうところ点折も面白い。
それとあとは、入り、入り方、その接触のところ!
ここはトゥンと跳ねて、 いつもこの申し上げていますように、ここで結構筆画荒れるから、この回るところ、それをツンと跳ねることで直す瞬間的に!
それでこっちに入ってるわけですね。 「田」の中のこっちがおもむろにここ開けているのがいいんですよ!
なかなかこっち側と右側の方にボーンと出しちゃったことですごい、
この字が伸びやかになって、こっち「心」のうねりが「想」で違うんですよね!
ここから来て、ここ開けて、大らかでしょ!
ここすごい空けて大らかなんですよね!
それでここも開けているでしょ! すごい大らかなんですよ!
まあ顔真卿の《祭姪文稿》みたいな、そう言うところがあるんじゃないかと!
なかなか鋭い!こっちを見ると大丈夫かなという感じだけど、すごいなかなかいいんですよ!
これで「不」という字、これすごいこっち上にグーンと行って、ここはすごいトットットーという感じでして、
リズムがあり、「知」も本当に下の所にツンツンと来て、「口」はギュンギュンでしょ!
この人の特徴は面白い、あるところがものすごい凝縮して、あるところがものすごく大らかなんですよ!
それでだいたい偏が凝縮していることが多くて、こっち側が大らかな場合が多い!
この人の特徴なんですよね。最初のところは、ギューンと書くんですけれども、ここもそう偏と旁はないけど、上下で上下で上の方は重いですけど。すごいに軽くなってるんですよね!
下のほうが明るいんですよね。こっちはこっちの宝賀明かるから、今度こっちで非常に凝縮、「頁」という字ですからね。
足のところもすごいここでやっぱり全体を引き締めているんですよね。
そういうことが考えられて、なかなかここのところがギュイーンと上がるところに圧が高まって、
筆は向こう側に倒れているよ思われる!
なぜかというと、こう入ってきて、筆がきて、向こう側に倒れていたんじゃないかなと。 といってもあんまり倒れていないですけれどもね。
基本的にこの当時の人は、もう向こう側とか言っても、本当に微妙な角度のところですよ!
もう大体直筆に近かったんじゃないかなと、それで中鋒に近かったんじゃないかな。
(筆が傾くとか、筆が偏るのは)微妙にですよ!
だからトゥンときて、シューと入っているでしょう!
鍾繇でもそうでしたよね!この入りスーと来て、グッとここで当てて、こっちに来ているんですね。
ここ割れているというのは、結局当てた瞬間にビンときてるから、すごい筆がもう割れちゃっても関係ないという感じでグイーンときて、
こっちでもここである程度、点のところで筆を直すんです。
それでこっちに移ってるという!それで「也」では縦に縦というのが面白いですよね!
ここにこっちに行くんじゃなくて、「詔」という感じでこれ上やここトゥンと受けたら、ここは本当に微妙なんですよ。
見て下さいと!ここを受けてる!それで入った瞬間にギュイーンと行って、
この角度が上と下で違うんですよ!こうでしょ!それでちっちゃく下が鳴っている!
ものすごいこっちが上が大きくて、この中が凝縮!意外とこの「女」のバランスの取り方、
王羲之にも結構あるんですよね。意外ともうちょっと洗練された形ですけど!
それで「家」はここがウィーンときて、オッと行って、それで擦れたまま、こっちで右に行って、
下の所にグィーンと行って、ここのところでは、少しずつ右へ弱くなっていって、筆圧が弱まって、筆がこっちにいくんですよね。
こういう形なども王羲之よくやりましたね。
見てみた《寒切帖》の中でもよく出てきたような記憶があります。
王羲之にもよくこれが出てきます。すごい当時は近かった!
その個人の癖とか差を超えて、当時の書き方、本当にこうもみえるでしょ!これ、これいいですね!もうそこで抑えている。
上が少し消えかかってるような感じだけど、本当にここのところで綺麗に押さえてるんですよね。
「遣」もビンビンビンビンとキュイーンと来て、スーンと来て、あっ!あっあ!ともう一回、この最後の之繞の所に行っているんですけれどもね。
なかなかいいんじゃないかということで、この連絡線がすごい!ここのところもなかなか連絡線の変化が、この人はなかなか面白い!
それも別に狙ってやったわけじゃなくて、もう本当に手紙を内容を書きたいときにパパパパと頭の中で思いついたことを書いていった。
本当に卒意があって、そういうところでも、なかなか晉人、まあこの人はその当時の同時代で涼という、また別の北方の方の国ではあったけれども、
李柏も史書に出てくるんですよね(《晋书·張軌傳》附《張駿傳》に324年、前涼王張駿が部下の李柏を楼蘭に派遣したことがあり、特にこの尺牘の草稿は、李柏が焉耆(えんき)王の竜熙に宛てたものです)。それで貴重でびっくりしちゃうということでして、 他にもたくさん出てはいるんですけども、
手紙の1枚は、この後も続いて、きちっと最後まで、その途中で捨てられてなかったりして、ちゃんと書いてある状態であったりしてね。
まあ自分の所に置いた控えかもしれませんね。それで相手に送った手紙が残っているということでね。
こちら方も 今度は隷意があって、隷書ぽい、入れ直したところもあって、
王羲之ぽい字もあったり、この本当に太い表現、意外と王羲之は太い表現を好んでいまして、
こういうものすごい速い部分と、こういったダーッと少し墨を含ませて、おもむろにやるところ!
そういった二つの要素を持っていましたから、 両方をこの人が書いていたということでして、
それは王羲之の中ではすごい、それは二つが同じ中にマッチしちゃう!この二つの要素がそれがなかなか面白いというか、天才性なんかもしれないけれども。
そういった意味でこの二つの当時の書の風格を楽しむのは、面白いじゃないかという感じがしますよね。
本当にもうやってくとキリがないから、もうあるんですけれども、
この「域」は面白いですよ!
ここの作り方、この周りのところ回ってきたところと、中が少し強くなってたりして、
こういった発想、文字を構成する時、こうきたら、次はこうかなといった時間の動きの中での、書の作られていき方、字の作られていき方、線の動き方、
それで「頓首」の「首」も、ツンとおいて、トン、タッ、ターと行ってます!
ここまでしてここまで戻ってきて、空中から戻ってきて、降りてきてから、こっちきてこうこうと、ちょっとクンと来ているから、ここはやっぱりちょっと黒いですよね。ここは早いですね。
その線の変化、それをよく見ていくと、それをずっと頭の中に一杯蓄積していくんです。
そうすると自分が実際に書くときとか、臨書する時にも、役に立つじゃないかということでして、
このレパートリーを沢山頭の中に焼き付けていくという、そういう作業なんです。
それを少しずつ一つ一つ本物の書を見ながら、やってきてるんじゃないかなと思って、
まあこれはもうちょっと私の中の学びも含めて、ちょっと続けていきたいなと思います。
少しこれいいなぁと思ったものを私が味わいながら、それをできる限り、口出しながら、
ああ、これなんか面白いじゃないかと!「白」はこっちに来たら、だってこうきてクッと来て、ピュンと来て、
ここに宛てたら、ここに戻って、ヒューと本当にもう離れるか、離れないかの微妙な所で、ここまで回っているけれども、ここは擦れちゃっているでしょうと!
だから筆法は真ん中をここでは通って、基本的には中鋒で真ん中を通るんですよ。でもこの回る所では、通ってないんです。
ここがなぜかといったら、擦れてるからです。微妙にみると、ここは一応は線はある!
でもかすれている!こちらはということは筆鋒はこちらを通った!
当たり前ですよね。こうきていきなり切り返したから、というような細かいところを含めてみると(分かります。)
それでここで墨をつけましたね。多分ここまで墨がなくなってきたから、
ということでここは太くなっておりますけれども、
そういった形で本当に楽しめて見てゆく、一つ一つ頭に焼き付けていくことは大事ですから、
今後とももしご興味持って頂けたら、お付き合い下さればと思います。
今回もこんな感じでありますけど、ありがとうございました!